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公益財団法人東京都歴史文化財団

国際交流展「いきもの:江戸東京 動物たちとの暮らし展」開催のお知らせ(東京都江戸東京博物館)

(PR TIMES) 2022年10月20日(木)20時40分配信 PR TIMES

会期:2022 年11 月9 日(水)〜 2023 年1月21 日(土) 会場:パリ日本文化会館(フランス、パリ)

東京都江戸東京博物館は、国際交流基金 パリ日本文化会館と共同で、パリ日本文化会館開館25周年記念展Un bestiaire japonais - Vivre avec les animaux a Edo-Tokyo (XVIIIe-XIXesiecle) 展 (日本語名称「いきもの:江戸東京 動物たちとの暮らし」展)を開催いたします。
東京都江戸東京博物館は、2022年4月1日より、大規模改修工事実施のため長い休館期間に入りました。
休館中の事業の一つとして、このたびフランス・パリにて、動物をテーマにした収蔵の展覧会を開催します。

展覧会概要


[画像1: https://prtimes.jp/i/38211/405/resize/d38211-405-da4f9b61f34dc9de8b22-0.jpg ]

世界史上でも類を見ない、極めて長期にわたり平和が続いた日本の江戸時代(1603〜1868)、現在の東京の旧称である江戸には幕府が置かれ、18 世紀初頭に人口100 万人という巨大都市へと発展しました。しかし、都市に暮らしていたのは人間だけではありません。さまざまな動物たちも一緒に生存していました。
人に飼育された動物もいれば、自然のなかに野生の動物もいて、江戸は実に生物多様性に富んだ都市でした。そして人々は、動物を自分たちの仲間かのように接していたと言われます。
本展では、江戸・東京の人々といきものの暮らしの歴史と文化を、東京都江戸東京博物館の珠玉の所蔵コレクションから紹介します。動物との暮らしを楽しむ人々が描かれた浮世絵や、生活用品のデザインに取り入れられた動物たちの姿を通して、人といきものの共生の素晴らしさと、その前提となる豊かな自然環境の大切さを感じていただければ幸いです。


展示の見どころ

「人と動物」をテーマに、幅広いジャンルの江戸東京博物館収蔵品を一堂に展示
本展は、江戸から東京における人と動物の暮らしをテーマに、東京都江戸東京博物館の収蔵品から、江戸時代の屏風や浮世絵、着物、近現代のおもちゃまで幅広いジャンルの作品・資料で展示を構成します。本展は、東京都江戸東京博物館の収蔵品が大規模にフランス・パリで展示される初めての機会です。

多種多様な、都市のいきものを紹介
本展でご紹介する動物は、馬、牛、犬、猫、ウサギや舶来の象、ラクダ、虫など多岐に渡ります。
江戸時代初期に制作された「江戸図屏風」には多くの馬とともに野生の鹿が数多く描かれ、幕末の刷り物には象や豹の来訪が伝えられます。浮世絵には家庭で飼われた猫やウサギなども登場します。江戸東京は、実に生物多様性に富んだ都市ともいえるでしょう。

人と動物の暮らしをものがたる作品・資料
本展の展示品からは、人々が、身近な犬や猫、馬や鳥などの動物を同じ都市に生きる共同体として親しく接していた様子がうかがえます。町犬のあどけなさを描いた浮世絵、動物たちの可愛らしさをとらえたおもちゃや生活用品にぜひご注目ください。


展示構成

<プロローグ> 外国人が見た日本人といきもの
1877(明治10)年に東京大学で教鞭をとるため、いわゆる「お雇い外国人」として来日した米国の動物学者、エドワード・S・モース(1838-1925)は、日本人が生活の中にいる動物を親切に扱うことに驚きました。町の人々が、道に居座る犬や猫を邪魔しないように避けたり、またいだりして通行し、動物の名に「さん」付けして親しみを込めると『日本その日その日』で記しています。また、1882(明治15)年から日本に17年間滞在したフランスの画家ジョルジュ・ビゴー(1860-1927)は、日本の世相を伝える多くの絵画を残しましたが、そのなかには人と動物とをユーモラスに描き出したものも見られます。こうした描写には、日本の中では極めて当たり前すぎて誰も残すことがなかった、人といきもののかけがえのない日々が見出せるのです。彼らの描写から、外国人が印象的に見た江戸・東京の人々と動物の関係性を紹介し、本展の導入とします。
[画像2: https://prtimes.jp/i/38211/405/resize/d38211-405-5aeec71a1d53df52f636-1.jpg ]


<第1章> 江戸のいきもの〜「江戸図屏風」の動物を探してみよう
江戸時代初期の江戸市街と近郊の景観を取り上げたのが、「江戸図屏風」(国立歴史民俗博物館原蔵、本展では複製を展示)です。この屏風は、屏風の左隻に、1657(明暦3)年の明暦の大火で焼失する以前の江戸城天守閣を、右隻には、御茶ノ水、上野、浅草、王子、郊外の川越城、鴻巣などの広範な地域を描き出し、3代将軍徳川家光が催した鹿狩や猪狩、鷹狩などが含まれる点が特徴です。
本屏風を「いきもの」の視点で眺めると、最も描かれる動物は人間で、右隻・左隻合わせて4,983人もの人物が描かれると判明しています。そして、人間以外の動物も数多く見られ、狩猟という将軍による事績を含み、江戸時代初期の人々と動物の関わりがつぶさにうかがえ、そのような視点でも貴重な資料といえるのです。本章では、江戸図屏風から都市の形成期にいた動物たちを探っていきます。

<第2章> 飼育されたいきもの
◎働く動物
人の生活の助けに飼われていた動物に、馬や牛、犬などがおり、武士の都として成立した江戸は当初、多くの軍事用の馬がいましたが、平和が長く続き、やがて限られた上級の武家のみが馬を飼う程度になりました。軍馬が減少していくとは裏腹に、都市の暮らしを支える運搬用の馬の数は増えていきました。牛も江戸市中では荷物の運搬に使われ、郊外の農村では、田畑を耕すなど農耕の貴重な動力源でした。
[画像3: https://prtimes.jp/i/38211/405/resize/d38211-405-81868cc509b6806d8e9b-2.jpg ]

◎家庭に飼われたいきもの
江戸では、平和で安定した時代が長く続いたことにより、人々の暮らしにゆとりや余暇の時間が生まれ、さまざまな文化活動が盛んになったのと同様に、家庭内で動物の飼育を楽しむようになりました。愛玩された動物には、小型犬や猫のほか、ウグイスやウズラなどの小鳥、鳴き声を楽しむ鈴虫やコオロギなどの虫がいました。どのように育てるかの飼育の参考書が多種多様に出版され、いきものとの暮らしを描いた浮世絵も多く作られました。
[画像4: https://prtimes.jp/i/38211/405/resize/d38211-405-b94c113d19ef531454fb-4.jpg ]

[画像5: https://prtimes.jp/i/38211/405/resize/d38211-405-347b1cce033b0b2e64a2-3.jpg ]


<第3章> 野生のいきもの
◎野生動物の記録
江戸時代を通して、将軍や大名の武芸の訓練の狩猟は、野生の鹿や猪、野鳥などを対象に、江戸の近郊で繰り広げられました。鷹狩は、飼いならした鷹などの猛禽類を放って行う狩猟で、獲物は、鶴や雁、鴨などの野鳥でした。一方、鹿狩は、巻狩という大規模な狩猟が行われ、野生の鹿や猪、ウサギ、キジなどが捕られました。狩猟の記録からは、野生動物の生息状況がうかがえます。
[画像6: https://prtimes.jp/i/38211/405/resize/d38211-405-909934560615fccdfdbb-5.jpg ]


◎四季の楽しみ
江戸の地形は起伏に富み、川も多く海に面してもいました。人々は自然と深くつながりながら、季節ごとの多彩な年中行事にいろどられた日々をすごしていました。花や木々、鳥や虫、魚貝などの野生のいきもは、日常の営みの中で見られ、四季折々の生活に彩をそえてくれたのです。
[画像7: https://prtimes.jp/i/38211/405/resize/d38211-405-c937868fcd4f143b6a68-6.jpg ]

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<第4章> 見られるいきもの〜見世物から動物園へ
17世紀初頭から急速に都市化が進められた江戸では、人口が増大し、様々な娯楽が普及しました。珍しいいきものを見せる興行もその一つで、中国やオランダを通じて舶来した孔雀やオウムなどの見世物が話題を呼びました。18世紀には、敷地内に動物を展示しながら、客に飲食を提供する店が登場しました。
幕末以降、欧米諸国との海外貿易が本格化したことにより諸動物の渡来も増え、江戸に空前絶後のいきものブームが起こります。明治期以降、日本は世界と対等に渡り合うために文明国家としての国づくりを進める中で、動物園や競馬場といった施設を作り上げていきました。
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<第5章> デザインのなかのいきもの
◎きもの・装身具・身の回りの品々

江戸時代初期より、着物の文様はバリエーション豊かに発展し、加えて江戸中期以降には、装身具など身の回りの品々のデザイン化も進みました。身に着ける品々の意匠には、四季を象徴するいきものの姿や、縁起の良いイメージがもたれたいきものをモチーフとしたデザインがみられます。
また、子どもの無事の成長と災厄除けを願ったお守りや護符が多く作られ、そのモチーフには動物信仰が反映されているものが多く見られます。

[画像11: https://prtimes.jp/i/38211/405/resize/d38211-405-e2012de0aebddfd55ed5-10.jpg ]

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◎人形・おもちゃ

日本において、人形や玩具は遅くとも7世紀頃には成立し、貝合わせなど、上流階級の大人を対象とした玩具には贅を尽くした意匠のものも多く見られます。現代のように主に子どもを対象とした人形や玩具が庶民層まで広まったのは、江戸時代頃からと考えられています。
江戸時代以降の人形や玩具には、姿形がデフォルメ化されたいきものの意匠が多く見られます。信仰や愛玩の対象であった動物がキャラクター化され、身の回りの品々のデザインに落とし込まれていきました。明治時代以降もその傾向は続き、より可愛らしさが強調されて意匠化されるようになり、現代においては動物のモチーフは「可愛いもの」として意識的にデザインに活用されているといえるでしょう。

[画像13: https://prtimes.jp/i/38211/405/resize/d38211-405-00da1fd8e1bbd8cb9ebf-12.jpg ]




展覧会情報

【会 期】2022年11月9日(水)〜2023年1月21日(土)
【会 場】パリ日本文化会館展示ホール(フランス、パリ)
【住 所】101 bis, quai Jacques Chirac 75015 Paris, France
【観覧料】一般5ユーロ、割引3ユーロ
【開館時間】火〜土曜日 11時〜19時(最終入場は18時15分。18時45分には展示室からの退場をお願いします。) ※木曜日のみ 11時〜21時(最終入場は18時15分。20時45分には展示室からの退場をお願いします。)
【休館日】日・月・年末年始
※ 詳細はパリ日本文化会館ホームページ https://www.mcjp.fr/ をご確認ください。
【主 催】独立行政法人国際交流基金 パリ日本文化会館、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館
【協 力】日本航空株式会社、パリ日本文化会館支援協会


カタログ/講演会のお知らせ

【カタログ】パリ日本文化会館およびオンラインで販売
書名:Un bestiaire japonais Vivre avec les animaux à Edo-Tokyo ( XVIIIe et XIXe siècles)
価格:22ユーロ 判型:16.5×24cm、160ページ(全文仏語) 発行:2022年11月
出版:Éditions Gourcuff Gradenigo http://www.gourcuff-gradenigo.com/librairie/index.php 、パリ日本文化会館
収録テキスト執筆:小山周子(江戸東京博物館学芸員)、西村直子(江戸東京博物館学芸員)、川口友子(江戸東京博物館学芸員)、フランソワ・ラショー(フランス国立東洋学士院研究員)
販売場所:1.パリ日本文化会館(地上階受付) 2.fnac(オンライン) https://livre.fnac.com/a17239510/Collectif-Un-bestiaire-japonais 3.アマゾン(オンライン) https://www.amazon.fr/bestiaire-japonais-animaux-Edo-Tokyo-si%C3%A8cles/dp/2353403735/ref=sr_1_2?crid=K8G2P8NC2OXO&keywords=un+bestiaire+japonais&qid=1666099687&qu=eyJxc2MiOiIwLjE3IiwicXNhIjoiMC4wMCIsInFzcCI6IjAuMDAifQ%3D%3D&sprefix=un+bestiaire+japonais%2Caps%2C42&sr=8-2

【講演会】「いきもの:江戸東京 動物たちとの暮らし」展オープニング記念講演会
開催日:2022年11月8日(火)18 :00-19 :30
会場:パリ日本文化会館(小ホール) ※事前申込制・有料
登壇:小山周子(江戸東京博物館学芸員)、フランソワ・ラショー(フランス国立東洋学士院研究員)

※開催内容は都合により変更になる場合がございます。予めご了承ください。
※最新情報はパリ日本文化会館ホームページ https://www.mcjp.fr/ をご確認ください。



プレスリリース提供:PR TIMES

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