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国境なき医師団(MSF)日本

シリア:マダヤの包囲と飢餓――患者の緊急搬送と医療物資の補給も不可欠

(PR TIMES) 2016年01月08日(金)17時49分配信 PR TIMES

内戦状態のシリアでは、首都ダマスカス郊外の町マダヤに対する政府軍の包囲が2015年7月に始まり、10月18日に食糧配給が1回行われた後は完全な封鎖状態となって約2万人の市民は命の危機に直面している。国境なき医師団(MSF)が国外から支援する医療施設では12月1日以降、23人の患者が餓死している。MSFはシリア政府が当該地域への食糧供給を認めるという報道を前向きに受け止める一方で、医薬品の速やかな包囲網通過と、患者を安全な場所へ移す救急医療搬送を認めるよう求めている。
[画像: http://prtimes.jp/i/4782/307/resize/d4782-307-360544-1.jpg ]



出入りのかなわない屋根のない牢獄

亡くなった23人の患者の内訳は1歳未満6人、5〜60歳12人、60歳以上6人、男女比は18人対5人だった。これは現状が年齢や男女の別なく致命的な影響をもたらしていることを示しており、MSFは患者と何ヵ月間もわずかな食糧しかない住民2万人の安否を大いに懸念している。

MSFオペレーション・ディレクターのブリス・デ・ル・ヴィンヌは次のように話す。「現状は軍事戦略としての包囲がもたらす影響の典型例です。医師たちの前には空の薬品棚と、飢えと病で治療を待つ患者が並んでいます。医療スタッフは糖とエネルギーを摂取できる唯一の物として、重度栄養失調児にシロップ剤まで飲ませていますが、それによってわずかな物資の消費が速まっています。食糧供給、患者の救急医療搬送、薬の緊急補給のほかに、この壊滅的な現状を押しとどめる方法はありません」

マダヤの状況は国内各地で政府軍と反政府武装勢力のいずれもが行っている包囲の最たる例であり、MSFは他の地域がマダヤと同様の状態に陥ることを危惧している。

デ・ル・ヴィンヌは、「現在のマダヤは事実上、屋根のない牢獄です。出入りはかなわず、人びとは顧みられることなく亡くなっていきます。MSFが支援する医療従事者からは、マダヤ脱出を試みた人びとが銃撃や地雷によって死傷する例が報告されています。1月6日には、人びとが困窮のあまり、MSFの支援先食糧配給所に残る最後の食糧を確保しようと騒動になる一幕も見られました。この配給所は、特に無力な住民のためのものでした」と続ける。

気温は氷点下に

MSFは包囲が厳しくなった2015年8月から、マダヤで各1ヵ所の医療施設と食糧配給所を支援。困難はあったものの、当初はまだ食糧と薬の供給が可能だった。しかし、やがて、あらゆる物資が包囲網を通過できなくなった。もとより多大な医療ニーズが食糧不安と栄養問題で悪化。医療従事者は手に余る条件下で活動を強いられており、最低限の必須医薬品を速やかに補給しなければならない。またこうした医療や物資の提供は継続して行うことが重要となっている。

さらに、山がちな現地ではこのところ気温が氷点下に達し、苦境に拍車をかけている。特に患者の回復は凍える寒さの中では進みにくい。住民は銃撃や地雷の危険を冒しながら、町の周辺で薪を集めており、人道援助には暖房のための燃料も含める必要がある。

プレスリリース提供:PRTIMES

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