プレスリリース
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、プレミアム(卸値平均売価ASPで400米ドル以上)スマートフォングローバル市場の売上は、2021年に前年比24%伸び、過去最高の水準に達したというMarket Pulse Serviceによる最新調査を発表致しました。
プレミアムスマートフォン市場の伸びは、2021年におけるスマートフォングローバル市場全体の売上の伸びである7%を上回っています。プレミアム機種セグメントは、スマートフォングローバル売上全体の27%を占め、このシェアも過去最高の水準となっています。
プレミアム(400米ドル以上)スマートフォングローバル市場の売上比率、2016年〜2021年
[画像1: https://prtimes.jp/i/33140/134/resize/d33140-134-2f001c9689fae4e8ba93-1.png ]
出典: カウンターポイント社 Global Monthly Handset Model Sales (Sell-through) Tracker
プレミアムスマートフォン市場の2021年における成長に関して、カウンターポイント社リサーチディレクターTarun Pathak氏は次の通りにコメントしています。
「2021年の成長には、買い替え需要、スマートフォン各社の戦略、サプライチェーンの動向など、様々な要因が絡んでいる。コストパフォーマンスに優れたプレミアム機種にアップグレードしたいという新興国市場での需要と、5G機種へ切り替えたいという先進国市場での需要が、引き続き成長を牽引した。Apple、OPPO、vivo、XiaomiなどのメーカーはHuaweiが去った後のプレミアム機種市場を狙い、特に中国や西欧で、積極的に仕掛けたことも成長を支えた。部品供給問題が続く中、エコシステムを形成する各社は、マージンが大きく利益率が高いプレミアム機種向けを優先した。また、2020年の新製品発売スケジュールがコロナ流行の影響を受けたため、成長率も2021年のほうが多少上回った。」
メーカー別でみると、Appleが相変わらず市場をリードしており、2017年以来はじめてシェア6割を記録しました。これは5Gへのアップグレード需要が強く、iPhone 12とiPhone 13シリーズが売れ行きが良かったためです。2020年のApple端末の発売が遅延したことも、2021年に入ってからの需要増に繋がりました。Appleは、その圧倒的ブランド力によって、Huaweiのプレミアムスマートフォンユーザーを取り込むことができています。このことはAppleの中国での成長にも表れており、2021年第4四半期には同社は過去最高のシェアを記録しました。2021年には世界のあらゆる地域で、Appleはプレミアム機種セグメントにおける首位を獲得しました。
プレミアム(400米ドル以上)スマートフォングローバル市場におけるメーカー別売上シェア
2020年と2021年の比較
[画像2: https://prtimes.jp/i/33140/134/resize/d33140-134-6fbe39ca1727a8e42fd7-2.png ]
出典:カウンターポイント社 Global Monthly Handset Model Sales (Sell-through) Tracker
Samsungの売上は、高級機セグメントで前年比6%伸びたものの、同社のシェアは低下しました。パンデミックの影響を受けたS20よりも、S21の売れ行きは良く、また、2021年下期に発売されたGalaxy Z FoldとFlipシリーズも、特に韓国、北米、西欧で、好調でした。しかし、2021年にはNoteシリーズとFEシリーズのモデルチェンジがなかったため、それがある程度影響しました。部品不足が同社のサプライに影響を与えた面もあります。
OPPOとvivoのプレミアム機種セグメントでの売上は、2021年に倍以上となる、それぞれ116%と103%となりました。その結果、両社は一部の地域でトップ5にランクインしています。2021年初頭にRenoをリブランドしたことで、OPPOは中国のコストパフォーマンスに優れたプレミアム機種セグメントでシェアを獲得しました。OPPOは欧州でも、Huaweiの抜けた穴を着実に埋めています。vivoの成長は、中国と東南アジアでX60とX50シリーズが好調なことによります。
Xiaomiの成長は、Mi 11シリーズによるもので、Xiaomiが事業展開しているほとんどの地域で、トップ5入りを果たしました。Asusはゲーム市場というニッチに特化することで業績を伸ばしました。LGが事業撤退したことで、Motorola、Google、OnePlusが、北米市場で業績を伸ばしました。
グローバルスマートフォンメーカー地域別ランキング プレミアム機種(400米ドル以上) 2021年
[画像3: https://prtimes.jp/i/33140/134/resize/d33140-134-6e679d8f644e9f1f105b-3.png ]
出典:カウンターポイント社 Global Monthly Handset Model Sales (Sell-through) Tracker
接続方式は、5Gがプレミアム機種でのスタンダードとなっていますが、旧モデルであるiPhone 11やSE 2020、Samsung S20 FEがまだ存在しているため、4Gのシェアも残っています。しかし、これらのシリーズも2022年には5G対応機に切り替わり、また新興国でも5Gが普及し始めるため、LTEのシェアはさらに減少する見込みです。但し、HuaweiはLTEを搭載した新機種の発売を継続するとみられています。
プレミアム機種(400米ドル以上)における5Gと4Gの搭載比率
[画像4: https://prtimes.jp/i/33140/134/resize/d33140-134-072adc733e37c0fba1e5-4.png ]
出典: カウンターポイント社 Global Monthly Handset Model Sales (Sell-through) Tracker
プレミアム機種セグメント全体の状況に関して、カウンターポイント社シニアアナリストVarun Mishra氏は次の通りコメントしています。
「様々な市場での買い替え需要に押されて、プレミアム機種セグメントは、スマートフォングローバル市場全体の成長を上回るペースで成長することになりそうである。このセグメントの成長機会のもうひとつは、機種変更の時期に来ている中国の既存Huaweiユーザーの存在である。中国におけるプレミアム機種セグメントの競争は激しくなっており、2021年のHuaweiがなお2位であることは、他社にとっては顧客獲得機会となる。さらに、価格を下げた折りたたみ型が発売されれば、それもプレミアム機種市場の成長を支えるだろう。Samsungは、折りたたみ型は有望市場だと実証してみせた。Appleから折りたたみ型が発売されれば、この技術へのお墨付きになり、さらに成長を牽引することになろう。」
注:本分析は卸値ベースの平均売価(ASP)に基づいています。また、OPPOの数字にOnePlusは含みません。
カウンターポイント社のData Section(四半期ごとに更新)では、全世界、米国、中国、インドに関してまとめたスマートフォン市場のシェアをご覧いただけます。
・Data Section: https://www.counterpointresearch.com/data/
・全世界: https://www.counterpointresearch.com/global-smartphone-share/
・米国: https://www.counterpointresearch.com/us-market-smartphone-share/
・中国: https://www.counterpointresearch.com/china-smartphone-share/
・インド: https://www.counterpointresearch.com/india-smartphone-share/
本プレスリリースに関するコメントやご質問は、press@counterpointresearch.comまでお問い合わせください。
【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
プレスリリース提供:PR TIMES