プレスリリース
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国内1,400社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上正勝)は消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第169号として、ふるさと納税に関する意識調査の結果をご紹介します。未掲載のデータもご提供できますのでお気軽にお問い合わせください。
意外と少ない?経験者 若者は“積極姿勢”
「他国に比べて寄付文化が根付いていない」とも言われる日本ですが、手軽に寄付ができる仕組みのひとつが「ふるさと納税」です。“納税”とあるので勘違いしがちですが、同制度は任意の都道府県や市区町村(以下、自治体)への“寄付”で、確定申告を行うことで2000円の自己負担額を除いた金額(上限あり)が所得税と住民税から控除される、というものです。特産の高級食材などの返礼品が注目され、ポータルサイト経由で手軽に寄付できることから、積極的に実施している人も増えています。そこで今回は、ふるさと納税についていろいろとたずねてみました。
まず最初に、ふるさと納税で寄付をしたことがあるかを聞いたところ(図表1-1)、「寄付経験がある」人(1.+2.)は22.8%と意外と少ない印象です。「寄付経験がない」人(3.+4.)は8割近くにのぼりますが、このうち「興味あり/やってみたい」人は28.6%と全体の4分の1と、潜在的な利用者はそれなりに多いようです。
そこで、ふるさと納税に対して積極的な意識を持つ人(1.+3.、図表1-2)を属性別にみると、年代別では20〜40代で半数以上、寄付経験がある人も2割前後にのぼる一方で、高齢層では60代40.9%、70代以上32.5%と10〜20ポイントも低くなっています。ふるさと納税に対する姿勢は若年層のほうが積極的だと言えそうです。職業別では、「公務員」の62.6%を筆頭に、「会社役員・経営者」「会社員」と、収入が安定している職種で高値なのは納得できますね。
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制度改正後に6割が“寄付を開始”
2008年の制度開始以降、ふるさと納税は認知度の高まりとともに利用者も増えていきました。そこで、どのタイミングでふるさと納税を始めたのかをたずねた結果が図表2です。「2014〜2016年」と「2017〜2019年」に山があり、この6年間で6割の人が寄付を始めていました。2015年に税金の控除限度額が2倍に拡充され、自治体が返礼品を拡充していったのもこの時期にあたります。ですが、ギフトカードといった換金性の高い品や地元と関連性の薄い品を返礼品にするなど、“返礼品競争”が激化したことなどを受け、2019年6月には“返礼品を地産品に限定”、“返礼品価格の上限を寄付額の3割に制限”といった制度改正が行われました。この影響もあってか、「2020年以降」は18.9%に急減しています。
なお、制度開始間もない「2010年以前」が10.1%、東日本大震災(2011年)の被災地支援で注目され、ポータルサイト開設が始まった時期にも重なる「2011〜13年」が9.8%とほぼ同率なのは少し意外な気もしますね。
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控除額を意識しながら寄付額と寄付先を厳選?
ふるさと納税では、所得額や家族構成に応じて寄付金の控除額に上限があることから、それを気にしながら寄付先を厳選する人も多いでしょう。そこで、直近1年間に寄付した自治体数と、年間寄付総額をきいてみました。
寄付した自治体数では(図表3)、最多は22.7%の「1自治体」、以下、「2自治体」19.7%、「3自治体」18.2%と、6割の人が3自治体以下と回答。「5自治体」(15.3%)が4位と、「4自治体」(9.7%)を上回っているのを不思議に思う人がいるかもしれません。ふるさと納税では前述のように、税金の控除を受けるのに確定申告が必要ですが、給与の源泉徴収を受けている人にはそれが不要になる「ワンストップ特例制度」というものがあり、その適用となる寄付自治体数の上限が「5」なのが背景にありそうです。
次に寄付総額をみると(図表4)、最多は16.4%の「1万円台」、これに「2万円台」が僅差の15.6%で続き、以下「3万円台」13.4%、「1万円未満」12.3%と、57.7%の人が“4万円未満”という結果に。日本人の所得金額の中央値は437万円(厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」)であることから考えると、全額控除となる寄付額の上限はおおむね2〜4万円台(家族構成によって異なる)になることから、納得の結果ですね。また「10万円以上」もの金額を寄付している人も16.2%にのぼりました。
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重視するのは、やはり“返礼品”
次に、寄付先を決める際に重視することもたずねてみました(図表5)。約3分の2と断トツだったのは、やはり「返礼品の内容」。ポータルサイトで各自治体の返礼品を比較したり、“この自治体にこんな特産品が!”と新たな発見をしたりと、検討する過程も楽しいものですね。これに続くのが「自分の出身地」の26.9%。“進学や就職で離れてしまった故郷に貢献したい”という思いを気軽に実現するために活用している人が一定数いるようです。3位は19.7%の「地震や台風などの被災地支援」。災害が多発する近年、“現地には行けないけれど、寄付金で応援したい”と考える人の受け皿にもなっていることがわかります。被災自治体に代わって、他の自治体が寄付の窓口になる「代理寄付」も注目されました。4位以下は、「寄付金の使い道」と「今後訪れてみたい自治体」が僅差で並び、「訪れたことがある自治体」がこれに続きました。「節税対策」を挙げた人は15.7%と、図表4で寄付総額が「10万円以上」の人の比率(16.2%)とほぼ同じというのは興味深いところです。
性別でみると、1・2位は男女とも同じ項目になっていますが、3・4位は男性が「寄付金の使い道」「訪れたことがある自治体」、女性は「被災地支援」「今後訪れてみたい自治体」と差が出ました。特に「被災地支援」は女性が5.9ポイント男性を上回っているのが目を引きます。
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返礼品はやっぱり“肉”! 食品が上位に並ぶ
図表5で3分の2の人が「返礼品の内容」を重視しているなか、実際にどういった品を選んでいるのかも気になるところ。そこで選択したことがある/したいと思っている返礼品を聞いてみました(図表6)。最多だったのは「肉(ハム、ソーセージなど含む)」で、半数以上にのぼりました。“ふるさと納税=お肉の返礼品”と連想されるほど、定番中の定番と言えるでしょう。これに「魚介類、海産物」47.9%、「果物」37.4%、「菓子・スイーツ」31.5%、「米穀類」29.7%と続き、食品が上位に並びました。やはり、“ちょっと贅沢なもの” “寄付をする地域の特産品” “自宅周辺では手に入りづらいもの”を食卓に並べたい、と思う人が多いようですね。こうしたなか、「旅行券、イベントなど体験チケット」が8位・15.0%と健闘しています。自治体側も“寄付をした人に我がまちに来てもらいたい”という思いがあるでしょうから、自治体・寄付者双方にとって“Win-Win”の返礼品と言えそうです。また、「ふるさと納税の限定品」という特別感が得られる品を選んでいる人も13.8%いました。
性別では、上位3項目は男女ともに同じですが、3位の「果物」は女性の方が10.3ポイント高くなっています。また女性4位、男性5位の「菓子・スイーツ」は女性が14.7ポイント高値であるのも、納得がいきますね。片や男性が高値の項目は「酒・アルコール類」と「電化製品、デジタル機器」で、各10.5ポイント、4.4ポイントの差がありました。
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利用しない・やめたのは“面倒” “よくわからない”から
図表1で示したように、ふるさと納税による寄付をやめた/やらない人(2.+4.)は54.1%と過半数にのぼりましたが、その理由について聞いてみました(図表7)。33.8%と最も多くの人が挙げたのが「手続きが面倒」。年代別では男性30代以下と女性40代以下で4割超と、若年層で高値に。2位の「制度がよくわからない」18.9%と4位の「寄付の仕方がよくわからない」16.6%はともに女性のほうが高く、特に後者では60代を除く全年代で2割を超えており、女性全体では3位になっています。これらから、女性は「面倒なうえ、制度や寄付方法がよくわからない」という理由で利用に至らない傾向があるようです。
全体3位の「制度自体に反対」では男性のほうが12.9ポイント高く、特に男性40代以上では2割超にのぼりました。また同5位の「住んでいる自治体の税収が減ってしまう」も男性のほうが高く、男性70代以上では27.5%に。このことから男性は、「制度を理解したうえで寄付をしていない・やめた」人が多い、と言えそうです。なお、「その他」10.4%の自由回答をみると、「収入が減った」などの経済的・金銭的理由を挙げる人が多く見受けられました。
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故郷への貢献、風土の多様性を知る契機にも
最後に、ふるさと納税について感じることや経験談を自由に書いてもらいました。返礼品に満足した話や、意外な返礼品のコメントを読むと、自分でも試してみたくなりますね。また、故郷や旅行先のエピソードや災害地への思いを書いてくれた人も多くいました。ふるさと納税が増えることで自分の住む自治体の税収が減る、返礼品偏重で寄付をする風潮に違和感を感じる、といった声も多く見受けられました。ですが、ふるさと納税をきっかけにその自治体を知り、新たな縁ができるといったこともあるでしょう。日本の風土の多様性を改めて知るきっかけとして、ふるさと納税を利用してみるのもよいかもしれません。
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調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「ふるさと納税」に関する意識調査を実施。
期間:2021年10月12日〜14日、インターネットで4,000人から回答を得ています。
株式会社プラネットとは https://www.planet-van.co.jp/
メーカー、卸売業、小売業がサプライチェーンとして連携し、生活者へのサービス向上を目指して進化を続ける日本の消費財流通を、情報インフラ運営で支えている上場企業(証券コード2391)です。
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