プレスリリース
-口明塚南(くちあけづかみなみ)古墳の発掘調査成果-
豊橋市にある、国史跡・馬越長火塚古墳群の一つである口明塚南(くちあけづかみなみ)古墳で全長10メートルの大型横穴式石室が確認されました。
口明塚南古墳に石室があることは平成21年(20年度)に確認されていましたが、今回の調査は石室の規模や構造を確認したうえで馬越長火塚古墳群の整備基本計画を策定するために行われました。
調査の成果として大きく2点が挙げられます。
1 全長10メートルもの大型横穴式石室を確認
全長 10m、最大幅2mの大型横穴式石室で、1mを越える大きさの石材が使われるなど、7世紀前半の石室としては極めて大型の部類です。東三河地方では長火塚古墳に次ぐ規模を誇り、6世紀後半から7世紀前半にかけて東三河一帯を支配していたと考えられる豪族「穂国造(ほのこくぞう)」の墓にふさわしい古墳といえます。
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2 長火塚古墳の伝統を受け継ぐ構造と石材を使用した石室を確認
「立柱(りっちゅう)」と呼ぶ柱状の石材を立てて石室の内を区分した、「三河型横穴式石室」です。石材には付近で産出される石灰岩を選んで使用しており、チャートなどその他の岩石が多く使われる付近の古墳とは対照的です。築かれた当時は白く美しかったことでしょう。同様の特徴は長火塚古墳や大塚南古墳にも見られ、馬越長火塚古墳群の三代にわたる有力者がこだわり、守り続けた墓の伝統です。古墳時代の豊橋市北部の古墳に、石灰岩が特別な意味を持っていたことが分かり、当時の人々の横穴式石室の石材に対する観念(思い)がうかがわれます。
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古墳上部は大きく削り取られ、今は柿畑の一部になっています。また、発掘すると以前に石室が破壊され、岩石が抜き取られたた痕跡が見られました。これは1590年代に吉田城の石垣を作る際に大量の石材が必要となり、その際に古墳の岩石が使われたとする地元の人たちの伝承を示すと思われます。
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【馬越長火塚古墳群】
古墳時代後期後葉から終末期にかけて築かれた有力な首長たちの代々の墓で、穂国造の墓域と考えられます。古いものから順に、馬越長火塚古墳(前方後円墳・70m)、大塚南古墳(円墳・18m)、口明塚南古墳(円墳・23m)の3基の古墳からなります。平成 28 年 3 月1日に国の史跡に指定されました。
一般的には、新しいものになるにつれ、古墳の規模が小さくなっていくものですが、今回の調査で確認された石室は、大塚南古墳と全長は近いものの横幅などは大きく、長期間に渡り権力が保たれていたことがうかがえます。
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第2回石巻古墳ウォークを開催!
口明塚南古墳の発掘調査結果の解説を聞きながら周辺古墳群一帯を巡るウォーキングイベントを開催します。
【日時】
1月22日(土)9:30〜14:00受付、雨天は翌23日に順延
※口明塚南古墳の現地説明は10:30、11:30、13:30、14:30に開催
【受付場所】
馬越町集会所(豊橋市石巻本町字宮前)※県道沿いに臨時駐車場あり
【参加】
無料、当日受付。ウォーキング参加者には参加賞をプレゼント(クリアファイル)
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※新型コロナウイルス感染防止対策のもとに行います
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