プレスリリース
こども食堂数が日本で初めて10,000箇所を超え、公立中学校数を上回る「10,866箇所」に 〜子どもをまんなかに「こども食堂」がもっと身近な「みんなの居場所」に〜
2024年12月 こども食堂 全国箇所数調査(速報値)
こども食堂の支援を通じて、誰も取りこぼさない社会の実現を目指す「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(以下、むすびえ)」(東京都渋谷区、理事長:湯浅誠)は、今年度も「こども食堂 全国箇所数調査」の最新の調査結果を「速報値」としてまとめました。
その結果、全国のこども食堂は昨年度より1,734箇所増えて10,000箇所を超え、「10,866箇所」に達したことがわかりました。その数は、公立の中学校・義務教育学校を合わせた9,265校を上回るまでに増えています。また今年度も、むすびえが調査を開始した2018年度以降、最も増加した2023年度(1,769箇所増)に迫る増加数となりました。
<グラフ1>こども食堂の箇所数と、全国の小学校/中学校数の推移(2024年12月「速報値」)
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/44382/87/44382-87-393ddb8bfab76e3fc8c206b98a0a74e9-2451x1482.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
注:小学校数、中学校数は文部科学省「令和6年度学校基本調査(速報値)」における公立の小中学校数および公立の義務教育学校数の合算による。
<グラフ2>こども食堂の箇所数と年間のべ参加人数(推計)の推移(2024年12月「速報値」)
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/44382/87/44382-87-1c74b6935631ea480f6827d570b702ef-2833x2134.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
<グラフ3>こども食堂の箇所数の推移(2024年12月「速報値」)
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/44382/87/44382-87-7248efaf0ada8eb5594a5c40504c55b5-2465x2029.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
むすびえは「こども食堂が全国のどこにでもあり、みんなが安心して行ける場所となるよう環境を整える」ことをミッションとしており、全小学校区(現在18,740校。文科省「令和6年度学校基本調査(速報値)」による)に対して1つ以上のこども食堂がある状態になることを目指しています。本調査は、その実現のための調査研究事業として、2018年度より毎年行なっているものです。
本調査は、むすびえが全国のこども食堂地域ネットワーク団体、都道府県庁、都道府県社会福祉協議会など、こども食堂に関わるあらゆる関係者にご協力いただいて実施したものです(2024年8月〜10月)。必要に応じて、個々の市町村・社会福祉協議会に電話をかけて確認することもありました(都道府県ごとの回答者は別表1参照)。ただし、こども食堂は自治体等への届出を要しない民間活動であることから、箇所数としてすべてを網羅できていない可能性は残ります。
その意味で「少なくともここまでは確認できた」という数字になります。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/44382/87/44382-87-ca23714c34373e4dbea182935b188869-1500x1000.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
こども食堂の箇所数は10,000箇所を突破、「10,866箇所」に
2年連続で1,700箇所以上増加した結果、こども食堂の数は「10,866箇所」となり、公立の中学校・義務教育学校を合わせた数(9,265校)を上回りました。またこども食堂の充足率(校区実施率)も34.7%と、全国の小学校区の3つに1つにはこども食堂がある結果となっています。
調査結果は次の通りです。
[表1: https://prtimes.jp/data/corp/44382/table/87_1_1f6b3bd5b6ece8cb3ad06ef639eaac7a.jpg ]
上位3都府県は2023年度と変わらず、4位の愛知県でも500箇所を超えています。
逆に、もっとも箇所数が少ないのは、
福井県(43箇所)、秋田県(49箇所)、山梨県(58箇所)でした。
[表2: https://prtimes.jp/data/corp/44382/table/87_2_4c2f7e540cf474a60afd2bc4e92643ad.jpg ]
上記を含む上位の5県それぞれで、100箇所超の増加となっています。
[表3: https://prtimes.jp/data/corp/44382/table/87_3_c33017b70dce5bbc5241f16750303d59.jpg ]
徳島県では4年連続で1.5倍程度の増加率となりました。
[表4: https://prtimes.jp/data/corp/44382/table/87_4_1708bd277658f50bb37a0aae97cc3537.jpg ]
上記に加えて、徳島県、奈良県、兵庫県、香川県で充足率50%を超える結果となりました。
さらに充足率33.3%以上となった県も20県となりました。
充足率(校区実施率)は重要な指標であるものの、他方で小学校の統廃合が進んでいる都道府県ほど充足率が見かけ上高く出るという不都合も生じかねないため、人口比指標(人口10万人あたりのこども食堂数)も併せて発表しています。
[表5: https://prtimes.jp/data/corp/44382/table/87_5_e8ba0226d4e08291d24be2198f29d037.jpg ]
2024年度は全ての都道府県で人口10万人当たり5箇所以上となりました。
今年度、充足率と人口比で1位だった「沖縄県」は、箇所数調査の結果を受けて、次のようにコメントしました。
沖縄県では、内閣府の「沖縄こどもの貧困緊急対策事業」を活用したこどもの居場所のほか、ボランティア等の自主運営によるこどもの居場所があり、これら居場所の活動を支援するため、居場所ネットワークの整備や食支援等の取り組みを行っております。
一方で、島嶼県である沖縄においては、居場所が一つも設置されていない離島町村が存在し、要因として、人材確保に対する課題などが挙げられています。
今後も、市町村等と連携を図り課題解消に努めながら、居場所の活動を引き続き支援していきたいと考えております。
(沖縄県こども未来部こども家庭課)
また今年度、増加率で1位だった「徳島県」は、箇所数調査の結果を受けて、次のようにコメントしました。
当ネットワークは2021年に活動を開始し、こども食堂を開設したい人に寄り添ったサポートを続けてきました。
具体的には、開設したいという思いやその背景を知ることで、それぞれの事情に合ったこども食堂の開催方法を一緒に考え、無理をしないこと、いつでも相談に乗ることを伝えることで心理的なハードルを下げるとともに、開設後に訪問したり連絡を取るなどして会話を続けるなどのサポートをしてきました。その他、県やむすびえとも連携した新規立ち上げや継続の助成金の提供、プチイベントや研修会の実施を行ってきました。
この結果、地域の新聞でこども食堂の開設が取り上げられることなどにより、こども食堂についての問合せだけでなく、こども食堂を開設したいという思いを持った人が当ネットワークに問い合わせてくれることも増えています。
今後は、各地区でのこども食堂さん同士のつながりを促進していく必要があります。同時に、ネットワーク運営の人員不足にも対応するため、ネットワーク活動の楽しさを伝えていくことも課題です。こども食堂さんとネットワークとで、共助の精神で支えあっていきたいと考えています。
(認定特定非営利活動法人 徳島こども食堂ネットワーク 佐伯 雅子)
【調査資料】
・資料1:こども食堂全国箇所数調査2024結果のポイント (むすびえ理事長:湯浅誠)
・資料2:都道府県別箇所数・充足率等一覧
・資料3:各県からのコメント
・別表1:都道府県別 回答主体および充足率・人口比内訳
・別表2:調査指標別 都道府県順位
・別添:こども食堂全国箇所数調査結果における参考指標の変遷について
【その他:2024年11月22日配信のプレスリリース添付資料】
・【2024年12月11日改訂版】10,000箇所達成見込みの報告とその意義(むすびえ理事長:湯浅誠)
・補足資料 こども食堂の認知率と子どもの参加経験率
【こども食堂 について】
地域食堂、みんなの家などという名称にかかわらず、子どもが一人でも安心して来られる無料または低額の食堂。各地で自発的に運営され、多くは子どもを中心に幅広い世代の人たちが食を通じて交流する「みんなの居場所」となっています。地域のにぎわいづくりや高齢者の生きがいづくり、孤独孤立や貧困などの課題の改善にも寄与しています。制度の裏付けはありませんが、箇所数は10,866(2024年12月発表。むすびえ、地域ネットワーク団体調べ)あることが明らかになってます。(参考:全国の小学校は約2万校、中学校は約1万校、児童館は約4,000カ所。)
わたしたちが大事にしていること https://musubie.org/precious/
【認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ について】
代表者 : 理事長 湯浅 誠(社会活動家・東京大学特任教授)
所在地 :〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5 リンクスクエア新宿16F
設立:2018年12月(2021年5月認定NPO法人取得、10月グッドガバナンス認証取得)
むすびえは、「こども食堂の支援を通じて、誰も取りこぼさない社会をつくる。」をビジョンに掲げ、こども食堂が全国のどこにでもあり、みんなが安心して行ける場所となるよう環境を整え、こども食堂を通じて、多くの人たちが未来をつくる社会活動に参加できるように活動しています。具体的には、各地域でこども食堂を支える地域ネットワーク団体を支援すること、何か社会に貢献したいと考えている企業・団体とつながりこども食堂へ支援を届けること、こども食堂が社会の「あたりまえ」となり、より多くの子どもたちがアクセスできるようになるために必要な調査・研究と啓発を行っています。2023年度は、のべ1,919団体に約5.2億円の助成を行った他、企業等からの物資等支援をのべ9,616団体へ仲介しました(売価計算で約3.8億円)。
https://musubie.org/
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【お問い合わせ先】
認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
ホームページ:https://musubie.org/
電話:03-6778-8230
メール:pr@musubie.org (広報)
お知らせ:【ふるさと納税について】受付期間:2024年12月31日(火)まで
むすびえでは、東京都渋谷区の「ふるさと納税」を通じた「ふるさと納税型クラウドファンディング」を実施しています。ぜひ渋谷区のふるさと納税の仕組みを活用いただき、私たちの活動を支える仲間になっていただけたらうれしく思います。
https://musubie.org/news/10399/
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