プレスリリース
医療機器の特性に応じた変更計画の事前確認制度(IDATEN制度)を活用し、EIRL Chest Noduleの変更計画確認申請を実施
エルピクセル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:鎌田富久、島原佑基、以下「エルピクセル 」)は、胸部X線画像から肺結節候補域(1)を検出するEIRL Chest Nodule(2)について、エルピクセルとして初めてIDATEN制度を活用し、変更計画確認申請を実施したことをお知らせします。
本ソフトウェアは2020年8月に深層学習を活用したプログラム医療機器として医療機器製造販売承認を取得、販売を開始し、日本国内において80以上の健診施設や総合病院、クリニック等、幅広い医療施設に導入されてまいりました(2022年1月末時点)。多い場合で1日に500件以上の胸部X線画像を読影する医師のワークフローを阻むことなく、見落とし防止に寄与するソフトウェアとして、今後も法律に基づく適正な手順に則り、性能改善を図ってまいります。
【IDATEN(Improvement Design within Approval for Timely Evaluation and Notice)制度について】
IDATEN制度とは、AIを活用したソフトウェア医療機器等、製造販売承認取得後に性能向上等が予定されている医療機器等に対し、その性能等に関する変更計画(ソフトウェアのバージョンアップ計画等)について、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)が事前に承認することで、その計画の範囲内であれば「製造販売承認事項軽微変更届出」を提出するだけで改良を認める審査制度です。
従来、性能に関する変更を行う際は、その都度「一部変更承認申請」を行う必要があり、製造販売業者にとって、数ヶ月の審査期間と手数料が負担となっていました。IDATEN制度における「製造販売承認事項軽微変更届出」は届出書類を提出するのみで完了し、審査期間や手数料等の費用を大幅に縮減出来ることによって、より迅速に、高性能な医療機器を提供することが可能となります。
厚生労働省医薬・生活衛生局「医療機器の変更計画の確認申請の取扱いについて」 (薬生機審発0831第14号,令和2年8月31日)
https://www.pmda.go.jp/files/000236900.pdf
【IDATEN制度活用に関するコメント】
プログラム医療機器(医療AI)は有体物の医療機器と比較してバージョンアップが非常に高頻度に行われます。スマートフォン、PC、アプリのバージョンアップが高頻度であることからも、その頻度の高さはイメージしやすいことでしょう。従って、これまでの承認制度では、増加していくプログラム医療機器のバージョンアップに耐えられないことは自明です。IDATEN制度はこの特性を踏まえた承認制度として期待されており、この度、弊社として初めて申請出来たことを嬉しく思います。業界内では、不明瞭な点が多い制度と指摘されることもありますが、エルピクセルでは関係省庁等と密に連携し、他の製品もスムーズなバージョンアップができるよう精進してまいります。(エルピクセル株式会社 代表取締役COO 島原佑基)
【EIRL Chest Nodule について】
胸部X線画像から「肺結節」の疑いがある候補域を検出し、医師の読影をサポートするAIソフトウェアです。医師単独で読影した場合と比べ、本ソフトウェアを用いて読影した場合には、放射線科専門医で9.95%、非専門医で13.1%の感度が上がることが認められ、2020年8月に薬事承認を取得、販売開始いたしました。2021年9月には、検出感度の向上および経時的変化の表示機能を追加した新モデルをリリースするなど、医師の声を活かしながら、継続的な改良に取り組んでいます。
EIRL Chest Noduleに関するプレスリリース
2020年8月28日
胸部X線画像から「肺がん」が疑われる肺結節候補域を検出する、医用画像解析ソフトウェア EIRL Chest Noduleを発売(https://lpixel.net/news/press-release/2020/10089/)
2021年9月21日
胸部X線画像から「肺がん」が疑われる肺結節候補域を検出する 医用画像解析ソフトウェア EIRL Chest Nodule、 検出感度の向上および経時的変化の表示機能を追加した新モデルをリリース(https://lpixel.net/news/press-release/2021/10412/)
2022年2月3日
胸部X線画像の読影診断を支援する EIRL Chest Screening、肺結節候補域の検出と5つの計測機能を有する新モデルとして販売開始(https://lpixel.net/news/press-release/2022/10501/)
(1)肺結節は、X線画像では、空気は黒く、骨・筋肉・血液などの水分は白く写ります。通常は黒く映る部分が白く見えた場合、それを「結節影」と呼び、肺がん、肺結核、肺炎などの可能性が疑われます。定期健康診断などで実施される胸部X線・CT検査において、そういった「結節影」が見られた場合には、精密検査によって確認をする必要があります。
(2)販売名:医用画像解析ソフトウェア EIRL X-Ray Lung nodule 、承認番号:30200BZX00269000
【AI画像診断支援技術について】
高度化するモダリティとともに、医療画像診断の作業は膨大化しています。AIを活用した独自のアルゴリズムによって、脳MRI、胸部X線などの医療画像情報を解析し、効率的で、正確な診断が出来る環境の提供を目指します。
EIRLプロダクトサイト(医療従事者向け):https://eirl.ai/ja/
【エルピクセル株式会社について】
エルピクセル株式会社は、ライフサイエンス領域の画像解析に強みを持ち、医療・製薬・農業分野において画像解析技術、とりわけ人工知能技術を応用することで、高精度のソフトウェアを開発してまいりました。医師の診断を支援するAI画像診断支援技術「EIRL(エイル)」、創薬に特化した画像解析AI「IMACEL(イマセル)」を軸に事業を展開しています。
プレスリリース提供:PR TIMES