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小林製薬株式会社

膣に使用する乳酸ジェルの防腐剤有無が膣内の乳酸菌の生存に影響することを確認 〜細菌性腟症(BV)の予防と再発防止への効果に期待〜

(PR TIMES) 2022年03月31日(木)20時40分配信 PR TIMES

 小林製薬株式会社(本社:大阪市、社長:小林章浩)は、膣の洗浄や潤滑剤などに使用される乳酸ジェルの防腐剤有無が、膣内の善玉菌である乳酸菌に及ぼす影響を検証し、その結果、防腐剤なしの乳酸ジェルが膣内環境にとって好ましい状態に保ち、嫌なニオイのおりものを発生させる細菌性膣症(以下、BV)の予防・再発防止の一助となる可能性を確認しました。
 なお、こちらの研究成果は、2021年10月28日〜30日「第36回日本生殖免疫学会総会・学術集会」においても報告しております。
 女性特有の健康の悩みを技術で解決する“フェムテック”は今後ますます生活者の関心が高まる領域と言われております。当社では、今後も“膣内環境”をはじめとする女性の健康を考えた研究を深め、その成果を社会に還元してまいります。

【研究背景】

 健康な膣内は乳酸菌(膣内の善玉菌)の効果で弱酸性に保たれており、雑菌の繁殖を防ぐ作用があります。しかし、月経やストレス、加齢など様々な要因をきっかけに膣内環境が乱れてしまい、このバランスが崩れると、膣内で雑菌が増殖してしまい、嫌なニオイを発生させるBVを発症することがあります。弊社調査※では、おりもののニオイが気になる女性は約4割も存在していることが分かっており、その中には自分で認識をしていないまま膣内環境が崩れているケースがあることも推測されます。また、BVは再発がしやすいことでも有名であり、治療によって十分に治癒はしますが、日常的な予防が重要となります。

※出典 : 弊社調査(2020年9月 N=4,000 20-59歳女性)



【研究成果】防腐剤の有無により乳酸菌の増殖しやすさに影響することを確認


〈 乳酸菌およびBV関連菌の増殖試験〉
 膣内環境を模した条件下で、乳酸菌およびBV関連菌の増殖性を確認する試験です。
防腐剤有無の乳酸ジェルを用意し、乳酸菌あるいはBV関連菌を混合しました。24時間後、各菌の増殖量を比較しました。今回検証した防腐剤は、パラオキシ安息香酸メチルです。

■試験菌種(代表菌種のみ記載):乳酸菌、BV関連菌
■試験水準
[画像1: https://prtimes.jp/i/86052/42/resize/d86052-42-e24834cbaa10b1ae24bd-1.jpg ]

■試験条件:37℃、窒素 93%、酸素 2%、二酸化炭素 5%、24時間培養
■生菌数測定法:混釈平板(こんしゃくへいばん)培養法
■結果
 乳酸菌は防腐剤があると増殖性が悪くなりましたが、防腐剤無しの条件では元気に増殖しました。また、BV関連菌は防腐剤の有無に関わらず、減少が見られました。
 この試験結果から、膣に防腐剤なしの乳酸ジェルを用いることで、乳酸菌を生かしながら、BV関連菌を減少させ、膣内環境にとって好ましい状態へ近づけることが分かりました。また、BVの予防と再発防止の一助となる可能性も確認できました。

乳酸菌の変化  ※統計解析:t検定(両側)P値<0.05で有意差あり

[画像2: https://prtimes.jp/i/86052/42/resize/d86052-42-d30812c870b3f12f357c-2.jpg ]

BV関連菌の変化

[画像3: https://prtimes.jp/i/86052/42/resize/d86052-42-205b5a14ddaaf090ae28-3.jpg ]



※1cfuとは1個菌がいること。グラフの縦軸の単位(cfu/ml)は、1ml中に1個菌がいるという意味。
※「1.E+●」は10の●乗を意味しており、「1.E+02」なら、10の2乗で100となる。


※出典:2021年10月28日-30日 第49回日本臨床免疫学会総会 / 第36回日本生殖免疫学会総会・学術集会
◯セッション:一般演題
◯タイトル:invitroで乳酸負荷における乳酸菌及び細菌性腟症関連菌の増殖に及ぼす影響
◯泉谷 紗也佳、浅野 良太、宗像 樹子、清江 龍一(小林製薬株式会社)
 高田 和秀、早川 智(日本大学医学部病態病理学系微生物学分野)



プレスリリース提供:PR TIMES

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