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クアルトリクス合同会社

低下する従業員エンゲージメントとその背景にある多様な課題

(PR TIMES) 2022年03月02日(水)03時10分配信 PR TIMES

継続勤務意向、ウェルビーイング、リーダーシップなどが、活力ある組織を維持するためのテーマ


クアルトリクス合同会社(本社:東京都千代田区、カントリーマネージャー:熊代 悟、以下 クアルトリクス)は日本を含む世界27か国・地域を対象とした従業員エクスペリエンス(EX)のトレンド調査の結果を発表します。今回の調査では、日本の従業員エンゲージメントが前年より低下しました。継続勤務意向、ウェルビーイング、IT環境などに関しても、現状が低水準であるだけでなく、低下傾向にあることからも2022年の人事関連課題は多岐にわたるものと予想されます。

【調査結果】
1.従業員エンゲージメントは低下               図1:従業員エンゲージメントの変化

[画像1: https://prtimes.jp/i/53393/36/resize/d53393-36-1dd65874e364e4c031b7-0.png ]

日本の従業員エンゲージメントスコアは、従来から世界の主要国の中で低水準であることは広く知られています。アンケート調査に対する国民性が回答傾向に反映される面もあることから、単純な国別比較は慎重に行う必要がありますが、今回の調査でもグローバル平均に対して日本の結果は大幅に下回っています。
さらに、日本のスコアは、前回調査から8ポイント低下しました。世界全体やAPJ地域全体が横ばいないし若干上昇したことからすると、日本の低下は特徴的な変化といえます。2020年にはエンゲージメントが上昇していたことを踏まえると、コロナ禍初期に取られた会社・組織による各種アクションが一巡し、2021年はその反動で低下、さらに2022年にどのように変化するのか、注視すべきであると考えられます。

2.仕事から得られる活力がエンゲージメントを左右     図2:従業員エンゲージメントのキードライバー

[画像2: https://prtimes.jp/i/53393/36/resize/d53393-36-041aae90cd8eeb2844d0-1.png ]

今回の調査結果では、エンゲージメントを左右する要因(ドライバー)として、日常業務を通してやりがいやワクワク感などの活力を得ていることがトップとなりました。加えて、見通しが不透明な世の中であるからこそ、将来に向けて自身のキャリアや、会社に対する展望が、エンゲージメントのドライバーとして抽出されたことも特徴といえます。
その他、自社の変革に関して適切な説明などのサポートがあるか、自社の価値観に共感できるかなど、会社全体の方針や考え方に対する納得感が、エンゲージメントに刺激を与える要因となっています。

3.日本でも「継続勤務意向」は低下傾向         図3:継続勤務意向の変化

[画像3: https://prtimes.jp/i/53393/36/resize/d53393-36-5168bb900e67a24e43b4-2.png ]

海外における最近の人事関連のトピックとして、「大量退職時代」(The Great Resignation)という表現を目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。コロナ禍の収束を見据えて、柔軟な働き方が実現でき、ダイバーシティやウェルビーイングなどを大切にする職場を探す動きが高まるだろうという見方です。

一方、日本では転職の動きはそこまで活発ではありません。厚生労働省による「令和3年上半期雇用動向調査」において、離職率の推移は2019年の9.1%から、2020年8.5%、2021年8.1%(いずれも上半期)と低下傾向にあります。コロナ禍で転職の時期をずらした人も少なくないと思われます。
それでも、今回の調査結果においては、一つの企業に長く在籍しようという考えが、日本でも弱まっていることは注目されます。特に、若年層において継続勤務意向が弱い傾向がみられます。労働市場の流動性の低さなどからすれば、欧米と同様の「大量退職時代」が日本で起こるとは考えにくいものの、きっかけがあれば、転職を考える人が増えていることは留意すべきです。

4.リーダー/マネージャーの役割が重要          図4:リーダーシップへの信頼感の変化

[画像4: https://prtimes.jp/i/53393/36/resize/d53393-36-c328912eebaa7ce9716c-3.png ]

不透明な時代を乗り越えるため、経営陣やマネージャーの能力がいっそう問われる時代になりました。リモートワークが定着するに伴い、業務の進捗管理、協力・連携の促進、戦略や経営理念の浸透、業務分担、業績評価、成長の機会の提供やスキルアップの支援など、リーダーやマネージャーにとって様々な仕事が難しくなってきています。そして、今回の調査結果において、リーダーシップへの信頼感は低下しています。
一方、会社・組織がこうした課題をマネージャーの力量のみに頼るのでは、マネージャーの負担が大きく増大し、対応しきれなくなる状況が発生する可能性が高まります。
例えば、マネージャーが的確なリーダーシップを発揮するためのトレーニングの提供、あるいは、処遇や職責範囲の調整などを通した支援がなくては、一般従業員よりも先にマネージャーが疲弊してしまうことになりかねません。会社・組織として具体的な施策の実行が求められます。

5.IT環境の整備が円滑な業務遂行のために不可欠      図5:IT環境に関する期待とのギャップ

[画像5: https://prtimes.jp/i/53393/36/resize/d53393-36-735d2af85999c993c964-5.png ]

リモートワークが当たり前のものとなった今、企業としてはハイブリッド型の働き方のメリットを最大限引き出すため、オフィスにどのような意味を持たすのか、リモートワークにおける生産性の阻害要因にどう対処するのかなど、改善すべき課題が顕在化してきています。
リモートワークにおいては、IT環境の不十分さが社内コミュニケーションや情報収集、事務処理の阻害要因にならないことが大前提であると当初から指摘されてきました。しかしながら、日本では、自社のIT環境が期待通りと捉えている従業員はわずか10%に過ぎず、極めて少数派です。アジア主要国との比較においても、日本のIT環境が大きく遅れている可能性があることには十分留意すべきといえます。
日々の業務のやりにくさが長期間にわたって蓄積すれば、生産性や業務負荷に直結しますし、さらにはエンゲージメントに対してもマイナスに作用することが確認されています。

6.D&Iの促進が不可欠                  図6:D&I推進の取り組み姿勢

[画像6: https://prtimes.jp/i/53393/36/resize/d53393-36-797d97f52b010732b18c-6.png ]

これまで日本では、「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進」の実態は、「女性活躍推進」を意味することが多かったといえますが、徐々に障がい者雇用、LGBTの他、個人の文化的背景なども含めて議論されるようになってきました。それでも、多様なバックグランドを持った人々が存在することが当たり前の欧米と比較すると、日本企業のD&I推進活動はまだ大きく遅れているのが現状です。
日本では「D&I推進」の掛け声は聞こえてきますが、アジア大洋州の主要国と比べても、従業員からみた進展度合いは不十分で、経営陣の取り組み姿勢も弱いといえます。革新的な商品・サービスを生み出す上でD&Iが不可欠であることはもちろん、能力のある従業員を定着させる上で多様な人材の受け入れは重要な課題になると考えられます。

7.ウェルビーイングの充実                 図7:ウェルビーイングの変化

[画像7: https://prtimes.jp/i/53393/36/resize/d53393-36-092c2a9e610ceeb6ece0-7.png ]

WHO(世界保健機構)によれば、「ウェルビーイング」とは、「肉体的、精神的、そして社会的に全てが満たされている状態」と定義されています。コロナ禍でリモートワークが定着するに伴い、各従業員がバラバラで働く機会が増加する中、いかに同僚との連携を維持し、心身ともに健全な状態で仕事上の困難に立ち向かうのかと考えると、その前提となるウェルビーイングが注目されるのも納得できます。実際、ウェルビーイングを端的に示す設問である「仕事から得られる活力」は、前掲の通り、エンゲージメントのトップドライバーになっています。
しかし、今回の日本の調査結果をみると、ウェルビーイングは大幅に低下しています。一般に、職場におけるウェルビーイングは、個人の立場の尊重、組織への帰属意識、担当業務に対するやりがいなどによって影響を受けると考えられます。こうした要素を大事にしながら、従業員が心身ともに健康で、信頼関係を築きながら、イキイキと働ける職場の実現が望まれます。

■調査の概要について
本調査は、現在雇用されている18歳以上の人を対象に2021年8月から11月にかけて、18歳以上のフルタイムで働いている総計20,496人を対象に行われました。日本からの回答者は1,020人です。
注1:図1・3・4・5・6のグラフに表示された数値は、各テーマに関連する設問に対して「非常にそう思う」または「そう思う」とした回答者の比率の平均値。
注2:図2の「肯定的」は、「非常にそう思う」または「そう思う」、「否定的」は「そう思わない」または「全くそう思わない」、「中立的」は「どちらともいえない」を選択した回答者の構成比。

■クアルトリクスについて
クアルトリクスは、企業や組織のエクスペリエンス・データ (X-data™)の収集から管理・分析、およびそのデータに基づくアクションに至るまでを同じプラットフォームで運用を行うテクノロジープラットフォームです。Qualtrics XM Platform™は、チーム、部門、組織全体がビジネスに欠かせない顧客、製品、従業員、ブランドという4つの主要なエクスペリエンスを一つのプラットフォームで管理するのみならず、アクションへつなげるシステムです。世界中の大企業13,500社超に、継続して人々に愛されるプロダクトの提供や、より多くのロイヤルカスタマーの獲得や、素晴らしい従業員文化の創造、あるいはアイコンとなるブランドを創るためにクアルトリクスを利用いただいております。顧客の中にはフォーチュン100企業の85%以上、米国のトップ100ビジネススクールの99校が含まれます。詳細と無料アカウントについては、www.qualtrics.com をご覧ください。

■クアルトリクス合同会社について
クアルトリクス合同会社は、2018年に国内で事業を開始した、Qualtrics LLC(本社: 米国ユタ州プロボ)が100%出資する日本法人です。
所在地 :東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビルディング9階
代表者 :熊代 悟
事業内容:日本におけるクアルトリクス 製品の販売・サポート・導入支援
URL  : www.qualtrics.com/jp/



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