プレスリリース
大阪大学医学部附属病院とTXP Medical株式会社、治験・臨床研究のデータ収集を標準化・効率化させることを目的とした電子ワークシートを開発する共同研究を開始!
大阪大学医学部附属病院(所在地:大阪府吹田市、病院長:土岐 祐一郎、以下 大阪大学病院)とTXP Medical株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:園生智弘、以下 TXP Medical)は、治験・臨床研究のデータ収集を標準化・効率化させることを目的とした電子ワークシートを開発する共同研究を開始致します。
本研究で得られた成果をもとに、治験・臨床研究における現場担当者の業務負担を軽減することで、日本の医薬品・医療機器開発の発展に貢献致します。
【背景】
治験では、通常診療下では実施されないような臨床データの収集も必要とされることがあり、大抵の場合、紙媒体の「症例報告書」(ワークシート)を作成して被験者情報が管理されています。被験者の臨床検査値や服薬情報など、院内では構造化データとして電子的に管理されている情報であっても、医師や臨床研究コーディネーター(以下、CRC)によりワークシートに一度転記され、さらにそのデータを治験依頼者が用意したEDCに入力するという作業が行われることもあります。
その結果、分離された複数のデータソースの整合性確認(電子カルテ・ワークシート・EDC)のためのCRAの工数や度重なるワークシートの修正のためのCRCの工数、疑義照会に対応するための医師の工数など、多大な時間を消費しながらも転記ミスやチェック漏れなどのヒューマンエラーの可能性を残す状態となり、結果として治験コストの増大につながっている現状があります。
【背景イメージ】
[画像1: https://prtimes.jp/i/31630/21/resize/d31630-21-615b86a21d80664d4817-0.png ]
【本研究の概要】
過去に実施された治験において電子カルテに記述されたデータを基に電子ワークシートのシステム開発を共同で進め、実現可能性の評価を実施します。ベースとなるシステム開発完了後に、実際に実施する治験・臨床研究に本システムを適用させ、どの程度業務の標準化・効率化を行うことが出来たかの評価を実施します。
業務フロー及びデータの流れは以下を想定しております。
1.電子カルテ入力の際に、テキスト構造化システムを用いることで患者基本情報や基礎疾患情報、あるいは有害事象と考えられる記載を自動抽出し、構造化
2.治験特有の評価項目については、直接電子ワークシートに入力
3.他院での服薬情報や臨床検査値については、OCRを用いて院内環境の電子カルテより抽出し構造化
(大阪大学病院では、TXP MedicalがData Ware House(以下、DWH)を構築しているため、そこからの取得も可能)
4.院内ネットワークに構築された治験に必要な構造化データをQRコードに変換し、院外ネットワークにある電子ワークシートへ統合
【本研究の概要イメージ】
[画像2: https://prtimes.jp/i/31630/21/resize/d31630-21-d95ac3726d92a5f4d6ae-1.png ]
更には、お薬手帳OCRを併用禁止薬のスクリーニングに活用することや臨床検査OCR/DWHの異常検査データから有害事象と考えられるものを抽出・MedDRAと紐付けて構造化することもでき、マスキングされた被験者データを院外ネットワークで保管することにより、CRAが施設訪問前に電子ワークシートを確認するといったリモートモニタリングへの対応も可能になると想定しております。
この結果、本システムは医師やCRCの業務効率を向上させるだけではなく、CRAの業務効率をも向上させる仕組みになると考えております。
【今後の予定】
現在、試作開発を進めており、2022年3月末を目処に大阪大学病院所属のCRCグループと共同でブラッシュアップを行い、その仕様を決定する方針です。
4月末を目処に効果推定を行った後、大阪大学病院内の新規治験において試行的に活用を開始します。その後、実用性が確認された段階で、他の医療機関にも展開を開始する予定です。
本研究の成果は、大阪大学病院から学会等で発表することを予定しております。
【大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部 臨床研究センター・特任准教授 浅野健人】
大阪大学医学部附属病院では、臨床研究中核病院として日本の治験・臨床研究を推進していく立場であり、非常に多くの治験・臨床研究を行っています。その一方で、現場では医師はもちろんのこと、CRCやCRAなどの業務はグローバル化の影響も受け、ますます多種多様となり、その業務が膨大しています。当院においても、肥大化したCRCの業務を少しでも効率的に行うためにも電子化を進めていますが、未だに紙の資料は多く、業務改善への取り組みはまだまだ途上です。TXP Medical株式会社が開発・提供してきたNEXT Stageシリーズは、治験・臨床研究にも応用できる可能性があり、一緒に検討することで日本全国の治験・臨床研究を実施する医療機関の課題を解決するシステムを開発することに貢献出来ればと思っています。
【TXP Medical株式会社 代表取締役社長/医師 園生智弘】
TXP Medicalでは従来、急性期医療領域に特化したデータシステムNEXT Stage シリーズの開発・提供を行ってきました。NEXT Stage シリーズでは、臨床現場のオペレーションフローに沿ったアジャイル開発のコンセプトのもと、臨床業務の実施とデータ収集の効率化を同時に実現してきました。この度、このような当社の開発力を、治験遂行業務の効率化にも生かすことができるという視点をいただき、大阪大学病院様と新しい取り組みを開始します。急性期医療に限らない当社の挑戦にぜひご注目いただきたく思います。
【 TXP Medicalについて 】
会社名:TXP Medical 株式会社
設立: 2017年8月
所在地:東京都文京区本郷七丁目3番1号 東京大学南研究棟252室
代表:代表取締役 園生 智弘
資本金:100,000,000円
事業内容:
1. 急性期データシステムの開発と提供
2. 医療関連言語処理技術の開発と提供
3. 医療AIプログラムの基礎開発
4. 医療関連データの解析
コーポレートサイト :https://txpmedical.jp
プレスリリース提供:PR TIMES