プレスリリース
公益財団法人九州経済調査協会(本社:福岡県福岡市、以下当会)は、当会が運営する地域経済データプラットフォーム「DATASALAD(データサラダ)(※1)」において、当会が別途提供している人流モニタリングプラットフォーム「おでかけウォッチャー(※2)」の掲載データの一部を用いて新たな人流指標「おでかけ指数」を開発し、2022年5月より提供を開始しました。初回の分析として2022年4月のおでかけ指数を公表いたします。
■おでかけ指数とは■
おでかけウォッチャーに掲載している人流(ある地域への来訪者数、およびある地域からの出発者数)を指数化して公表するものです。コロナ禍前にあたる2019年の日平均を100として指数化したもので、全国、地域ブロック、都道府県、市区町村の単位で公表しています。更新タイミングは毎週木曜日です。
※おでかけ指数の開発について、詳細は九州経済調査月報2022年5月号(小柳真二「新たな人流指標『おでかけ指数』の開発」, https://www.kerc.or.jp/sp/20220511_2.pdf )で紹介しています
■2022年4月におけるおでかけ指数■
2022年4月における全国のおでかけ指数は55.8となり、前年比+35.1%で、5カ月連続で前年を上回っています(図1)。新型コロナウイルス感染拡大の第6波が落ち着く中で、回復傾向が継続しました。ただ、2019年同月比では▲47.8%と、コロナ禍前水準より半数近く人流が少ない状況が続いています。
[画像1: https://prtimes.jp/i/64699/7/resize/d64699-7-07c7f1458aa02ef9b0cc-0.png ]
また、全国のおでかけ指数(原数値)の推移を日次でみると、ゴールデンウィークの連休に入った4月30日に99.2と大きく上昇し、コロナ禍前の2019年平均の水準に近づきました(図2)。コロナ禍以後(2020年3月以降)では、Go Toトラベルの後押しがあった2020年9月21日(敬老の日)に104.4と100を超えていましたが、それ以来の高水準となっています。
[画像2: https://prtimes.jp/i/64699/7/resize/d64699-7-31bcd775c8d09ac9dfd4-2.png ]
2022年4月のおでかけ指数を12の地域ブロック別にみると、東北(67.4)、甲信越(65.3)など地方圏で比較的高く、2019年平均水準に対して6〜7割程度の人流となりました(表1)。一方、南関東(46.8)など大都市部では低い傾向となっています。前年比は全地域でプラスであり、特に近畿(前年比+49.1%)、沖縄(同+46.5%)など前年の落ち込みが大きかった地域で上昇しました。2019年同月比では、北海道(2019年同月比▲31.2%)で最もマイナス幅が小さくなっています。
[画像3: https://prtimes.jp/i/64699/7/resize/d64699-7-d7650a5c9b540e71a03e-3.png ]
2022年4月のおでかけ指数を47都道府県別にみると、奈良県の78.5から東京都の44.8まで、コロナ禍からの回復の程度に大きな開きがあります(表2)。指数の上位には、奈良県(78.5)、福島県(73.2)、熊本県(72.9)など地方圏、下位には東京都(44.8)、大阪府(49.1)、神奈川県(50.3)など三大都市およびその周辺の都府県が並んでいます。ただし、東京都(前年比+45.0%)と大阪府(同+52.5%)の前年比のプラス幅は全国よりも大きく、大都市においても回復が進みつつあることがわかります。
[画像4: https://prtimes.jp/i/64699/7/resize/d64699-7-c4e65dc9b6baaf02335c-4.png ]
※本分析のフルバージョンは当会ウェブサイトをご覧ください。
https://www.kerc.or.jp/report/2022/05/59.html
■おわりに■
当会では、今後も毎月月次の動向を発表していきますが、DATASALAD上では準リアルタイム(毎週木曜日に前週分を公開)に更新しております。
また、自治体や観光協会、DMOの方は、おでかけウォッチャーの基本機能(無償)をお使い頂くことで、任意のスポット(個別3カ所および市区町村別)について来訪者数のモニタリングが可能です。加えて、有償のプレミアムサービスでは、発地別・属性別の来訪者数や、スポット間の周遊状況を安価にモニタリングすることが可能です。ぜひ活用をご検討ください。
なお、2022年4月25日〜5月31日の期間で、基礎自治体の方を対象として、基本機能(無償)分のスポット登録を受付中です(関連リリース: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000064699.html )。基礎自治体の方は、ぜひこの機会をご利用ください。
※1 DATASALAD ( https://datasalad.jp/ ) とは
データ処理が煩雑になりがちな地域経済に関するデータを収集・整理・可視化して提供している地域経済データのプラットフォームです。景気、産業、社会に関する政府統計に加え、人流(宿泊施設の稼働状況等)や求人等のビッグデータ・オルタナティブデータを掲載しています。
※2 おでかけウォッチャー( https://odekake-watcher.info/ )とは
株式会社ブログウォッチャー(本社:東京都中央区)より位置情報ビッグデータの提供を受け、当会が提供している観光動態モニタリングサービスです。自治体や観光協会、DMOの方は、基本機能を無償でご利用いただくことが可能です。
※位置情報ビッグデータは、承諾を得たユーザー(月間2,500万MAU)のスマートフォンから取得したものです。
※サービスの詳細は、ウェブサイト、および九州経済調査月報2022年5月号(岡野秀之「デジタル観光動態統計プラットフォーム おでかけウォッチャーの開発」, https://www.kerc.or.jp/sp/20220511_1.pdf )で紹介しています。
プレスリリース提供:PR TIMES