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株式会社堀場製作所

JAXAが募る国際研究公募において、堀場テクノサービスが採択研究プロジェクトに共同研究機関として参画

(PR TIMES) 2022年07月25日(月)17時15分配信 PR TIMES

〜「はやぶさ2」が採取した「リュウグウ」試料の初期分析に続き、詳細分析にも貢献〜

株式会社堀場製作所のグループ会社で分析・サービス事業を担う株式会社堀場テクノサービス(本社:京都市南区、代表取締役社長 千原 啓生 以下、堀場テクノサービス)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)が小惑星「リュウグウ」の砂や石といった試料の研究提案を募る第1回国際研究公募で採択された研究プロジェクトに、共同研究機関として参画します。
研究公募は、はやぶさ2プロジェクトにおける科学的成果の最大化を図るため、JAXAが世界の研究者から研究提案を募ったもので、12か国57件の応募のうち9か国40件の研究を選定しました。この中に東京理科大学 由井 宏治(ゆい ひろはる)教授を研究代表者とする研究プロジェクトが選定され、堀場テクノサービスは、由井教授、北海道大学 圦本 尚義(ゆりもと ひさよし)教授とともに「リュウグウ」試料の詳細分析を行います。
[画像1: https://prtimes.jp/i/103757/2/resize/d103757-2-24f2931b961a742c32f3-2.jpg ]

選定された同研究プロジェクトでは、初期分析の結果を深掘りし「水」が及ぼす作用に焦点を当てます。試料を構成する蛇紋石(じゃもんせき)や炭酸塩といった水の痕跡を示す特定の鉱物をラマン分光分析装置などで分析することで、「リュウグウ」のより詳しい成因やそのなかで起きた様々な環境変化の特定に迫ります。同プロジェクトには試料が約3.5mg配布され、本年6月後半から約1年をかけて東京理科大学や北海道大学の研究室、ならびに堀場テクノサービスの最新分析ラボ「Analytical Solution Plaza(アナリティカルソリューションプラザ)」(京都市)などで分析を行う予定です。初期分析によって、「リュウグウ」はこれまで人類が手にした小惑星の試料のうち、最も始原的な特徴※1を持っていることが明らかになりました。同研究プロジェクトを含め今後世界中で進められる詳細研究を通じて、太陽系と生命の起源や進化の謎により近づいていくことが期待されています。

※1 天体を構成する物質が、太陽系が誕生した頃にあったものからあまり変化していないと考えられ、太陽系が誕生した頃やその後の進化について調べるときに重要な手がかりとなる特徴のこと。


研究プロジェクト参画の背景

2020年12月に小惑星「リュウグウ」から試料を持ち帰ることに成功したはやぶさ2プロジェクト。現在はJAXAをはじめとした研究者によるキュレーション活動※2や初期分析の分析データが公開され、世界中の研究者がより詳細な分析を進める段階です。
堀場テクノサービスは、初期分析においても化学分析チームの一員として「リュウグウ」の化学組成や成因に関する研究に従事してきました。2022年6月10日には、化学分析チームが分析結果を世界的に権威のある科学誌「Science」で発表し、「リュウグウ」試料が、太陽系形成時に水によって強い変質を受けた痕跡を有し、太陽系全体の平均元素組成を持っていると考えられているイヴナ型炭素質隕石(CIコンドライト)と多くの類似点を持つことを明らかにしてきました。
今回の研究公募では、初期分析の成果に加えて今後さらなる発展的な研究へと繋げていくことへの期待から、化学分析チームの一員である東京理科大学 由井教授が研究代表を務める研究提案が採択されました。この研究提案には、初期分析で化学分析チームのリーダーを務められた北海道大学 圦本教授など第一線で活躍される研究者が参加しています。堀場テクノサービスも試料の化学組成や分子構造の解析といった取り組みにおいて引き続き貢献していきます。

※2 試料を分析して得られた情報を、学術的な専門知識を用いて「資料」として整理・分類し、世界中の研究者と共有すること


堀場テクノサービス ジュニアコーポレートオフィサー 分析技術本部 本部長 駒谷 慎太郎博士(工学)コメント
[画像2: https://prtimes.jp/i/103757/2/resize/d103757-2-b08bab70df0858f05a0c-1.jpg ]


初期分析に引き続き、太陽系や生命誕生の起源に迫る「リュウグウ」試料分析の一翼を担うことを大変光栄に思います。HORIBAが担う領域では、まず高精度な微量分析と元素のマッピングを得意とする蛍光X線分析装置を用いて、試料の化学組成を明らかにします。その結果から水の痕跡を示す箇所を特定し、ラマン分光分析装置でより深掘りした調査をすることで、当該部分の成分や分子構造を解析し、「リュウグウ」試料の成因や環境変化の解明に迫ります。最先端の分析・計測装置と、匠の技を極めた分析技術者という「はかる」スキルを高次元に掛け合わせた、独自のソリューションを提供するHORIBAグループの強みを活かして本プロジェクトに貢献できるよう、全力で取り組んでまいります。


本分析に使用するHORIBAの製品
ラマン分光分析装置
物質に光を照射することで散乱するラマン散乱光を検出し、物質の成分分析や分子構造解析を行います。半導体や化学製品から製薬・創薬、細胞・遺伝子といった分野まで幅広い領域での研究開発に貢献しています。
[画像3: https://prtimes.jp/i/103757/2/resize/d103757-2-8c55230a3e75d0e821d8-0.jpg ]

 
蛍光X線分析装置
X線を物質に照射することにより、元素に固有のX線(蛍光X線)が発生します。その蛍光X線を捉えることで、物質に含まれる元素の種類と量を分析します。半導体や食品、薬品から、隕石や絵画、遺物まで、幅広い分野の研究開発に役立てられています。
[画像4: https://prtimes.jp/i/103757/2/resize/d103757-2-3dfb93911f828e3bdee5-4.png ]

 
専用セル
「リュウグウ」の試料分析には、試料の汚染を最小限に抑えた高度なサンプルハンドリング(試料の取り扱い)も求められます。保管・運搬・分析作業のあらゆる工程で、試料を最適な状態に保つため、専用セルを独自に開発しました。微量な試料を測定しやすく、蛍光X線分析装置、ラマン分光分析装置など異なる装置でもそのまま分析できる設計です。
[画像5: https://prtimes.jp/i/103757/2/resize/d103757-2-feeaa23aa07a1d532aab-5.jpg ]

 
参考:経緯

[表: https://prtimes.jp/data/corp/103757/table/2_1_880db917bc64695a94ce241b54046b67.jpg ]


 
関連するリンク
HORIBA特設サイト 「はかる」技術で太陽系と生命の起源に迫る!:https://www.horiba.com/hayabusa2/



プレスリリース提供:PR TIMES

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