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フェイクニュース時代のメディア情報リテラシー育成プロジェクト

高校生が主導する第2期「フェイクニュース時代のメディアリテラシー育成プログラム」が始動 11月19日には高校生が発案、作成した授業を実施

(PR TIMES) 2024年11月30日(土)23時40分配信 PR TIMES

高校生の高校生による高校生のための授業を、産・学・高校生協同プログラムを経て、実際に作成・実施


[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/152776/1/152776-1-b366f94d7f183c597ec560f4b73dd8fb-604x389.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
キックオフ当日は、台風の影響によりオンライン会議システムを用いての開催となりましたが、高校生30名および教育・メディア関係者を含む合計82名が参加しました。

国立大学法人愛知教育大学(学長 野田敦敬)社会科教育研究室の土屋武志教授が中心となり、8月31日(日)にオンラインにて第2期「フェイクニュース時代のメディアリテラシー育成プログラム」キックオフを開催しました。

本プログラムは、三菱みらい育成財団 の助成を受け、学校教員、大学生、報道関係者、研究者など産学共同で2023年度にスタートしました。今後2025年まで3年間にわたり実施される予定です。
現在、フェイクニュースが量産され、瞬く間にソーシャルメディア等で拡散することで事実の誤認や意思決定のミスが度々発生し、社会問題にまで発展しています。政府・産業・教育など、それぞれの領域での規制や啓発の必要性もある一方、ソーシャルメディアネイティブである高校生が主体となりメディアリテラシーを習得する必要もあります。

このプログラムでは、高校生が自ら「メディアリテラシー」に関する授業を作成・実施し、フェイクニュースに惑わされない情報の見極め方や、メディアを批判的に読み解くスキルを身につけます。また、生徒自身で授業を作り上げることで、実践的な学びが可能となり、将来にも応用可能な情報社会における批判的思考力や問題解決能力が養われることも目指しています。

「偽・誤情報の定義や日本における拡散の実態」から「バイアスの影響」、「フィルターバブル、エコーチェンバー」など現状の課題に繋がるレクチャーを受けた後、小規模グループに分かれてディスカッションが行われました。フェイクニュース時代の課題と利点を踏まえ、高校生たちは批判的思考力や 情報を疑う態度の重要性について意見を交わしました。

今後、キックオフのディスカッションを受けて、来年2月の「2024年度プロジェクト報告会」までに、高校生メンバーが中心となり、各学校の課題や進捗の共有や関係者の助言を受けながら、各学校での授業案の作成と実施を行う予定です。

〈キックオフイベントに参加した高校生の声〉
・岡山県立岡山南高等学校 新聞部 
 昨年度は、SNSでの炎上事例を教材として取り上げ、炎上の原因を考察し、SNS上のコメントを改善する授業を提案した。この活動を通じて、ロジックを重視し、情報を精査するリテラシーの重要性を強く実感しました。また、単に炎上を恐れるのではなく、互いに「激論」を交わし、納得のいく解決策を見出すことの大切さを認識しました。今年度は、昨年度の学びを発展させ、一つの書き込みを意図的に炎上させる、または炎上を防ぎ沈静化する活動を取り入れ、「激論」を通じて解決策を探ることの重要性を体感してもらうつもりです。

・関東学院六浦高等学校 星名優一朗
 私は昨年度に引き続き、このプロジェクトに参加しています。昨年度は、「実践知の獲得」をテーマに、SNS上で動画や画像を投稿する際の注意点をチェックリスト化し、スコア化する仕組みを開発しました。プロジェクトを通して、生徒主体の授業の重要性や、これからの学校教育における教師の役割を学ぶことができました。今年度は、私の学校からも参加者が増え、チームとして教材制作を行うことができるため、チームワークやリーダーシップを学ぶ貴重な機会にもしたいと考えています。と考えています。

■令和6年度プログラムの概要
日程 2024年8月31日(土)キックオフイベント
場所 株式会社ユーザベース(の予定を台風のため急遽オンライン開催に変更)
参加者 高校生30名、メディア関係者11名、学校司書6名、大学研究者8名、高校教員8名、 NIE学会関係者4名、大学生・院生15名の計82名

当日の流れ
●開会
●レクチャー「フェイクニュース時代のメディア情報リテラシーの学びとは?」
メディア関係者からの社会問題化するフェイクニュースの実情と課題を学習
●「開発者(高校生)同士の顔合わせ」
高校生活における実情の共有と課題抽出
●グループディスカッション「あったらいいな、こんな学びとコンテンツ」
学習方法と教材案についてのディスカッション
●発表「今日芽生えた『芽』を次につなげよう」
各グループの学習方法や教材のアイディアの共有
●閉会

■各協同組織概要
・参加教育機関(愛知教育大学、奈良女子大学附属中等教育学校、岡山県立岡山南高等学校、京都先端科学大学附属高校、上野学園高校、関東学院六浦高等学校、愛知県立豊橋西高校、静岡雙葉高校)
・一般社団法人 三菱みらい育成財団
・日本NIE学会
・一般社団法人 インターネットメディア協会(JIMA)

【古典探求×メディア情報リテラシー】 2024年11月19日 高校生が発案し制作した授業を実施
11月19日、奈良女子大学附属中等教育学校(奈良市東紀寺町・片岡達朗校長)で、本プログラムに参加している高校2年生4名が開発した、「古典探求×メディア情報リテラシー 〜デマから得る人間理解〜」を実施しました。
 この授業は、高校生のアイディアにメディア関係者や教育の専門家がアドバイスを行って高校生が自ら授業をつくるという、本プロジェクトの特徴を生かしてつくられました。
 高校生にアドバイスをした、インターネットメディア協会(JIMA)のメンバーや日本NIE学会の学会員が見守る中、同校の高校2年生124名を対象に実施しました。
 この授業は、本プロジェクトのメンバーでもある二田貴広教諭(奈良女子大学附属中等教育学校主幹教諭)とも相談し、同教諭が担当する高校2年生の「古典探究」の時間で実施したものです。
 「古典探究」の学びの目標である「論理的に考える力や深く共感したり豊かに想像したりする力を伸ばし,古典など を通した先人のものの見方,感じ方,考え方との関わりの中で伝え合う力を高め, 自分の思いや考えを広げたり深めたりすることができるようにする(高等学校学習指導要領)」ことの実現を目指しました。
 授業では、『徒然草』から現代の事例まで「噂話」や「デマ」に惑わされたり広めたりする人間の様子を時系列にしたがって数例通覧した上で、「なぜ人間は『噂話』や『デマ』を信じ、広めてしまうのか?」という問いについて考えました。
 生徒たちは、マスメディアやインターネットがなかった時代の人になりきって考えることで、当時の人の心の動きを推察するとともに現代の高校生自身との共通性や違いについても考えられるように授業をデザインしました。

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/152776/1/152776-1-b30426af33470f0cf6863fa5dc18c8dd-340x184.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
授業をする生徒

 また、ファクトチェックが決して現代的なものではないことに気づいてもらうために、『竹取物語』の「火鼠の皮衣」の場面を示したり、「情報の確かさ」の判断については、白黒では判断できず、おおむね正しそう/正しくなさそう、といった判断であいまいさに向き合う態度が必要である、など、アドバイスをいただいた内容を授業の中に取り込んでいました。
 授業を実施した生徒たちは、「同級生たちが、おもったよりも楽しんで参加してくれてうれしかった。」「面白い授業だと言ってくれた」など、手ごたえを得た様子でした。

以上



プレスリリース提供:PR TIMES

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