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PwC税理士法人、三菱商事の生成AIを活用した経理業務改革の実証実験を支援

(Digital PR Platform) 2024年07月25日(木)11時00分配信 Digital PR Platform

2024年7月25日
PwC税理士法人



PwC税理士法人、三菱商事の
生成AIを活用した経理業務改革の実証実験を支援
経理業務で取り扱う文書の処理において生成AI活用の有効性を確認
今後、業務プロセスでの本稼働を見据え、さらなるユースケース拡張を予定



PwC税理士法人(東京都千代田区、代表:高島 淳)は、三菱商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長:中西 勝也、以下「三菱商事」)の生成AIを活用した経理業務改革の実証実験を支援しました。本実証実験は2024年4月〜5月の2カ月間で行い、最終的には、保証債務に関して契約書や残高証明書からの情報抽出における平均97%の正解率、支払調書の提出要否判定における98%の再現率を達成するなど、高精度に処理できるという成果が得られました。
財務・経理の業務領域における生成AIのユースケースとしては問い合わせ対応(チャットボットなど)が一般的ですが、今回の実証実験では、実際の業務プロセスの中に生成AIを取り入れ、実務に活用できる可能性が示されたことになります。今後は、ユースケースの拡張に向けてさらなる支援を検討しています。

三菱商事は、総合商社として国内外に多数の拠点を持ち、多岐にわたるビジネスを展開しています。同社は、経営指針として掲げている「MC Shared Value(共創価値)の創出」を目指す上で、社員が価値創出に注力できる環境整備に向けて業務プロセス改革に取り組んでおり、本実証実験は経理業務改革を目指したものです。財務・経理業務では、契約書や請求書などの大量の文書から、経理担当者が目視で必要な情報を抽出し、分類や入力などを行う手作業が多くあります。そのためPwC税理士法人は三菱商事主計部(業務プロセス統括室)と連携し、文書の読み取りおよびその後の経理処理におけるAIを活用した自動化・効率化の第一歩として、AI-OCR(人工知能搭載型光学式文字読み取りシステム)と生成AIを組み合わせることによる、以下の業務プロセス効率化の可能性を検証しました。


有価証券報告書などの開示資料作成に必要となる保証債務に関する情報(「被保証先会社」「保証極度額」「保証残高」など)を、契約書や残高証明書などさまざまな形式の文書から抽出し(平均正解率97%)、データベースとなる一覧表を作成
税務申告の一つである支払調書を作成するにあたり、請求書から「会社名」や「摘要」などの情報を抽出し、支払調書の提出要否を判定(再現率98%)


図表1. AIを活用した自動処理フロー概要



[画像1]https://digitalpr.jp/simg/1803/92229/600_347_2024072419090266a0d2be51b52.png


PwC税理士法人は、本実証実験において、生成AIによる自動処理プロセスの構築や税理士法人の知見・経験のプロンプトへの落とし込みなど、要件定義から開発、検証までワンストップでの支援を提供しました。

具体的には、2024年4月の1カ月間で、PwC税理士法人においてPDFデータの前処理、AI-OCRによるテキスト化、生成AIによるデータの自動抽出、調書提出要否判定までの一連処理の自動実行フローを構築しました。2024年5月には、週単位でのスプリント(短期サイクルの開発プロセス)を組むことで、三菱商事担当者のフィードバック反映や最先端手法の実装やプロンプト改善など、注力領域を適宜すり合わせながら、アジャイル開発による精度改善を実施しました。

精度改善の過程において、生成AIの専門タスクフォースや税務プロフェッショナルの知見・経験を生かしてPwC税理士法人が行った効果的な施策例は、以下3点です。

支払調書の提出要否判定にあたり、税法上の定義をそのままプロンプトに反映し投入しても精度向上につながらなかったため、PwC税理士法人ならではの税理士としての知見をプロンプトに落とし込み、より具体的な事例や説明を追加
三菱商事が保有している過去の判定結果や社内マニュアルの情報について、「Dynamic Few-Shot Learning(※1)」と呼ばれる検索AIとDBを組み合わせた手法を用い、プロンプト投入
保証債務の開示基礎資料の作成にあたり、契約書、残高証明書、保証書など多種多様なデータから必要項目のみを抽出する必要がある中、プロンプト改善のみでは精度向上につながらなかったため、「契約書専門AI」、「残高証明書専門AI」といった「Multi-Agent(※2)」と呼ばれる複数のAIが協働する仕組みを実装

図表2. 生成AIを活用した経理業務効率化/自動化の将来像


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/1803/92229/650_360_2024072419090466a0d2c0511d2.png


本実証実験からは、生成AIの指数関数的な進化を見据えて業務プロセスを設計し、「自社ノウハウの蓄積」と「AIモデルの更新」サイクルを可能とする体制構築によって、中長期での経理業務の効率化・自動化の可能性を明らかにすることができました。PwC税理士法人は、今回の実証実験から得られた知見を生かし、対象とする経理業務範囲のさらなる拡大を視野に入れながら、AI処理が可能なユースケースの整理や追加検証など、実用化に向けた支援を継続します。

PwC税理士法人では、国内外のPwCネットワークと連携しながら、生成AIを活用した企業の業務改革支援を強化しています(※3)。特に、税務領域における生成AI活用支援の事例として、社内文書の分析と課税関係の検討の効率化や、税務業務の品質向上が可能となっています。私たちは、これらの生成AI活用の知見を、クライアント向けの支援に反映させています。これらの取り組みを通じて、今後、一層実務に即した生成AIの活用による税務業務の改革と価値創出に向けたクライアント支援を強化してまいります。

※1 Nori, Harsha, et al. "Can generalist foundation models outcompete special-purpose tuning? case study in medicine." arXiv preprint arXiv:2311.16452 (2023).
※2 Wu, Qingyun, et al. "Autogen: Enabling next-gen llm applications via multi-agent conversation framework." arXiv preprint arXiv:2308.08155 (2023).
※3 PwC税理士法人、PwC弁護士法人、生成AIを活用した企業の業務改革支援を強化
https://www.pwc.com/jp/ja/press-room/tax-generative-ai20240326.html

ご参考:生成AI活用による税務業務改革と価値創出支援サービス
https://www.pwc.com/jp/ja/services/tax/tax-technology-transformation/generative-ai.html



以上



三菱商事株式会社について:https://www.mitsubishicorp.com
三菱商事は、世界中に広がる約1,800の連結対象会社と協働しながらビジネスを展開しています。
地球環境エネルギー、マテリアルソリューション、金属資源、社会インフラ、モビリティ、食品産業、S.L.C.、電力ソリューションの8グループ体制で、幅広い産業を事業領域としており、貿易のみならず、パートナーと共に、世界中の現場で開発や生産・製造などの役割も自ら担っています。
これからも私たちは、常に公明正大で品格のある行動を信条に、豊かな社会の実現に貢献することを目指し、さらなる成長に向けて全力で取り組んでいきます。

PwC税理士法人について:https://www.pwc.com/jp/tax
PwC税理士法人は、企業税務、インターナショナルタックス、M&A税務、税務業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)などを含む幅広い分野の税務コンサルティングにおいて、PwCグローバルネットワークと連携しながら、ワンストップでサービスを提供しています。国内外のプロフェッショナルの知見と経験を結集し、企業のビジネスパートナーとして重要な経営課題解決を包括的にサポートします。

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