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【東芝デジタルソリューションズ】量子インスパイアード最適化ソリューション「SQBM+」の1000万変数に対応する新バージョンを提供開始

(Digital PR Platform) 2023年11月27日(月)17時17分配信 Digital PR Platform

〜 金融ポートフォリオの作成や計算創薬に求められる大規模問題に対応、実用化に向けて前進 〜



2023−11ー27
東芝デジタルソリューションズ株式会社


量子インスパイアード最適化ソリューション「SQBM+™」の
1000万変数に対応する新バージョンを提供開始
〜金融ポートフォリオの作成や計算創薬に求められる大規模問題に対応、実用化に向けて前進〜

 東芝デジタルソリューションズ株式会社(本社:神奈川県川崎市、取締役社長:岡田 俊輔、以下 東芝デジタルソリューションズ)は、量子インスパイアード最適化ソリューション「SQBM+」の1000万変数に対応した新バージョン(以下、SQBM+ Version 2)の提供を、Amazon Web Services, Inc.が運営するAWS Marketplaceにて開始しました。2023年度中には、Microsoft Corporationが運営するAzure Marketplaceでの提供開始も予定しています。
 
 SQBM+は、株式会社東芝が開発した技術「シミュレーテッド分岐アルゴリズム(以下、SBアルゴリズム)」注1を用いた組合せ最適化ソルバー「シミュレーテッド分岐マシン(Simulated Bifurcation Machine 以下、SBM)」を核とした量子インスパイアード注2最適化ソリューションです注3。
 今回提供を開始するSQBM+ Version 2は、1000万変数に対応するとともに、アルゴリズムを改良して近似解探索の精度・速度を向上させ、扱うことができる組合せ最適化問題の規模を大幅に拡大しています。また、高次項に対応し、現実の組合せ最適化問題に対してより高い求解性能を実現しています。

 金融取引の最適化、産業用ロボットの動作の最適化、輸送トラックの移動経路や送電経路の最適化、創薬のための分子設計など、社会や産業における課題の多くは、膨大な選択肢から最適なものを選び出す組合せ最適化に帰着します。組合せ最適化は、問題の規模が大きくなるにつれて組合せパターンの数が指数関数的に増大するため、既存の計算機で高速に解くことは困難です。このため、組合せ最適化専用計算機の開発が国内外で活発に行われています。
 SQBM+は、既存の計算機を使用して、複雑で大規模な問題の高精度な近似解(良解)を短時間で得ることが可能なソフトウェアです。東芝グループでは、SQBM+を活用して、株式市場における高速高頻度取引への疑似量子計算機適用の有効性に関する共同検証注4や計算創薬への適用技術の検証注5、エネルギーマネジメントや材料開発での有効性の検証などを行っています。SQBM+ Version2は、金融や創薬で求められる大規模な問題に対応できます。また、クラウド環境には向かない秘匿性の高いアプリケーションや、超低遅延を必要とするアプリケーション向けのオンプレミス版の提供も計画しています。東芝デジタルソリューションズは、さまざまな領域にSQBM+を適用し、複雑化する社会課題の解決に貢献していきます。

 また、東芝デジタルソリューションズは、連携しているパートナーとともに、SQBM+ Version 2.1のβ評価を開始しました。SQBM+ Version 2.1では、SQBM+の特長の1つである、「巡回セールスマン問題」や「シフト最適化問題」など特定の組合せ最適化問題をQUBO注6で表すことなく直接解くことができる目的別ソルバー群を揃えます。SQBM+ Version 2.1は、2024年春頃のリリースを予定しています。



SQBM+ Version 2の特長
1.1000万変数をサポートし、大規模問題に対応
1000万変数のQUBO問題に対応するQUBOソルバーを提供します。

2.速度・精度の向上
アルゴリズムの改良により、近似解探索がさらに高速化し、精度も向上しています。最大カット問題注7のベンチマーク問題集であるGset注8の71問について、Best Known解注9への到達件数が50問から60問にアップしました注10。

3.用途に応じた最適化ソルバーの提供
汎用的に利用できるQUBOソルバーに加えて、目的別ソルバーも提供します。特定の問題を直接、容易に解くことができます。

QUBOソルバー

汎用的なソルバーです。「二次制約なしバイナリ最適化問題(QUBO)」という形式で表した組合せ最適化問題をSBアルゴリズムで解く、SQBM+の基本的なソルバーです。


TSPソルバー

「巡回セールスマン問題」と呼ばれる種類の問題をQUBOで表すことなく直接解けるソルバーです


SHIFTソルバー

各種制約条件下で従業員に各日のジョブを割り当てるようなシフトスケジューリング問題をQUBOで表すことなく直接解けるソルバーです。


QAPソルバー

二次割当問題(QAP: Quadratic Assignment Problem)をQUBOで表すことなく直接解けるソルバーです。QAPは、施設間の物資輸送コストを最小化するように施設の最適配置を考えるような問題です。
SQBM+ Version 2に対応した目的別ソルバーは、SQBM+ Version 2.1から提供を開始します。

4.適用範囲の拡大
QUBOソルバーをより使いやすく、高性能化するための拡張機能やソルバーを提供しています。

PUBO注11ソルバー

3次および4次問題をサポートする高次項対応ソルバーです。現実の組合せ最適化問題では三次以上の項を含むことがあります。そのような問題をQUBOソルバーで解くには、二次式への変換が必要となり、求解性能を劣化させる要因となります。SQBM+ Version 2ではSBアルゴリズムの特長を活かし、高次項に対応し、現実の組合せ最適化問題に対してより高い求解性能を実現します。


QPLIBソルバー

線形制約付き二次バイナリ計画問題を解くソルバーです。入力データフォーマットとしてQPLIB注12をサポートします。

5.サポートGPUの拡大
SQBM+は、既存の計算機を使用して、大規模な組合せ最適化問題を解くことができるソフトウェアです。このため、計算機の性能向上を問題の計算速度の向上に直接つなげることができます。また、GPUのカバー領域を増やすことで、さまざまなユースケースに最適化されたインスタンスタイプの中から、目的に応じた適切なインスタンスを柔軟に選択することができます。

今回AWS Marketplaceで提供を開始したSQBM+ for AWS Version 2は、従来サポートしていたp3.2xlargeに加えて、p3.8xlarge、p3.16xlarge、p3dn.24xlarge、p4d.24xlarge、g4dn.xlargeの6つのAmazon EC2の高速コンピューティングインスタンスタイプをサポートします。
・Amazon EC2 P4インスタンス:p4d.24xlarge
・Amazon EC2 P3インスタンス:p3.2xlarge、p3.8xlarge、p3.16xlarge、p3dn.24xlarge
・Amazon EC2 G4dnインスタンス:g4dn.xlarge


SQBM+ for AWS Version 2の価格
SQBM+ for AWS Version 2の価格は、利用するEC2インスタンスタイプに応じた、計算時間あたりの従量課金です。研究開発用途に限定したLearn & DevelopmentとBusiness Standardの2つのプランを用意しています。

[画像1]https://user.pr-automation.jp/simg/1398/79863/600_347_202311271633576564466586543.png




今回の発表に際し、連携中のパートナー各社さまから以下のコメントをいただいております。(順不同、敬称略)

CogniFrame Inc.
We have successfully used SQBM+ for a number of our customers projects in the health care, financial services and public sector verticals and look forward to further augmenting our partnership with Toshiba by offering direct access to SQBM+ solvers globally under a SaaS model via our patent pending plug and play FirstQ App Store and Infrastructure platform. SQBM+ Version 2 with its support for 10 million variables offers us the opportunity to address larger scale optimization challenges and would also continue to support a number of use cases offered via FirstQ.
CEO Vish Ramakrishnan

株式会社 Fixstars Amplify
SQBM+の新サービスの提供がお客さまにもたらす利益に大きな期待を寄せています。当社のソリューションと掛け合わせ、今後の量子コンピューティング業界の進展がより幅広くお客さまの課題解決につながることを楽しみにしています。
代表取締役社長 CEO 平岡 卓爾

株式会社Jij
株式会社Jijは量子コンピュータと数理最適化技術に特化した研究開発を行い、最適化計算のためのプラットフォーム「JijZept」を提供しています。これまでにも、東芝デジタルソリューションズ株式会社が開発した量子インスパイアード最適化ソリューション「SQBM+」をJijZeptを通じて積極的に活用してきました。今回のSQBM+ Version 2のアップデートにより、さらに多様で複雑な最適化問題への対応が可能となり、我々はその潜在能力を最大限に引き出すことに期待しています。Jijは今後も東芝とのパートナーシップを深化させ、SQBM+を活用した課題解決に励んでまいります。
CEO 山城 悠

Strangeworks, Inc.
We are thrilled to deepen our partnership with Toshiba, expanding our collaboration to bring their cutting-edge SQBM+ Version 2 system to our Strangeworks platform. Building on our successful utilization of the SQBM+ with several of our valued customers, we are excited to extend this technology to our existing partners and introduce it to a broader audience. This quantum technology extends our customers’ capabilities with more problem-specific solvers, accelerating the discovery and implementation of quantum solutions across industries.
Chief Strategy Officer Steven Gibson


注1:東芝ニュースリリース(2019年4月):世界最速・最大規模の組合せ最適化を可能にする画期的なアルゴリズムの開発についてhttps://www.global.toshiba/jp/technology/corporate/rdc/rd/topics/19/1904-01.html
H. Goto et al., Science Advances 5, eaav2372 (2019).https://doi.org/10.1126/sciadv.aav2372
注2:量子力学の原理に基づく計算手法(量子計算)から導出もしくは直接的な着想を得て開発された新しい計算手法のこと。疑似量子と呼ばれることもある。
注3:東芝デジタルソリューションズニュースリリース(2022年3月):量子インスパイアード最適化ソリューション「SQBM+™」の提供開始について:https://www.global.toshiba/jp/company/digitalsolution/news/2022/0302-2.html
注4:東芝ニュースリリース(2019年10月):シミュレーテッド分岐アルゴリズムを搭載した超高速な金融取引マシンのコンセプト実証機を開発:https://www.global.toshiba/jp/technology/corporate/rdc/rd/topics/19/1910-02.html
東芝ニュースリリース(2021年5月): 世界初、金融市場における疑似量子計算機による高速高頻度取引の有効性の共同検証を開始:https://www.global.toshiba/jp/technology/corporate/rdc/rd/topics/21/2105-01.html
注5:東芝デジタルソリューションズニュースリリース(2022年6月):量子インスパイアード最適化ソリューション「SQBM+™」を活用し、計算創薬への適用技術を検証:https://www.global.toshiba/jp/company/digitalsolution/news/2022/0627.html
注6:QUBO: Quadratic Unconstrained Binary Optimization (制約なし二次バイナリ最適化)
注7:最大カット問題(MAX-CUT問題):複数のノード(頂点)と、ノードを結ぶエッジ(辺)からなるグラフにおいてノード群を2つのグループに分割する際に、両グループに属するノード間に張られたエッジの重みの和が最大となる分け方を求める問題
注8:Gset: http://web.stanford.edu/~yyye/yyye/Gset/
注9:Gsetの各問題に対して、これまでに見つかった最も良い解
注10:計算時間上限を3,000秒とした場合の東芝デジタルソリューションズによる実測値
注11:PUBO:Polynomial Unconstrained Boolean Optimization
注12:©2017-2023 by Zuse Institute Berlin and GAMS.
Documentation: https://qplib.zib.de/
For information about the author, refer to the link above.
QPLIB is licensed under CC-BY 4.0. (https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
)

*SQBM+は、東芝デジタルソリューションズ株式会社の日本またはその他の国における登録商標または商標です。
*Amazon Web Services、AWS、Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
*その他、本文章に記載されている社名および商品名はそれぞれ各社が商標または登録商標として使用している場合があります。
*ニュースリリース/トピックスに掲載されている情報(サービスの内容/価格/仕様/関連リンク/お問い合わせ先など)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
*東芝デジタルソリューションズ株式会社は株式会社東芝の100%子会社です。


■量子インスパイアード最適化ソリューション 「SQBM+」
https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/ai-iot/sbm.html

■AWS Marketplaceの「SQBM+」プロダクトページ(英語)
https://aws.amazon.com/marketplace/seller-profile?id=d204c622-7c0d-4510-8686-2bfb3213afa8
(Amazon Web Services, Inc.)



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