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「スマート畜産」普及に向けた無線通信環境の構築実証実験の開始について 〜プラチナバンドのIoT向けWi−Fi 「IEEE 802.11ah」の活用〜

(Digital PR Platform) 2022年02月09日(水)15時09分配信 Digital PR Platform

 東日本電信電話株式会社 神奈川事業部(執行役員 神奈川事業部長:中西 裕信、以下「NTT東日本」)と神奈川県内で畜産業を営み、「あつぎ豚」等を生産している有限会社臼井農産(代表取締役社長 臼井 欽一)および、「相州牛」を生産している株式会社長崎牧場(代表取締役社長 長崎 光次)は、日本電信電話株式会社 アクセスサービスシステム研究所(以下「NTT AS研」)の協力を得て、「スマート畜産」普及に向けた無線通信環境の通信品質に関する実証実験を開始しました。


[画像1]https://user.pr-automation.jp/simg/1998/55739/280_209_202202091139136203295183b91.png
 [画像2]https://user.pr-automation.jp/simg/1998/55739/280_210_20220209113933620329650a7f9.png


1.背景
 近年の畜産経営は、配合飼料価格や生産資材等の価格の上昇、生産管理を担う労働力不足、後継者確保問題など、経営を取り巻く環境は依然厳しい状況にあります。国産の牛豚肉・生乳に対する購買ニーズの高まりから、飼養規模拡大の経営意欲も高まる反面、家畜衛生対策、優良品種の確保による生産性の向上、担い手の確保、畜産クラスター事業等の活用による投資資金の確保などが新たな経営課題となっています。

 神奈川県内の畜産業を営む方からも「飼育環境管理」「飼育牛・豚の健康状態把握」等に対する課題感は顕在化しており、ICT技術を活用した「スマート畜産」普及に大きな期待を持たれています。

 従来のICTを活用した仕組みでは、大規模なシステムの導入や豚舎の建て替えが必要となるケースも多く、莫大な金額の投資が条件になると、中小規模の養豚農家への「スマート畜産」普及は非現実的なことから、NTT東日本では「スマート畜産」普及に向けて、既存設備でも容易に導入が可能なシステム構成を基本に、畜産現場での多様な実証実験<*1>行っています。

 しなしながら、畜産現場は広い土地の中に飼育舎が半屋内になっているケースも多く、雨風により土埃が巻き上がる事象や清掃により水が撒かれる事象、ねずみによるケーブル破損等も想定されるので、現地に設置する機器の耐久性・配置や配線ルートは重要な要素になっています。

 そこでNTT東日本では、各種システムを運用するために必要不可欠となる通信領域を高品質で安定提供できるよう、NTTグループのアクセスネットワークに関する研究開発機関でありアクセス通信技術の専門ノウハウを有するNTT AS研の協力を得て、畜産現場でプラチナバンドのIoT向けWi−Fi 「IEEE 802.11ah」の活用有無を検証する実証実験を、神奈川県内で畜産業を営む有限会社臼井農産および株式会社長崎牧場のフィールドを活用し実施します。

<*1>NTT東日本による主な実証実験
https://www.ntt-east.co.jp/kanagawa/information/detail/20211101_01.html
https://www.ntt-east.co.jp/kanagawa/information/detail/20210301_2.html

2.IEEE 802.11ahの概要
【802.11ah推進協議会ホームページより引用】https://www.11ahpc.org/11ah/index.html
 IEEE標準規格802.11ah(Wi-Fi HaLow™)は、920MHz帯等1GHz以下の周波数を利用する通信手段のひとつで、特にIoTの通信システムとして様々な分野で活用が期待される新しい種類のWi−Fi規格です。



[画像3]https://user.pr-automation.jp/simg/1998/55739/650_350_2022020911392862032960bb2c8.png


■IEEE 802.11ahの4つの特徴
(1)Wi−Fiの伝送エリアが大きく拡大
(2)端末・アクセスポイント・クラウドまでエンドエンドで利用者が自由にネットワークを構築可能
(3)フルオープン・デファクトスタンダード規格のIP通信に対応したWi−FiベースのLPWA
 <*2>
(4)画像や映像の送受信にも活用ができる数Mbps程度のスループット

<*2>Low Power Wide Areaの略語で消費電力を抑えて長距離の通信を実現する通信方式


3.畜産現場におけるIEEE 802.11ahの導入効果
(1)広域かつ建屋が屋外に並ぶ環境で、最大距離が数100m〜1kmのIEEE 802.11ahを使
 用することにより、カメラやセンサなどのモニタリング機材を設置できるエリアを大幅に広げることが
 できる
(2)従来のWi−Fiと比べてIEEE 802.11ahはカバーエリアが広がるため、中継器や無線L
 AN親機を減らすことが可能で、コスト低減に繋がる他、カメラやセンサの追加が容易になる
(3)従来のWi−Fiと同様にIPベースで動作するため、IP通信機器に対する親和性が高く、従来の
 機材をそのまま活用可能なので導入しやすい
(4)セキュリティは従来のWi−Fiと同様にWPA3を使用するため安心できる

4.実証実験概要
 IEEE 802.11ahを活用し、現在のLPWAよりもさらに大容量のデータ収集を実証すること及びサービス運用に必要なIEEE 802.11ahの特性を各ユースケースで獲得することを目的に実施します。なおIEEE802.11ahの導入や運用に当たっては、本規格の国内利用実現に向けて活動している、802.11ah推進協議会(https://www.11ahpc.org/
)と連携しています。

(1)終了時期:2022年3月31日<予定>

(2)実証実験のポイント:
 @IEEE 802.11ahが使用する予定の周波数における電波法令を想定した実験
 ・従来の実験は、端末の最大性能に着目して実施
 ・今回は将来の電波法令改正における技術的条件(送信出力・送信時間率等)を見越したパラメータを
  適用し実用性を確認
 ANTT AS研の技術による伝送の安定化技術の適用
 ・11ahを運用する上で想定される法令や無線通信特性を考慮した運用パラメータ(送信時間率等)の
  最適化技術を確認

(3)設置機器
 @IEEE 802.11ah送受信機
 (アンテナ、RaspberryPi、11ah用無線モジュール、PCで構成した実証用試作機)

[画像4]https://user.pr-automation.jp/simg/1998/55739/650_284_20220209113934620329669e962.JPG






 A映像・音声データ送受信機器     BAIカメラPIGI(体重・体格計測)<*3>


 <オランダ製:Amaryllo Pro>     <株式会社コーンテック:PIGI端末>


[画像5]https://user.pr-automation.jp/simg/1998/55739/650_229_2022020911394562032971debab.png


<*3>(参考):AIカメラを活用した養豚の体重・体格・肉質計測に関する実証実験
https://www.ntt-east.co.jp/kanagawa/information/detail/20210607.html

(4)実証フィールド場所・機器設置場所イメージ<*4>

  @有限会社臼井農産           A株式会社長崎牧場
  (住所:神奈川県厚木市飯山3575)    (住所:神奈川県南足柄市怒田2476)



[画像6]https://user.pr-automation.jp/simg/1998/55739/650_301_202202091139386203296aa3c27.JPG

  <*4>実証実験にあたっては、防疫ルールを遵守して実施しています

4.今後に向けて
 NTT東日本は、「スマート畜産」の浸透に向けてICT活用サービス導入のサポートを実施していくほか、各種連携等により畜産業の発展に資する新たな仕組みづくりを検討していきます。








本件に関するお問合わせ先
【本件に関する報道機関からのお問い合わせ】
NTT東日本 神奈川事業部 企画部
広報担当 水谷、金石、徳丸
TEL:045-226-6123
Email:kanagawa-kouhou-ml@east.ntt.co.jp

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