• トップ
  • リリース
  • 【矢野経済研究所プレスリリース】クラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場に関する調査を実施(2023年) 2022年のクラウド基盤サービス市場は、前年比120.0%の1兆5,600億円

プレスリリース

株式会社矢野経済研究所

【矢野経済研究所プレスリリース】クラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場に関する調査を実施(2023年) 2022年のクラウド基盤サービス市場は、前年比120.0%の1兆5,600億円

(DreamNews) 2023年04月25日(火)13時00分配信 DreamNews

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のクラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場を調査し、市場規模推移・予測、クラウドベンダ動向、新サービス普及状況等を明らかにした。

1.市場概況

2022年のクラウド基盤(IaaS/PaaS)サービスの市場規模(事業者売上高ベース)は、前年比20.0%増の1兆5,600億円と推計する。市場は引き続き、業務上のデータ・システム等の既存要件を維持しながらほかの環境への移行または新規システムに乗り換えるマイグレーション案件が中心ではあるものの、その対象領域が拡大していることや、競争力の確保、生産性向上のために、必要量に応じて使用料を支払い他者とクラウド環境を共同利用するパブリッククラウドを導入・利用する企業が増加していることなどから、順調に成長した。ベンダ側の知見も増え、マイグレーションに要する期間が短縮したことも市場の伸びに繋がったと考える。また、近年は、大規模情報システム部門を持つ企業などを中心に、システム/アプリケーションの内製化に取り組む企業も出始めている。このことも市場の成長要因のひとつとみる。さらに、ハイブリッドクラウド/マルチクラウドの普及が進み、クラウドマネージドサービスの認知、利用が広がり始めていることも、市場にプラスに働いていると考える。



2.注目トピック〜ソブリンクラウドは2023年以降、本格普及へ

ソブリンクラウドとは、クラウドサービスのうち、特にセキュリティ、プライバシー、データ主権について、各国の法的規制に準じていることが保証されているサービスをさす。

クラウドのメリットのひとつは、場所を選ばずどこからでも利用できることだが、データが保存されている物理的な場所に注意しなければならない場合がある。例えば、EU一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:GDPR)では、EU域外へのデータの持ち出しを原則として禁止しており、プライバシーの保護を行うよう強く求めている。GDPRが施行されたことにより、EU域内でデータを取り扱う際には、従来以上の配慮が必要となった。

近年、既存システムのクラウド移行が進んでいるが、GDPRなどのケースを考えると(EU以外の国・地域でも同様・類似の課題はある)、民間企業や公的機関が扱う重要なデータを外資系クラウドサービスに置く場合についての対処について、検討する必要がある。そこで、ソブリンクラウドといった、セキュリティ、プライバシー、データ主権について各国の法的規制に準じていることが保証されているサービスが求められている。

ソブリンクラウド上に保存されたデータは、国外で利用されることはない。そのクラウドが存在する国の司法権の範囲内で、保存・処理されることが保証されている。また、ソブリンクラウドを利用すれば、クラウド上の重要なデータに対し、第三国からアクセスされることも回避可能となっている。秘匿性の高いデータを取り扱う組織・企業は数多く存在する。そのため、ソブリンクラウドは、今後、サービスを選定する際の選択基準のひとつになると考える。現状、ソブリンクラウドに対する認知は不十分だが、ベンダが普及に努め始めており、2023年以降、日本でもソブリンクラウドに対する需要は加速していくと考える。

3.将来展望

市場の成長要因には、やはりDXが挙げられるが、一気に進められるものではない。全てのシステムを最初からクラウドサービス等の利用を前提としたクラウドネイティブにする必要はなく、既存システムをクラウドに移行した後でクラウドネイティブに改修または再構築することでDXを加速できる。既存システムをクラウドに移行するケースは今後さらに増え、今後も本市場は高い成長が見込まれると予測する。

また、工数の削減や生産性の向上といった成果を生み出すDXは堅調に拡大しているが、工場内のデータを活用し、競争力向上を図るようなDXは今後の発展の余地がある。工場や店舗、病院などにおけるデータの蓄積、可視化、クラウドへの移行などは一定程度進んでいる。しかし、そこからビジネスの洞察を得るようなデータの利活用は不十分である。この領域でDXを推進していくためには短期間で試行錯誤(トライ&エラー)を繰り返すアジャイル型の発想が必要である。状況に応じた使い方ができるクラウド基盤サービスは、ますます欠かせないものになると考える。

※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3247

調査要綱
1.調査期間: 2022年12月〜2023年3月
2.調査対象: 国内クラウド関連ベンダ(パブリッククラウド及びその周辺サービス提供事業者)、国内民間企業等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mailによるヒアリング調査、郵送及びWebによる法人アンケート調査併用
4.発刊日:2023年3月28日

お問い合わせ
⇒プレスリリースの内容や引用についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
https://www.yano.co.jp/contact/contact.php/press

株式会社矢野経済研究所
https://www.yano.co.jp/

このページの先頭へ戻る