プレスリリース
Bluetooth SIG、Auracast ブロードキャスト オーディオを発表 人生を変えるようなオーディオ体験を実現するBluetooth新機能
Bluetooth Special Interest Group (本部:米国ワシントン州カークランド、以下 Bluetooth SIG) は、米国時間6月8日、新たにリリース予定のBluetooth技術をベースとしたオーディオ配信機能の新ブランドAuracast(TM)を発表しました。
これまで「Audio Sharing」と呼ばれていたこの新機能は、「Auracast ブロードキャスト オーディオ」になります。Auracast ブロードキャスト オーディオは、人生を変えるようなオーディオ体験をもたらし、聴く人の周り、世界との関わりをより良いものにします。
Bluetooth SIGのCEO、マーク・パウエル(Mark Powell)は次のように述べています。「Bluetoothオーディオがもたらしている影響は絶大です。2台のBluetoothデバイス間で簡単にワイヤレス接続をしてオーディオ通信を実現したことで、道路の安全性や生活の生産性が向上され、音楽やポッドキャスト、動画ストリーミングなど、あらゆるタイプのオーディオを簡単に楽しめるようになりました。Auracast ブロードキャスト オーディオがリリースされることで、ワイヤレスオーディオ市場に新しく大きな変化をもたらすでしょう。Bluetooth技術を使用してオーディオを配信・共有できる新機能は、個人のオーディオ体験を一新するだけでなく、公共の施設や空間で利用者の満足度の向上とアクセシビリティの改善につながるオーディオ体験を実現できるようになるでしょう」
20年前、Bluetooth技術は世界にワイヤレスオーディオをもたらしました。Bluetooth技術は、Auracast ブロードキャスト オーディオによって、再びオーディオ体験のあり方を変えるでしょう。Auracast ブロードキャスト オーディオは、スマートフォン、ノートパソコン、テレビなどのオーディオ送信機から、スピーカーやイヤホン、補聴器など、近くにある無制限の数のBluetoothオーディオ受信機にオーディオを配信できるBluetoothの新機能です。
GoogleのPixelエコシステム製品事業部のシステムアーキテクト、ピーター・リウは、次のようにコメントしています。「Bluetooth技術が、Auracast ブロードキャスト オーディオをリリースすることで、イノベーションの実績をさらに拡大しています。私たちはBluetooth SIGと共に取り組めることを光栄に思っており、この機能によって、互いにつながり、互いの世界の音を聴くための新しい独創的な方法を消費者に提供できる日を楽しみにしています」
Auracast ブロードキャスト オーディオは、世界をより良い音にする新しいオーディオ体験を実現します。この機能により可能になることは次の通りです。
オーディオの共有:Auracast ブロードキャスト オーディオは、オーディオを共有する空間へ他の人を招待することができ、人々の距離が縮まります。スマートフォン、タブレット、ノートパソコンで再生する音楽や映画をワイヤレスイヤホンで聴くとき、家族や友人もAuracastブロードキャスト オーディオ対応のBluetoothイヤホンや補聴器で一緒に聴くことができます。
スマートフォンメーカー、Xiaomiの上級副社長兼スマートフォン部門長である曾学忠(ツェン・シュエツォン)氏は次のようにコメントしています。「Bluetooth技術を使用してスマートフォンとワイヤレスイヤホンやヘッドホンをペアリングする機能により、個人のオーディオ体験は以前よりもはるかに楽しく便利なものとなりました。ペアリング機能は今ではすっかり私たちの生活に溶け込んでいますが、Auracast ブロードキャスト オーディオにより、これまでワイヤレスイヤホンを使用して一人で聴いていたオーディオを他の人と共有できるようになるため、ワイヤレスオーディオの本領を存分に発揮させることができるだけでなく、さらなる価値と楽しさをお客様に提供できるようになります」
ミュート解除::Auracast ブロードキャスト オーディオは、これまではできなかった公共の場での音声付きテレビ視聴が可能になり、番組やコンテンツを満喫できます。空港、室内競技場、レストラン、待合室などに置かれたミュートされたテレビの音声を、Auracast対応のBluetoothイヤホンや補聴器で聴くことができます。
最高の音で聴く:Auracast ブロードキャスト オーディオは、どこにいても最適な状態で音声を聴くことができます。公共交通機関の乗り換え駅、映画館、会議場、教会・礼拝所などで、イヤホンや補聴器といったAuracast 対応のBluetoothデバイスで場内アナウンスを直接受信できます。例えば空港にいる旅行客は、搭乗ゲートの変更や搭乗手続きの時間などフライトに関する重要な情報を自分のオーディオデバイスで直接受信できるようになります。こうした使用で、Auracast ブロードキャストオーディオは次世代聴覚補助システム(ALS)技術となることが予想されています。
WiForeのCTO、ニック・ハン氏は次のようにコメントしています。「誘導ループなど既存の聴覚補助システムがこれまで難聴の人々に大きなメリットを提供してきたことは確かですが、音質が良くない、コストが高い、プライバシーが欠如しているといった、システムの導入を制限する多くの課題に悩まされているのも事実です。Auracast ブロードキャスト オーディオは、既存のシステムに比べはるかに簡単に低コストで展開できる最先端の新しい聴覚補助システムになる条件を見事に満たしています。しかもこの機能は、高音質を提供しプライバシーを強化し、オーディオへのアクセスのしやすさを改善し、リスニング体験を向上することでより豊かな生活を推進するものとなるでしょう」
全米難聴者協会のエグゼクティブディレクター、バーバラ・ケリー氏は次のように述べています。「程度を問わず難聴の人々は、日常的にさまざまな環境でスピーチを聴き、理解することに苦労しています。オーディオ品質に関連するイノベーションには、あらゆる人々にメリットをもたらす可能性がある一方、難聴の人々がコミュニケーションをとるために利用できる方法も改善できる可能性があります。難聴の方のさまざまなニーズを満たすことを目的とした技術に選択肢があることは極めて重要です。Auracast ブロードキャスト オーディオのような技術の出現には、日常生活において音を聴くための新しい重要なオプションを補聴器や人工内耳を装着している方々にもたらす可能性があります」
ABI Researchのリサーチディレクターであるアンドリュー・ジグナニ氏は次のように述べています。「Auracast ブロードキャストオーディオは、世界とワイヤレスオーディオとの関わり方を変えるものとなり、幅広い公共施設で次世代聴覚補助システムを実現しつつ、革新的な新しいユーザー体験を可能にするものとなるでしょう。ABI Researchは、ワイヤレスおよび聴覚補助業界によるLE AudioとAuracast技術の導入が急速に進むと予測しており、これによりさらに多くの人々が自分のオーディオ体験をシェアし、公共の場で配信される音声を聞けるようになるだけでなく、簡単に利用できる標準化された相互利用可能な、一貫性のある聴覚補助を難聴の方々に提供できるようになると見込んでいます」
リリース時期と詳細情報
Auracast ブロードキャスト オーディオを定義するBluetoothの仕様は、Bluetooth LE Audio仕様スイートの一環で、数ヶ月以内にリリースされる予定です。オーディオ製品の開発者と施設の運営者は、bluetooth.com/auracastにアクセスしていただくと、Auracast ブロードキャストオーディオに関する詳細をご確認いただけます。
Bluetooth SIGについて
1998年に設立されたBluetooth SIGは、Bluetooth(R)技術を監督する非営利の業界団体です。3万8000社を超えるメンバー企業を支援するため、Bluetooth SIGは、技術を普及し、世界規模の製品認証プログラムを通してグローバルな相互運用性を促進し、Bluetooth技術の認知度、理解度、導入率を向上することでブランドを成長させる新しい改良された仕様を作るため、メンバー企業の連携を促しています。
Bluetooth(R)技術について
毎年50億台の製品が出荷されるBluetooth技術は、シンプルでセキュアな無線接続のグローバル規格です。1998年の設立以来、BluetoothのコミュニティはBluetoothテクノロジーの機能を拡大するための取り組みを続けており、世界中でイノベーションを推進し、新たな市場を創出し、通信の定義を塗り替えてきました。現在Bluetoothは、オーディオストリーミング、データ転送、位置情報サービス、大規模デバイスネットワークなど、多くのソリューション分野で開発者に選ばれる無線技術となっています。
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