プレスリリース
株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 瀬津要)は、PHP文庫『浩宮さま 強く、たくましくとお育てした十年の記録』(浜尾 実著/税込990円)を2024年12月4日に発売します。本書は、東宮侍従として、天皇陛下の幼少期に「ご養育掛り」をつとめた浜尾実氏(故人)が、「浩宮さま」のご成長のエピソードを明かしたものです。平成期の1992年の単行本刊行から32年を経て、このたび文庫化をすることとなりました。天皇陛下の幼少期の日常をうかがい知ることができる、貴重な一冊です。
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■上皇上皇后両陛下が願われたこと
全国各地でのご公務やエリザベス2世女王の国葬、本年6月のイギリス訪問など、天皇陛下のお振る舞いが折に触れて話題となり、国内外から称賛されています。浜尾氏は、陛下の幼少期のご養育掛りとして1歳3カ月からの約10年間、そのお姿を見守ってきました。ご両親である上皇上皇后両陛下の基本的な教育方針を、「人間としてご立派な方になっていただきたい」「どんな境遇におかれても、その現実に耐えて人間らしいご立派さをつらぬく強さを持っていただきたい」ということだと浜尾氏は受け止めていました。浩宮さまが他の子どもたちと同じように幼稚園や学習院初等科に通学される前から、「自分のことは自分でする」ことができるようにと、浜尾氏が厳しくも温かく接していた様子が本書の端々から伝わってきます。
■「ボクにはどうして名前がないの?」というご質問
民間の幼稚園で他の子どもたちと同じように生活していただくなかでの、特別なお立場ゆえのエピソードを、浩宮さまに「オーちゃん」と呼ばれていた浜尾氏はいくつも紹介しています。たとえば、ある日、浩宮さまに「オーちゃん、ボクにはどうして名前がないの?」と尋ねられて、浜尾氏は困ってしまったと回顧しています。幼稚園では他の子どもたちが「太郎ちゃん」「花子ちゃん」と呼ばれる一方、浩宮さまは「宮ちゃま」と呼ばれるため、「名前がない」とお感じになるのは当然で、それでもこの疑問に対し「ナルヒトちゃん」とお呼びするわけにもいかなかったからです。また浜尾氏のお子さんたちが浩宮さまと同じ幼稚園に通っており、さらに御所の中の官舎に住んでいたため、「おしのびで遊びにみえることもあった」と述懐しています。突然自転車で浜尾家においでになることもあり、はじめて居間のコタツでトランプ遊びをなさったというような微笑ましいエピソードも述べられています。
単行本『浩宮さま』刊行から文庫化までのこの三十余年の間に昭和から平成、そして令和へと時代は移り、著者の浜尾実氏は平成18年に逝去されました。社会が大きく変化を遂げた令和の時代だからこそ、「よき日本人とは、そしてよき日本の家庭とは」ということを考えさせてくれる本書がますます光彩を放ち、多くの人々の「拠り所」となることを確信しております。
■『浩宮さま』について
著者
浜尾 実(はまお みのる)
1925(大正14)年、東京に生まれる。1948(昭和23)年、東京大学工学部応用化学科卒業。1951年から1971年に至るまで、東宮侍従として、皇太子殿下(現在、上皇陛下)、浩宮さま(現在、天皇陛下)にお仕えする。同年から1981年まで聖心女子学院教諭。その後、教育評論家として講演や執筆活動に専念。2006(平成18)年、逝去。著書に、『殿下とともに』(角川文庫)、『新装版子どものほめ方・叱り方』(PHP文庫)など多数。
書誌情報
書名:浩宮さま 強く、たくましくとお育てした十年の記録
著者:浜尾 実
価格:990円(10%税込)
判型・製本・頁数:文庫判・並製・296ページ
ISBN978-4-569-90454-2
レーベル:PHP文庫
発行:PHP研究所
発売日:2024年12月4日
ベストセラーもでたPHP文庫創刊40周年記念
文庫版『浩宮さま』はPHP文庫の創刊40周年を記念して、2024年2月から発刊してきたラインナップの最後を飾る一冊です。黒柳徹子氏、小田和正氏、半藤一利氏、佐藤愛子氏、やなせたかし氏、稲盛和夫氏といった著名な方々の作品を中心とする強力ラインナップの中で4月に発刊された『赤と青のガウン』(著者は彬子女王殿下)は、一般読者の「プリンセスの日常が面白すぎる」という投稿がSNSで話題になったことをきっかけとして、現在36万部のベストセラーとなっています。また尼崎で70年以上愛され続け、2024年5月に惜しまれつつ閉店した伝説の書店がモデルとなった感動の物語『あの日、小林書店で。』を10月に発刊。同書は2024年のひょうご本大賞を受賞しました。多くの読者が手に取り、話題にしてくださったおかげです。
これからもPHP文庫は、読者のみなさまの人生、子育て、仕事、教養の一助となる作品をお届けいたします。
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