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学校法人明治大学広報課

注射を打つ毎日を変えたい 糖尿病患者に膵島移植のチャンスを〜寄付型クラウドファンディングで資金募る〜農学部長嶋研、医療用無菌ブタの作製・施設整備

(@Press) 2016年05月19日(木)15時00分配信 @Press

○すべての1型糖尿病患者に移植のチャンスをつくるため、国内でブタの膵(すい)島(とう)を人に移植する「バイオ人工膵島移植」の実現を目指すプロジェクトを、複数の機関が連携して立ち上げた。
○第1ステップとして、病原体のいない医療用ブタを作製するためのオペ室と無菌飼育室を整備する計画。この設備の建設費を集めるため、クラウドファンディングを活用した資金募集を行っている(目標金額:2000万円、資金調達期限:6月25日(土)午後11:00)。
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(概要)
明治大学 農学部生命科学科発生工学研究室の長嶋比呂志教授・バイオリソース研究国際インスティテュート所長は、1型糖尿病の患者と家族の支援団体である認定NPO法人日本IDDMネットワークや国立国際医療研究センター、福岡大学の研究グループと共に、1型糖尿病の根本的治療である「バイオ人工膵島移植」を日本国内で実施することを目的とした研究プロジェクトを立ち上げました。

「バイオ人工膵島移植」とは、膵臓の細胞群である膵島が壊れ、インスリンを自力で分泌できなくなった1型糖尿病の患者に、ブタの膵臓から取り出した膵島をカプセルに包埋して移植するものです。インスリンの構造が人と似ているブタの膵島を移植することで、自力でインスリンを分泌し、血糖値を下げられるようになることが期待されます。

同移植を実施するためには、(1)病原体を持たない医療用ブタを確保し、(2)その医療用ブタからバイオ人工膵島を作製する、という2段階の作業が必要となります。
医療用ブタの作製には、特別に隔離されたブタのオペ室と無菌飼育室の整備が不可欠です。明治大学の長嶋教授は、ブタを用いた再生医療研究を専門としており、今回立ち上がったプロジェクトのうち、(1)医療用ブタの確保に必須な設備計画を主導する予定です。

プロジェクトの運営主体である認定NPO法人日本IDDMネットワークは現在、この設備の建築を進めるため、寄付型クラウドファンディング「READYFOR Charity」を活用し、資金提供を呼びかけています。

 ■ READYFOR |注射を打つ毎日を変えたい。全ての糖尿病患者に移植のチャンスを
   https://readyfor.jp/projects/cure_diabetes_2016
   ※寄付者は寄付控除を受けることができます。
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(プロジェクトの背景・経緯)
1型糖尿病は、何らかの原因により引き起こされた過剰な自己免疫反応が膵臓の細胞群である膵島を壊してしまう病気です。膵島は、血糖値を下げるインスリンを分泌する機能を担っているため、インスリンを分泌できなくなった1型糖尿病患者は、毎日インスリンを補充しなければなりません。生活習慣などが原因で発症する2型糖尿病とは異なり、1型糖尿病の患者がつらいインスリン補充から離脱するには、膵島または膵臓の移植を受けるしかありません。しかし、世界的に臓器提供が不足している中、移植はごくわずかな患者しか受けることができず、ドナーの限られた日本での移植実績は2004年から数えて30数回にとどまっています。
ドナー不足を解消するため、海外ではブタの膵島を移植する治療や臨床研究が既に実施されていますが、日本ではこれまで動物の臓器や細胞を人に移植する「異種移植」が事実上禁じられており、実施することができませんでした。
しかし、海外でブタ膵島移植の臨床研究が始まり、国際異種移植学会がブタ膵島移植のコンセンサスステイトメントの改定を予定していることなどから、我が国もようやく異種移植への規制を緩和する方向に動いています。
そこで今回、日本IDDMネットワークがこの分野で最先端の研究を推進している国立国際医療研究センター、福岡大学、そして明治大学の研究者に働きかけ、1型糖尿病患者が日本国内でバイオ人工膵島移植を受けられるようにすることを目指したプロジェクトチームを結成しました。
「バイオ人工膵島移植」を実施するためには、まず、医療用グレードと呼べるような衛生レベルの高いブタが必要です。海外ではこのようなブタが存在し、移植用膵島のドナーに用いることが現実的な選択肢となっていますが、日本にこの医療用ブタを輸入するのは、技術的にも費用の面でも非常に困難です。

そこで、今回のプロジェクトでは、第1ステップとして、日本におけるバイオ人工膵島移植のボトルネックとなっている「医療用ブタの確保」を目指します。

医療用ブタは、出産前の健康なブタの子宮から手術的に仔ブタを取り出し、その仔ブタを無菌室の隔離飼育箱で飼育して作製。病原体のいないことを確認する検査に合格したブタが最終的に医療用ブタとして認定されます。
このようなブタを作製するには、日本の規制をクリアできる専門家の技術と、高い衛生レベルのブタを作製するための設備が必要です。今回のプロジェクトでは、この設備の建築費用を、クラウドファンディング「READYFOR Charity」(https://readyfor.jp/charity)を活用して集めることとしました。6月25日(土)午後11時までに目標金額の2000万円を集めることができれば、医療用ブタを作製するためのコロニーを整備することができます。

■ 医療用ブタを作製するためのオペ室と無菌飼育室の整備 ■
○ 建築予定期間:2016年9月1日〜2017年3月31日
○ 利用開始予定日:2017年4月1日
○ プロジェクト運営主体:認定NPO法人日本IDDMネットワーク
○ 建築場所:日本IDDMネットワークから助成する当該プロジェクト実施研究機関(今回は明治大学)の意向により決定
○ 建築費用:約2000万円

設備の整備にあたっては、動物のクローニング、トランスジェニック動物の作出及び移植・再生医学への応用を研究し、バイオ人工膵島の研究実績のある明治大学の長嶋教授が、整備計画を主導します。施設完成後は、同設備にて医療用ブタを作製し、ブタの病原体検査システムの構築、遺伝子データ情報のデータベース化、移植の安全性、有効性の確認などを行っていきます。
今回のプロジェクトにより医療用ブタが完成すると、いよいよバイオ人工膵島作成の第2ステップに移行します。第2ステップでは、医療用ブタから膵臓を取り出し、消化酵素分解後、膵島を分離。この膵島をカプセルの中に包埋し、バイオ人工膵島を作製します。

国内には1型糖尿病により毎日のインスリン補充を余儀なくされている人々が7〜8万人以上いると言われています。そのうち20歳以下の患者数はおよそ1万人程度(行政への小児慢性特定疾病の登録者数から推定)。15歳未満の年間発症率は10万人に1.5〜2.2人で、毎年500人程度の子どもが発症しているとされています。
1型糖尿病に罹患した子どもたちは、幼稚園・保育園、学校に通いながら、時間になるとトイレなどで自ら注射を打ち、命をつないでいます。子どもたちが注射を打たなくてもよくなる日が一日でも早く訪れるよう多くの方の支援を募っています。


プレスリリース提供元:@Press

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