1. 会社の資産(例えば、現金)などが、役員や会社員によってとられないようにする。
2. 投資家を保護するために、財務諸表が正しくできるような仕組みがちゃんとできるようする。
3. 会社の業務の無駄、ムラがないようにする。
【答え】
選択肢2
【解説】
みなみ:
米国では、エンロンやワールドコム、日本でもいくつかの会社で粉飾決算が続いたので、それでは投資家が財務諸表を見ながら安心して正しい投資判断ができないわよね。そこで、財務諸表を作る過程のチェック機能がちゃんと働いているかを経営者が確認して、公認会計士が監査をすることにしたの。
タツヤ:
へー、大変っスね。自分、すげー勉強になりました。
みなみ:
ちまたでは、「忙しいのに業務プロセスを文書化したり、サンプルをチェックしたりで大変!」という声を聞くけど、会社のためというよりも、どちらかというと投資家のための制度かもしれないわねぇ。
タツヤ:
投資家のための制度を俺らに押し付けるんっすか?マジ、だりー。
みなみ:
でも、投資家が投資をしてくれなければ、会社の資金調達も難しくなるし、資金調達ができなければ、新たな工場をつくったり、新たな製品開発もできないわね。そういう意味では、まわりまわって会社のためでもあるのよ。
それに、業務プロセスを文書化する過程で、業務の無駄やムラを見つけて改善することもあるし、業務プロセスを見直している中で、不正ができないような仕組みに改善することもできるので、会社のためにもなる制度といえるかもしれないわね。
タツヤ:
それにしては、お金がかかりすぎだろ?って言うヤツもいますよね。
みなみ:
結局、いままでちゃんとしていた会社はそれほど大変ではないはずなんだけど、今までちゃんとできていなかった会社では、いろいろな改善事項がでてくるので大変になるのよね。でも、決まった制度だから、前向きにやっていくしかないのよ。
タツヤ:
へ~。。。朝倉部長、マジ助かりました! 自分、これで先輩への報告できますよ~。 『J-SOX法について調べて報告しろ!』って言われてたんスよ あーざーす!
みなみ:
それって、「自分で調べろ」って事じゃないのかしら?(怒) ちょっといらっしゃい!タツヤ君!
タツヤ:
え?自分、何か悪い事したっすか? えーーーーーーーーーー(ズルズル…。)
こうして、私はタツヤ君を1時間ほどみっちりと説教するハメに。。
最近の若い子は…
丸山満彦(まるやま・みつひこ)
公認会計士。
大手監査法人に在籍 パートナー。
1992年大手監査法人に入社。1998年~2000年米国の監査法人に勤務。帰国後、リスクマネジメント、コンプライアンス、社会的責任、情報セキュリティ、 個人情報保護関連のコンサルティングを実施。
情報セキュリティ関連の政府委員を歴任。
内閣官房情報セキュリティセンター兼務。
情報システムコントロール協会(ISACA)東京支部理事
日本セキュリティ監査協会(JASA)幹事
デジタルフォレンジック研究会監事
JPCERT/CC監事
日本監査研究学会会員
情報ネットワーク法学会会員
[イラスト]
加藤 豪(かとう ごう)
大阪府出身。ユーモアを含んだ勢いとコントラストの強いカラーのイラスト、人の心理をテーマにしたちょっとシュールな4コマ漫画、短編等を制作しています。
■ホームページ : http://www.occn.zaq.ne.jp/kato5/