1. 伝票入力、現金の入出金をすべて経理課長に集中させて管理する。

2. 伝票入力は担当者が行い、現金の入出金とその承認は経理課長が行う。

3. 伝票入力の担当者と、現金の入出金ができる担当者を分ける。さらに入出金の承認は経理課長が行う。

4. 伝票入力の担当者と、現金の入出金ができる担当者を分け、入出金の都度、監査役が確認をする。


【答え】


1. ×

2. ×

3. ○

4. ×



【解説】

 

経理担当者による使い込み。これは、不正の典型例です。不正を起す人も悪いのですが、不正が起こりうる環境を放置する経営者にも責任があります。さて、このような使い込みが起こる原因は、全ての権限が一人に集中していてチェックが働かないことによります。帳簿も自由自在に変更できるし、現金も自由自在に使えると、不正がおこりえますよね。なので、伝票を入力する人、現金の入出金ができる人、その承認を行う人、の3人を別々にすることが重要となります。これは、不正を防止するための基本的な原則なので覚えておきましょう。

ということで、回答は(3)になります。

なお、監査役は、個別の業務ではなくて、より高い立場から取締役をチェックする役割です。


【監修者】
丸山満彦(まるやま・みつひこ)


公認会計士。
大手監査法人に在籍 パートナー。
1992年大手監査法人に入社。1998年~2000年米国の監査法人に勤務。帰国後、リスクマネジメント、コンプライアンス、社会的責任、情報セキュリティ、 個人情報保護関連のコンサルティングを実施。
情報セキュリティ関連の政府委員を歴任。
内閣官房情報セキュリティセンター兼務。
情報システムコントロール協会(ISACA)東京支部理事
日本セキュリティ監査協会(JASA)幹事
デジタルフォレンジック研究会監事
JPCERT/CC監事
日本監査研究学会会員
情報ネットワーク法学会会員


[イラスト]

加藤 豪(かとう ごう)

大阪府出身。ユーモアを含んだ勢いとコントラストの強いカラーのイラスト、人の心理をテーマにしたちょっとシュールな4コマ漫画、短編等を制作しています。

■ホームページ : http://www.occn.zaq.ne.jp/kato5/