1. 匿名で徹底的に掲示板上で対抗する

2. 実名を晒して正々堂々と掲示板上で戦う

3.法務部門等にそのような書き込みがなされていることを速やかに通知する


【答え】


1. ×

2. ×

3. ○



【解説】

インターネット上の掲示板に所属する企業の悪口を書かれていると、社員としてはどうも気持ち悪いですよね。しかもそれが根も葉もない誹謗中傷ならなおさらです。 「ちゃんとした正しい情報を流して誤解している人たちの誤解を解いてあげたい」という気持ちが沸き起こるのもごもっともです。会社思いのあなたならなおさらそう思うでしょう。


でも少し待ってください。


インターネットの掲示板の書き込みの多くは、個人による匿名のものです。正しい情報が書かれていることもありますが、事実無根の情報も多いものです。

掲示板での会社に対する誹謗中傷に、掲示板上で個人的に戦いを望んでいくのはやめましょう。

とはいうものの、このような掲示板上の風評にあおられて企業の業績に影響が出る場合も少なくないようです。知らぬ存ぜぬというわけにもいきません。

こういう場合は、法務部門や広報部門等に相談して対応をしてもらいましょう。



※この問題については、途中から回答を修正しました。

当初は、回答3.を「はじめから相手にしない。」にしないとし、その解説では

<そもそもインターネットの掲示板は落書きのようなものです。正しい情報が書かれていることもありますが、事実無根の情報も多いものです。しかもほとんどの情報は個人による匿名の書き込みです。いっそ、掲示板の書き込みは無視してしまいましょう。会社に損害が及ぶ可能性が高い、もしくは実際に損害が起こっていると思われる場合は、広報や法務部門に相談して対応をしてもらいましょう。しかし、実際に損害が起こっていても、掲示板に書き込んだ人を特定するためにはコストもかかるし、たとえ裁判に持ち込んで損害賠償請求をしても、損害を補填してもらえるほどの資金力があるとも思えませんので、あまり実のある結果に終わらない可能性が高いでしょう。>

としていましたが、小倉弁護士より、「わが国のネット環境においては、実在する人や企業、製品やサービス等に関するネガティブな情報に関しては、ネット上に匿名で投稿されているものであっても信じられやすいという傾向があるので、自社の商品やサービスの主たる顧客層次第では、ネット上での風評を放置することは企業として致命傷ともなりかねません」というコメントがあり、回答として、「法務部門等にそのような書き込みがなされていることを通知する」という提案を受けました。

検討しましたが、小倉先生のコメントがやはり適切であると判断して、上記のとおり訂正いたしました。

皆様、大変ご迷惑をおかけいたしました。また、小倉先生、コメントありがとうございました。

今後はより適切な問題となるように様々な専門家の意見を取り入れながら適切な監修に努めたいと思います。

今後ともよろしくお願いします。

【監修者】
丸山満彦(まるやま・みつひこ)


公認会計士。
大手監査法人に在籍 パートナー。
1992年大手監査法人に入社。1998年~2000年米国の監査法人に勤務。帰国後、リスクマネジメント、コンプライアンス、社会的責任、情報セキュリティ、 個人情報保護関連のコンサルティングを実施。
情報セキュリティ関連の政府委員を歴任。
内閣官房情報セキュリティセンター兼務。
情報システムコントロール協会(ISACA)東京支部理事
日本セキュリティ監査協会(JASA)幹事
デジタルフォレンジック研究会監事
JPCERT/CC監事
日本監査研究学会会員
情報ネットワーク法学会会員


[イラスト]

加藤 豪(かとう ごう)

大阪府出身。ユーモアを含んだ勢いとコントラストの強いカラーのイラスト、人の心理をテーマにしたちょっとシュールな4コマ漫画、短編等を制作しています。

■ホームページ : http://www.occn.zaq.ne.jp/kato5/