目指せ!競争に勝てるビジネスパーソン 今私達に求められるスキルとは? -日経ビジネス特集-

特集企画 ビジネスリーダーに聞く 「使える情報」収集のコツと使い方

セルフプロデュース・コントロールに秀でた、憧れのあのビジネスリーダー。
毎日忙しく働く中で、どのように情報を取り込んで効率的に使っていくのか?その秘密を聞いてみました。

VOL1 オイシックス社長高島宏平氏の情報編集術(前編)

有機野菜をはじめとする食品の宅配事業が多くのユーザーの支持を集めているオイシックス。26歳の若さで同社を創業した高島宏平氏は、それまで縁もゆかりもなかった農業や食品販売の世界に飛び込み、会社を大きく成長させてきました。自ら立ち上げた企業を軌道に乗せ、飛躍させる中で、高島氏は「情報」をどう効果的に活用してきたのでしょうか。若きベンチャー経営者の独自の情報論を伺いました。
後編はこちらからどうぞ>>

重視しているのは「感じる情報」
──経営者として最も重視している情報は何ですか?

高島 お客様から寄せられる声ですね。カスタマーサポートに届けられる声はもとより、私自身が月に1、2回のペースでお客様のお宅に伺って直接お聞きする話は、非常に貴重な情報であると考えています。

 もう一つは、「現場」で得られる一次情報です。スーパーマーケット、デパートの地下食品売り場、あるいは生産者さんが働く現場。そういった場所にできるだけ足を運んで、空気感や変化などを常に自分自身で確認することにしています。

 私は、情報には「知る」側面と「感じる」側面があると考えています。私が特に大切にしているのは後者です。情報を心で受け止めることによって、優れたアクションが生まれると考えるからです。例えば、「お客様からこんなお叱りを頂いた」という情報を人づてに聞いた場合と、直接お客様にお会いして話を聞く場合とでは、情報によって生じる感情が大きく異なりますし、それがその後のアクションのクオリティを左右します。表層的な情報だけを基にして起こしたアクションは、あまり効果的なものにはなりません。しかし、心でしっかり感じた上で行動を起こせば、確かな結果に結びつくことが多い。私はそう考えています。

情報は「収集しないこと」も大切
──メディアの活用についての方針はお持ちですか?

高島 メディアからの情報は、収集すること以上に、「収集しないこと」が大切だと考えています。自分の会社にとって必要でないと思われる情報はあえて収集しない。そう明確に決めたうえで、有用な情報だけに注目するようにする。そうすればおのずと、密度が濃く実用的な情報が集まるようになります。「いろいろなことを薄く知る」というスタンスでは、ビジネスでは絶対に勝てないと思います。

 では、必要な情報とは何か。私にとってそれは、先に申し上げたような「確かなアクションに結びつく情報」です。当社のような小規模な会社の場合、戦略に関する選択肢は、実はそれほど多くありません。しかし、戦略を実行に移す段階では、様々なやり方があり得ます。より効果の高いアクションを実行するための情報、目標を確実に達成するための情報、方向性を迷わせるノイズとならない情報──。それが私にとっての「良い情報」です。

 例えば、読書に関しても、いい内容の本だと思ったら、その内容を基にして必ず最低一つはアクションを起こすことに決めています。単に「面白かった」「ためになった」といって終わるのではなく、その本に書かれていることの中で自分の会社でできることを、とりあえず一つやってみる。そうすれば、「このやり方は時期尚早だった」とか「うちの会社にも意外にハマった」といったことが具体的に見えてきます。それがスキルとして蓄積していくわけです。 【後編に続く】

後編は、高島氏の愛読する『日経ビジネス』を活用した情報編集法などを分かりやすくお伝えいたします。
後編はこちらから

1973年神奈川県生まれ、東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻修了後、マッキンゼー東京支社に入社。2000年5月に退社し、「一般家庭での豊かな食生活の実現」を企業理念とするオイシックスを設立。代表取締役社長に就任する。07年、世界経済フォーラムが選ぶ「ヤング・グローバル・リーダー」の150人に選出されたほか、優れた起業家に贈られる「DREAM GATE AWARD 2007」や、企業家ネットワークの「企業家賞」なども受賞している。

インタビューバックナンバーはこちらから

・若手経営者の情報収集術(前編)
・若手経営者の情報収集術(後編)
・ベテラン経営者の情報収集術(前編)
・ベテラン経営者の情報収集術(後編)

@niftyスタッフが薦める定期購読のお申し込みについて

定期購読するともれなくアクセスできる 先取りで日経ビジネス最新号が読めるデジタルマガジン!

パソコン上でも“ページをめくる感覚”で読める「デジタルマガジン」。月曜日発行の日経ビジネスを、前週の金曜日早朝からで公開いたします。全ての記事(※)を、1週間に渡りご覧いただけます。紙だけではない「日経ビジネス」。情報収集力がさらに高まります。
(※)日経BP社著作権記事に限ります。

ページをめくる感覚で「最新記事」が読める!

まずはサンプルをお試しください。デジタルマガジンを読む【無料】

日経ビジネス

日経ビジネス

推奨環境(ブラウザーのバージョン)
Microsoft Internet Explorer 7、Mozilla Firefox 2.0以降、Apple Safari 3.1以降

上記以外のブラウザーでは、文字サイズが変更できない場合がございます。

環境依存文字については、正しくご利用いただけない場合がございます。

「スケジュール調整機能」は、Safari 2.0では動作いたしません。