• @niftyビジネス > 
  • あなたの職場もハッピーに! メンタルヘルスのススメ〜東京大学准教授 島津明人氏に聞く!〜(前編2)

powered by 富士通ソフトウェアテクノロジーズ

メンタルヘルスのススメ(前編)〜東京大学准教授 島津明人氏に聞く!〜

「ワーク・エンゲイジメント」を高める「個人資源」とは?

--「個人資源」とは、具体的にどういうものか教えてください。 「ワーク・エンゲイジメント」を高める要素のひとつ、「個人資源」とは、心理学の用語で、「その人の中にあり、心理的なストレスを軽減したり、モティベーションを向上させるための、原動力となる要因」を指します。

これには,楽観性(ものごとに対する楽観的な見方)、自尊心(自分自身を大切に思う気持ち)、自己効力感(ものごとに向き合うときの自信)な どがあります。

中でも、経験を通じて比較的アップさせやすいのが自己効力感です。自信がある(自己効力 感が高い)人は、前向きに新しいことにチャレンジした結果、新しい人間関係を築き、新しい技術を学びますよね。すると、ますます仕事が楽しくなり、活力を得て、活き活きしてくる。この「自己効力感」を高める最も大きな原動力は、どんなに小さくても、自分自身で成功した体験を持つことなんです。それが、次の自信につながる。このほかにも、ロールプレイやシミュレーションなどを通じた代理体験も大事ですし、その道のプロである上司から、言葉で褒められる「言語的な説得」なども有効だと言われています。

--「個人資源」を手軽にアップさせる方法はありますか? あります。例えば、「スモールステップ」と言われるもの。これは、小さな目標を順に達成しながら、大きな目標を達成することを指します。ほかにも、「できなかったこと」より「できたこと」に、より注目する方法などもありますね。また、これは、企業のメンタリングやブラザー制度でも応用されていますが、「自分よりも少しキャリアが上の人をモデルに設定する」のも効果的です。モデルを設定するメリットは、「どういう頑張り」が「望ましい結果」につながっていくかがわかる、という点にあります。

このように、「個人資源」の充実は、「ワーク・エンゲイジメント」を高めたり、「バーンアウト」を低めたりする上で非常に有効なのです。

「ワーク・エンゲイジメント」を高めるツールとは

図式:いきいき元気アップ --「個人資源」をアップさせるツールについて教えてください。 「個人の資源」、そして「仕事の資源(組織資源)」を高められるツールを開発するため、2006年、富士通ソフトウェアテクノロジーズと東京大学が産学共同の「活き活きプロジェクト」を立ち上げました。その中で生まれた、コースウェア「いきいき元気アップ」についてご紹介しましょう。

これまで、ストレスを減らす方法としては、認知療法や認知行動療法などのスキルを提供することが大半でした。これはこれで、確かに重要なんですが、さらに発展的な内容を、個人向けのeラーニングツールに含める必要を感じまして、「いきいき元気アップ」には、以下のふたつのコースを加えてあります。

ひとつは、「コミュニケーションスキルアップ」です。働 く人のストレスの原因の多くは人間関係によるもので、ストレスの大きな要因は、コミュニケーションのあり方にあります。このスキルを向上させることで、仕事に関する自信アップを図る、というものですね。もうひとつは、「仕事のパフォーマンスアップ」です。これは、文字通り効率を上げ、仕事の自信アップに直接貢献する内容になっています。すでに仕事をしている人には、このコンテンツを楽しんでもらうために、業務効率がアップできるという点を特に強調しておきたいですね。
このように、ツールを使ってもらうことで、ストレスの軽減だけにとどまらず、パフォーマンスアップも同時に進める。その結果、仕事に対する自信を高め、最終的に健康状態もよくなり、仕事のやる気も上昇する……そこにつなげたいですね。

--「いきいき元気アップ」の具体的な特徴とは? ひとつは、「軽さ」です。分量が非常に少なく、いずれも10分〜15分ぐらいで学習でき、日常生活の中で応用してもらえる造りとなっています。次に、入力した結果を印刷して手元に残せるということ。次に、コンテンツを自己選択できる点でしょう。今回は6つのコンテンツを自由な順序で勉強でき、自身で選択できるんですが、勉強する内容やその順序を自己選択できる場合には、学習へのモティベーションが長続きしやすく、学習効果も高いことがわかっています。最後に、専門用語の羅列を避け、事例を多くするとともに、勉強した達成感を持ってもらうために、ひとつのコンテンツには、意図的に専門用語をひとつかふたつ散りばめてあります。ちなみに、「いきいき元気アップ」は、実際に「個人資源」のアップに効果があった研修の内容をベースに開発しております。ぜひ積極的に試していただきたいと思います。

今回のまとめ

現代の、職場のメンタルヘルスを取り巻く状況では、今後「ワーク・エンゲイジメント」という新たな指標が重要視されるようになりました。「ワーク・エンゲイジメント」を高めるために、不可欠なふたつの要素「個人資源」と「仕事の資源(組織資源)」は、お役立ちツール「いきいき元気アップ」で気軽にアップさせることが可能です。

レポート後編
あなたの職場もハッピーに!
メンタルヘルスのススメ〜東京大学准教授 島津明人氏に聞く! 【後編】
2009年9月14日(月)は、これからの職場の取り組みや、その時自分が何をするのかなどを島津先生に聞いていきます!
レポートを読む >>
  • 島津先生
    島津先生プロフィール
    1969年福井県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程修了。広島大学大学院教育学研究科心理学講座専任講師、助教授を経て。東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野准教授。臨床心理士
  • 「@心の健康シリーズ」を提供しています。
    活気ある職場は働く人のココロとカラダが元気です!

    取材協力:富士通ソフトウェアテクノロジーズ
    さらに詳しくはこちら

<<前へ 1 2 次へ>>