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店頭からバターが消えた!バター不足の原因とは?
店頭からバターが消えた!バター不足の原因とは?
更新日: 2008年05月30日

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料理をする人には深刻な、そうでない人にも気になる、国内のバター不足が解決されずにいる。

バターの品薄状態は昨年末頃から続いてきた問題だが、農林水産省による大手メーカーへの在庫放出要請も効果は見られず、その一方で、飼料高騰を理由に値上げが相次ぐ。

というか、店頭から次々と消えていて今や入手困難な状況なのだ。

店側でも買い物客に「お一人様1点限り」といった購入制限を設けたり対策を採るが、商品があるお店はいい方で、入荷が無いか入荷してもスグに売り切れてしまい、一般消費者には商品が手に入らない状況だ。

また業務用バターは何とか確保されていると見られていたが、昨日のニュースによると浜松市の名菓「うなぎパイ」がバター不足により減産を余儀なくさせれているという。

このバータ不足の原因はなんだろうか?
G-Searchが提供する新聞・雑誌記事横断検索を使い調べてみた。

●バター不足の原因とは

バター不足の原因には一言では言い表せない複雑な要因が絡みあっている。新聞記事などから経緯を詳しく調べると、次のような連鎖的な要因があるようだ。

1.中国・ロシアなどの経済発展により国際的にバター消費量が増加。
  日本への輸入量が減る。

2.06年には乳製品輸出国である豪州が干ばつに襲われる。これで乳牛の飼料が不足
  し搾乳量が激減。EUでも輸出奨励措置を縮小し、輸出量を大幅に減らした。

3.輸入量の低下から、菓子や製パン業者が国産バターに注目。
  家庭用のバターが業務用に購入される事で、一般家庭向けバターが不足する。

4.世界的な資源価格高騰により飼料価格が高騰。
  酪農家が経営難から減りバターの原料となる生乳生産量が減少している。

5.バター用の生乳は牛乳向けに比べ安く(*1)、酪農家の経営難の中、バター用が
  増えても売り上げの大きな伸びは期待できず、生乳生産量が伸びずらい。
  *1バター用は一キロ当たり約六十円。牛乳用は同約百円

これらが相まってバター不足が起きているというのだ。

●農水省が減産を主導

世界的な資源価格の動向の影響は大きいが、そもそも、バター原料である国内産生乳不足のきっかけは2年前のある出来事にあるようだ。

2006年3月末に、北海道で900トンもの生乳が廃棄されたのだ。

これは、全国的な牛乳の消費低迷で生産調整が行われたためだ。通常、余剰乳は長期保存できるバターや脱脂粉乳の生産に回されるが、バターも当時、すでに過剰在庫状態にあり、製造工場の処理能力も限界に達していた。

生乳が廃棄されたニュースは全国へ広がり、社会問題に発展した。

そこで農水省は、生乳生産量の削減を主導、業界では06年度の生産目標を前年度の3%減とした。一部の乳牛は食用に回され、同年度の生乳生産量は前期比97・5%まで縮小した。

だが、牛乳消費の減少は毎年3%づつ進んでおり、再び余剰乳が発生すると見られた。

そこで生産者団体のホクレンは国産チーズ工場の建設を呼びかけ、大手乳業メーカー3社により実現した。工場は昨秋より稼動しており、酪農関係者は「チーズ向けを優先する必要があった」という。

先に紹介したバター用の生乳と牛乳用の格差もあり、メーカーは牛乳やチーズの注文に応じた残りをバターに振り向けている状況なのだ。

こうした中で、世界的な需要の変化が思わぬ事態を招き、需要が増える反面、供給が減るという悪循環に陥ったのだ。

●長引きそうなバター不足

こうしたバター不足を受け、4月末に若林正俊農林水産大臣は、乳業メーカーに対し、「バター増産」を要請したと発表した。

5月は家庭用バターの月間消費量の2割に相当する230トンが増産され、農水省は「これで店頭からバターが消えることはなくなる」と安堵するが、乳業メーカーは「5月は増産するが、6月以降は未定」のスタンスだ。

一方で生乳の増産には、仮に乳牛を増やしても2年程度かかると指摘されている。

業務用のバター不足は解消傾向にある記事も見られたが、一時的な対応だけでは一般消費者向けの品不足の長期化は避けらそうになく、一部では06年の減産指導をした「農水省の政策判断ミス」との声も上がっている。

この状況下、乳牛にあたえる飼料価格の高騰で、廃業に追い込まれる酪農農家も増えている。4月から牛乳が値上げされたがそれでも赤字は膨らむ一方という。

生乳は引っ張りだこなのに、酪農家の経営状況は厳しくなる一方。
こうした状況に好転が見られないかぎり、バター不足の解消は遠そうだ。

(text by や)

【関連リンク】

牛乳に相談だ - 中央酪農会議サイト

日本酪農乳業協会 - 牛乳、乳製品や消費動向調査

G-Searchの「新聞・雑誌記事横断検索」は、最長1984年からの新聞記事を収録し、手に入り難い過去の新聞記事検索に最適です。本コラムはこのサービスを使い執筆されています。

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