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UBIC 企業不正の調査に特化
更新日:
2008年02月21日
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「危機のハイテク」迅速にデータ分析
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フォーバル大久保会長(以下、大久保):コンピューター・フォレンジックとは、どのような技術ですか
UBIC守本社長(以下、守本):情報漏洩や公文書偽造、不正会計といった企業でおこりうるあらゆる不正を、コンピュータやサーバに保存されている電子データを収集・分析して法的証拠作成・開示する技術です。
大久保:国内外における市場規模は
守本:アメリカでは、2001年のエンロン事件を機に需要が急増しました。2007年は2600億円、2011年には5200億円。日本でもライブドア事件以降注目が高まり、2010年には300億円まで拡大すると予測されています。
大久保:起業のきっかけは
守本:外資系半導体装置メーカー勤務時代に知り合った母校の先輩から、コンピューター・フォレンジックを紹介されたことです。当時、日本企業が訴訟に直面すると、訴訟用証拠を作成するノウハウや設備がなかったこともあり、電子情報を取り扱うのは海外の事業者しかありませんでした。このままでは、訴訟が発生するたびに海外の事業者によって大事な情報を国外に持ち出されてしまいます。一刻も早く、日本企業の情報が、日本の法律支配下で日本企業により保護・処理される体制を確立しなければならない。危機意識にかられ、起業を決意しました。
大久保:競合他社はいないのですか。
守本:現在、国内にはまだいません。よくインターネット・セキュリティを手がける企業と比較されますが、当社のコンセプトは訴訟時や不祥事発生時における危機に対応するためのハイテク技術であり、いわばITは手段にすぎません
。 大久保:海上自衛官ご出身とのことですが、御社の事業に通じる点はありますか
守本:守るものが国家と企業という違いはありますがダメージコントロールという観点が共通しています。当社でたとえるなら、企業が訴訟や内部不正により受けるダメージを、迅速な危機対応により最小限に食い止め、企業の事業継続性を保持することで、訴訟を起こす側や内部不正を企てるものに対する抑止力とするところです。
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大久保:不正調査の依頼は、どのようにくるのですか
守本:社内外からの告発を受けて、「社員が情報を漏洩したかもしれないので、パソコンの中身を調べて欲しい」という内容が多いです。 大久保:調査を終えるまでの期間は
守本:調査依頼を受けたハードディスクの容量にもよりますが、たとえば情報漏洩に該当するデータの有無は2日間もあれば探知できます。専属のフォレンジック技術師とコンピュータ・フォレンジックラボ(電子データ解析室)を擁していますので、1カ月間にパソコン約400台のデータ処理が可能です。
大久保:処理できるもの、できないものは
守本:パソコンのeメールやWebアクセス履歴は、一度削除しても必ず復元できます。ただ、水没したり破損したりといった状態のハードディスクの調査は困難です。企業は、社内に対する抑止力として事前調査を告知することが多いそうですが、かえってマイナスに働いていると推測されます。
大久保:昨今企業の不祥事が目立ちますが、内容そのものよりも、むしろ初期対応の失敗から信頼を失った企業も少なくありません。 守本:問題が発覚したら、迅速に情報を開示すべきですが、関係ないものまで必要以上に開示する必要はありません。自社の正当性を主張し風評被害を払拭するためにも、調査や情報の選別、マスコミへの対応も含めて慎重を期することです。
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大久保:人材育成は
守本:この業界は国内でまだ確立されていないため、経験者はいません。問題解決能力が高い人材を採用し、当社で育成しています。当社では、コンピューター・フォレンジックの技術者養成事業も手がけています。
大久保:コンピューター・フォレンジックの有資格者は、国内に何人いますか
守本:明確な数字は不明ですが、まだ100人には至っていないのではないかと思います。警察のハイテク捜査官や企業の内部監査担当者、あるいは私のような調査業務に携わる方が取得しています。
大久保:新司法試験の実施により急増した弁護士が、試験合格後も弁護士の業務に就けない「2007年問題」が深刻化しています。危機意識を持った一部の弁護士は、プラスアルファのスキルを身につけようと努力していますが、フォレンジック技術を取得できれば、企業の顧問弁護士に就任する際に大きな武器となります。
守本:アメリカでは、電子データを収集・分析するチームを持つ弁護士事務所も少なくない。所属弁護士は彼らと連携して、企業不正を迅速に解決しています。日本も、早急に同様の体制を整える必要があります。
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大久保:海外戦略は
守本:アメリカに子会社を設立以来、同国からの案件が増えています。日本人特有のきめ細かさと迅速な対応ぶりは、この分野に向いている。大手の競合他社とも勝負になると自負していますし、実際に「勝った」事例も増えています。
大久保:アジア、ヨーロッパはどうか
守本:中国からの依頼が増えているので、拠点設置を視野に入れた本格的な進出を検討しています。その後はイギリスやフランス、ドイツにも進出を図ります。
大久保:5年後、10年後の将来像は
守本:リスクマネジメントにおける「トヨタ」を目指しています。当社がサービスを提供した企業は一様に安心して事業活動ができ、また企業価値も向上する。私は、いずれそうなると信じています。
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(対談を終えて)
昨年は、「偽」の一字に象徴されるように、多くの企業で不祥事が発覚しました。不正内容はもちろんですが、発覚後の有事の対応如何によって、経営者や企業の器が問われるもの。「何か問題がおこってから」では、手遅れです。これからの企業は、財務内容やビジネスモデル、顧客満足度だけでなく、危機意識の高さもまた重要な評価対象となります。自社の付加価値を向上させ、株主や顧客の信用を維持するためにも、コンピューター・フォレンジックのような専門技術は、今後注目すべきでしょう。(大久保)
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聞き手:大久保 秀夫《おおくぼ・ひでお》
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1954年生まれ。国学院大卒。アパレル関連メーカーを経て、80年新日本工販(現フォーバル)を設立、社長に就任。利用者にとって最も安い通信事業者を自動的に選択するアダプター「NCC BOX」をソフトバンクと共同で開発。電電公社(現NTT)が独占していたビジネスフォン市場に風穴を空ける。88年社団法人ニュービジネス協議会主催による第1回アントレプレナー大賞受賞。05年より現職。著書『武士道に学ぶビジネスマン48の心得』(東急エージェンシー)、『やり抜けば仕事は必ず面白くなる!』(かんき出版)。東京都出身。
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(フジサンケイビジネスアイ 2008年2月11日掲載)
(ベンチャーファクトリーニュース 2008年5・6月号掲載)
- 守本 正宏 社長《もりもと・まさひろ》
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1966年生まれ。防衛大学校卒。6年間海上自衛官を務めた後、アプライド・マテリアルズ・ジャパンを経て2003年に米国ICS社とフォレンジック・ツールの独占販売権を契約しユニバーサル・ビジネス・インキュベーターズ(現UBIC)を設立、代表取締役社長に就任。現在に至る。大阪府出身。
- UBIC(マザーズ2158)
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アドウェイズ(マザーズ2489)
▽住所=東京都港区港南2-12-23 明産高浜ビル7階
▽電話番号=03-5463-6344
▽設立=2003年8月8日
▽事業内容=コンピューター・フォレンジックサービス事業など
▽資本金=4億4519万円 (2007年7月末現在)
▽業績=売上高4億8100万円、経常利益1億4400万円(2007年9月期)
情報漏洩などの調査や訴訟における証拠開示をコンピューター・フォレンジック(電子データに対する科学捜査、鑑識)という技術を用いて行なう。取引先は、民間企業や自治体など約180に及ぶ。
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