ゼロからのスタート、2ヶ月間での起業

慶應義塾大学大学院教授
公認会計士。須藤実和氏
──まずは、アゲハさんの木下さん、田中さんのお二人と、須藤さんの関係から教えて頂けますか?
木下(以下:木)先生と生徒ですね。働く女性として一番尊敬する方でもあり、プライベートでもビジネスでも大学でもお世話になっている先生です。
──須藤先生の関わっているゼミについて教えて下さい。
須藤(以下:須)財務・ビジネスプラン構築技法のゼミです。私の場合、学術的なバックグラウンドで教えているのではなく、実際にベンチャーキャピタルに在籍した経緯などから、ビジネスのアドバイスをしてきました。起業したい人たちをサポートしたいという思いも強いので、起業を目指す学生に集まってもらえるのかなと思います。木下さん、田中さんともそこで出会いました。
──起業しようと思ったきっかけと経緯を教えてください。
木:大学4年生の時、須藤実和先生のゼミで、自らのビジネスアイディアを発表して、その後半年間ビジネスプランを構築したのですが、最終プレゼンの時に「これ、いけるよ!誰かやらないの?」と先生に言われたのが起業を考えるきっかけとなりました。インターネットを活用してユーザー主導で製品開発を行うと言うビジネスプランで、現在のアゲハのビジネスモデルの前身となりました。アパレルなどの身に着けるモノを作るビジネスにおいて、ユーザーとメーカーが一緒に商品企画が出来る「仕組み」を作ることで、日本の消費者の感性とメーカーの技術力を活かしたモノづくり基盤を確立したい、また「大学から世の中に対して具体的な価値を提供したい」という思いがあったんです。
──実際に起業のために動き始めたのはいつ頃からですか?
木:具体的に動き始めたのは2008年2月です。その時、田中に「一緒にやらない?手伝ってよ。」と話して一緒に動き始めました。最初に、バッグ作りから始めたのですが、工場をどうやって探していいのかも分からないし、お金も全くありませんでした。でも、何とか2カ月間で資金を集め、工場を探して、2008年4月1日に起業することができました。
飛び込み営業して門前払いされたことも。
──昨年4月に起業から1年が経ちましたが、苦労したことはありましたか?

株式会社アゲハ
代表取締役 木下優子氏
木:最初にサンプルを作る時、電話帳で調べた工場へ連絡したのですが、何を聞いていいかもよく分かりませんでした。「とりあえず、会社作ってデザインができてから出直して来なよ」って感じで帰されて…。アイデアがあっても、作る人にうまく伝える方法を知らなかったんですね。実際にモノを作ってもらうには、デザイン画だけではダメで、きちんと仕様書に落とすということを知るまでに時間がかかりました。
それに、良いモノができたとしても、その「モノ」を売るところを探すのにも苦労しましたね。色々な所に飛び込み営業して、よく門前払いされました。大手量販店さんに気に入っていただけたのが昨年秋。そこで問屋さんを介して取引する際に、最初に発注して頂いた数を作っていたら、納品の直前になってその4分の1でいいって言われちゃって…。
その時は資金難だったので、さすがに「やばい!」と思いましたね。その時、起業がいかに大変かということが分かりましたが、なんとか無事に乗り切れたので今では良い思い出です。
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