ボスコーポレーションCOO 中上廣志氏に聞く

ボスコーポレーションCOO
中上 廣志氏

「中小企業でも、内部統制が求められる時代がくるはず」と語るのは内部統制システム構築支援などを手がけるボスコーポレーション(東京都中央区)の中上廣志COO(最高執行責任者)。内部統制の今後の傾向や中小ベンチャー企業が準備すべき点について、同氏より話を聞いた。

今後の組織運営がより円滑に

「内部統制元年」の幕開けに当たり、会計年度が始まる直前まで報告書の作成に追われる経営者は少なくなかった。業界トップを誇り、業績も好調な企業でも「なんとか間に合いました」というのが現状だ。

だが「今後は、上場企業だけでなく、未上場企業にもその波は押し寄せてきます」と中上氏。現在未上場企業は金融商品取引法24条に基づき対象範囲は財務に関連する分野だけにとどめられているが、今後は会社法とも関連付けられ、企業全体の運用の透明性を示す内部統制が求められるという。

「業務プロセスのすべてに証憑(しょうひょう)をとり、確認・検証・承認のフローまでつまびらかにしなければなりませんから、コストも時間もかかります。ですが、現在未上場であっても、上場を目指す企業であれば内部統制は行った方がいい。経営の透明性を内外に示す好機となるだけでなく、業務マニュアルを作成することになるので今後の組織運営がより円滑になります」と、中上氏は話す。

上場企業が顧客なら なお注意

また「上場はまだ先」と考えている企業も、内部統制の対象外とはいえない。上場企業の内部統制の評価対象となる業務を請け負っていれば、日本会計士協会 監査基準委員会報告書第18号「委託業務に係る内部統制の有効性の評価」により、受託業務に関する内部統制の整備や文書化が必要となる。プライバシーマーク制度の施行後に、自治体や民間企業の委託先選定基準に同制度の取得が半ば必須条件となっているように、内部統制への取り組みもまた上場企業のビジネスパートナーに選ばれるための必須条件となりつつあるのだ。

内部統制導入の第一歩として

ボスコーポレーションが提供する『プチ内部統制チェックシート』

とはいえ、成長途上の企業は、いきなり上場企業並みに数千万円も投資できない。そこで、ボスコーポレーションがすすめるのが「プチ内部統制」だ。これは同社が内部統制導入の第一歩として作成した内部統制ガイドラインで、チェック項目は50以上にも及ぶ。

最初は不備が多く見られるかもしれないが「上場企業でさえ、最初のうちは、当社の策定した139項目のうち50項目は不備となります。ですから『不備が出てしまった』ではなく『この不備を直せば会社がよくなる」と前向きに捉えて欲しい」と中上氏は言う。内部統制文書自動作成ソフトを法人向けに開発した同社では、コンサルティングなども含め、数十万円からの低価格で柔軟に対応する。

内部統制の文書化には最低でも1年以上時間がかかる。「上場が見えてきたから内部統制にも取り組もう」ではもはや遅い。むしろ「内部統制を手がけたから、安心して上場できる」という発想の転換が、今ベンチャー企業の経営者に求められている。


中上廣志(なかがみ・ひろし)

1963年生まれ。1987年福岡大学卒業後、化粧品メーカーをはじめ複数の現場で営業職を経験。2006年ボスコーポレーション取締役に就任。「攻めの内部統制構築」を掲げ、現場に即した、効率的且つ有効性がある内部統制を目指す。大阪府出身。

ボスコーポレーション

会社所在地=東京都中央区
設立=2007年11月9日
資本金=1000万円
問い合せ=03-3667-1311(代表)

(ベンチャーファクトリーニュース 2008年7・8月号掲載)
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