Jファクター代表 佐久間 涼氏

ところが、話を中小企業の主たる資金調達方法となる「間接金融」に目を向けると、不動産担保主義、保証人主義で横並び。選択肢は非常に少ない。

この状況を、ジャスダック上場のT・ZONEホールディングスグループ中核のJファクター(東京都中央区)の代表を務める佐久間涼氏は、「日本の間接金融は米国と比べ35年も遅れている。このままでは日本の経済が駄目になる。我々が手掛けている動産担保融資(Asset Based Lending、以下ABL)で日本の中小企業に資金調達の新たな流れを創り出したい」と語る。

売掛債権など動産を担保評価

ABLの特徴は、「不動産担保にも保証人にも依存しない」米国生まれの融資制度であることだ。では何をもって評価を行うのか。正式名称である「動産担保融資」の名の通り、売掛債権や在庫、機械設備など流動性が高い動産を担保評価し融資を行う。

従来の方法よりも、企業や事業の価値そのものに注目し評価する手法である。そのため、不動産担保は乏しいが事業拡大や季節変動によって資金調達ニーズが大きい中小・ベンチャー企業でも、自社の規模や収益性に応じて柔軟な資金調達が適正金利にて実行可能。またABLを活用すると、在庫をいち早くキャッシュに転換できるため、キャッシュフローが好転すると一般的には言われている。

国も普及活動に意欲的だ。動産を活用した資金調達を活性化させるため、2005年10月より「動産・債権譲渡登記制度」を開始。2007年6月には、経済産業省によりABL協会が設立され、都銀や地銀、ベンチャーキャピタル、リース会社など70社以上が結集した。

また農林水産省が、ホームページで農林漁業者向けに、牛や豚、野菜など生産物を担保に資金を調達するケースを紹介するなど、利用用途も広がっている。

Jファクターの実績には、「肉」を担保に融資を実施した例もある。

大手食品加工メーカーにお中元やお歳暮用の冷凍肉を卸す卸業社Aは、豪州や米国から仕入れた肉を、メーカーに納品するまで数ヶ月間保管していた。業界の商慣行とはいえ、仕入れてから納品までの期間は資金を寝かすことになってしまい、次の商品を仕入れることが出来ないという課題を抱えていた。