全国の図書館から簡単に蔵書を検索できるサービスとして話題を呼ぶ「カーリル」が新たな取り組みとして、米Apple(アップル)のタブレット型コンピュータ「iPad」を図書館に導入する実験を始める。

5月28日から約3カ月間、岐阜県の図書館で、一般の利用者がiPadからカーリルを利用して館内の本を探したり、電子書籍を読んだりできるようにする。

カーリルは、全国の公立図書館や大学図書館、4300館以上の蔵書情報と貸し出し状況を調べられるサービス。書籍の題名などに続けて地名を入力すると、その場所から近い図書館を自動で検索できる。地図上から図書館の所在地も調べられる。これに加え「Amazon.co.jp」が販売する書籍も同時に検索するため、図書館にない作品も見つかる。

検索結果から見つけた書籍の情報は個人用のリストに登録して、あとから印刷したり携帯電話に転送したりできる。2010年3月のサービス開始以来、利便性の高さからネット上で大きな注目を集めている。

カーリルを開発した吉本龍司氏は岐阜県の中津川市在住。新たな実験では、同市にある坂下公民館図書室にiPadを設置する。このiPadでは、カーリルをもとに吉本氏が機能を拡張したシステムを使って、館内の蔵書を検索できる。また著作権の消滅した名著などを電子書籍化している「青空文庫」の作品も閲覧できる。

実験では、耐久性や盗難防止対策などiPadを図書館に置く場合の課題を検証するほか、蔵書検索システムと電子書籍の統合方法を模索する。実験の結果は、全国の図書館や出版社、図書館向けのシステム開発企業と共有し、図書館と電子書籍の関係について議論していく考え。