2010年1月12日に中国での検閲中止を発表し、現地からの撤退もにおわせて注目を集めている米Google。しかし同社の中国におけるインターネット検索サービスは成長を続けており、前年末時点で市場シェアを4割強に拡大していたことが分かった。欧州の調査会社などは、Googleの「中国撤退」という示唆は、市場での勢力関係とは無関係と指摘している。

アイルランドのStatCounterが1月13日にまとめた中国ネット検索市場の統計によると、過去半年間でシェアトップの中国Baidu(百度)と2位のGoogleとの差は急速に縮まった。2009年7月時点でBaiduのシェアは68%、Googleは30%だったが、12月時点にはそれぞれ56%、43%に接近した。

Googleのシェアは2009年8月に30%を下回ったものの、9月は33%に持ち直し、その後も増加を続けた。一方でBaiduは8月に70%を超えていたが、以降は縮小が続き、11月以降は60%を割り込んでいる。また12月末時点における米Yahoo!と米Microsoft(Bing)のシェアは合計1.18%。中国に進出した検索サービス大手の中でも、Googleは突出した強さを見せる。このことからStatCounterの最高経営責任者(CEO)Aodhan Cullen氏は「Googleの最近の好調からみて、中国から撤退するという脅しの裏にある理由が市場シェアでないことは明らかだ」と述べている。

Googleは2010年1月12日、中国向け検索サービス「Google.cn」の方針を見直し、検索結果の検閲を取りやめると発表した。米メディア大手のCNNなどは、すでにGoogle.cnでは過去には見られなかった「天安門事件」などの画像が閲覧できるようになったと報じている。

Googleは現在、中国政府との間で法律の範囲内で検閲なしの検索サービスを続ける可能性について話し合っているという。同社の最高法務責任者(CLO)David Drummond氏は公式ブログを通じ、「この件で、Google.cnと我々の中国オフィスを閉鎖することになるかもしれない」と述べた。

Googleによると、2009年12月からWebメール「Gmail」を利用している中国の人権活動家のアカウントなどが攻撃を受けた。Googleは攻撃がどこから行われたか断定はしていないものの、「ネット上の言論の自由を制限する試み」に明白に結びついているとし、このことが検閲の廃止と、中国からの撤退の検討を決断させたとしている。