「デジタルアイデンティティー」とは何か?
本連載も今回で最終回。連載中にも、ソーシャルメディアと社会の関係には様々な変化がありましたが、今後も変わり続けていくでしょう。「ソーシャルメディア上のあなた」と「現実世界のあなた」をいかに近づけていくかは、ソーシャルメディアによって、あなたがいかにメリットを受けるか、ということに直結しています。
さて、最終回のテーマは「デジタルアイデンティティー」について。
まず、タイトルになっているデジタルアイデンティティーという言葉。読んでそのまま訳せば、「デジタルの個性・身元・自分らしさ」という意味。欧州ではePortfolioいうキーワードもあり、こちらはデジタル履歴書的な意味合いになりますが、デジタルアイデンティティーはそれも含む「デジタル上に記述されているあなたの情報」のことを指します。
例えば、Facebookのページを開けば、その人の顔、出身校、職業、趣味、興味・関心に加えて、共通の友人などが表示され、「あなたはその人をリアルに知っているか」「あなたはその人とつながるべきか」といった豊富な判断材料が提供されます。
もし、プロフィールが充実していない上に、顔写真ではない画像がプロフィールに設定されていたら判断材料にはならず、「名前は知っている気がするけど、このプロフィールの人は本当にその人なのか?」と悩ませてしまうかもしれません。
デジタルアイデンティティーは、デジタルスペース上で「あなた」を証明する役割を果たし、コミュニケーションを取っている相手、あるいはこれから取ろうとする相手に対し、信頼感を持って接することができるかどうかの最初の情報提供になるのです。
Facebookでの例を続けましょう。つながった後も、特に趣味や興味・関心の記述の充実が、あなたにチャンスを与えてくれるかもしれません。
例えば、友人があるテーマのイベントを企画するとします。できればそのテーマに興味がある人だけを誘いたい――。その時、彼とそのことについて話をしたことがある人なら、興味があることはすぐに分かり、イベントに誘われるでしょう。一方で、あなたがそのテーマに興味があっても、彼とその話をしたことがなければ、あなたが誘われるのは難しいでしょう。しかし、Facebookの興味・関心にテーマを入れておけば、それが判断材料になって、イベントに招待される可能性が高まります。
デジタルアイデンティティーは、リアルな「あなた・あなたらしさ」をデジタルで記述することはもちろんですが、現実に会話を交わしたことがない友人などにも、あなたの興味や関心を伝える、あるいは知ってもらう役割を果たしてくれる、いわば、あなたのアピールを手伝ってくれる存在でもあるのです。




