激変した女性の意識
──現在の「日経ウーマン」の読者はどのような人たちですか?
麓 ボリュームゾーンは、27歳くらいから33歳くらいまでの、いわゆるアラサーと呼ばれる年代の働く女性です。誌名に「日経」とついているので、バリキャリ(バリバリ働くキャリア女性)の読者が多いと思われているのですが、実はそんなことはなくて、事務職や営業職、企画職などに就いていらっしゃるごく普通の働く女性がほとんどです。
アンケートをとると、読者の皆さんは大きく2つの要望を持っていらっしゃることが分かります。一つは、やりがいのある仕事を長く続けたいということ、もう一つは、結婚し出産を経験して、幸せな家庭を築きたいということです。その2つの目標を成し遂げるために日々頑張っていらっしゃるアラサー女性。それが「日経ウーマン」の読者像ですね。
──創刊時から断続的にこの雑誌にかかわっていらっしゃいます。以前と比べて、読者はどのように変化していますか?
麓 雑誌の創刊は1988年ですが、創刊からの20年間よりも、この1年ほどの変化の方が大きいかもしれないと感じています。一昨年くらいまでは、将来のビジョンについて読者に尋ねると、「これから出会う男性次第です」といった答えも見受けられました。それが、昨年のリーマンショック以降、がらりと変わりました。国や企業やパートナーに守ってもらうのではなく、自分の力で生きていかなければならない。一生仕事を続けて、自分の足で歩いていかなければならない──。そう考える女性が目に見えて増えています。

──そういった女性の意識の変化に、「日経ウーマン」はどのような影響を与えているとお考えですか?
麓 女性の平均勤続年数はいまだに10年くらいで、多くの会社では、32、3歳まで勤めると同性の先輩がいなくなってしまうのが実情です。男性と違って、身近なロールモデルを参考にしてキャリアビジョンを組み立てていくことができないわけです。ですから「日経ウーマン」では、人生を自らデザインし自らマネージしている女性たち、読者にとってロールモデルとなるような女性たちを数多く紹介してきました。そういう記事によって、読者にいろいろな気づきを得てほしいと考えているからです。
そのような編集方針は確実にご支持いただいていますし、女性の意識の変化を促しているという実感も持っています。編集部には、月に1000通くらいのはがきが届くのですが、その中には、「あの記事で人生が変わりました」とか、「記事を読んで号泣してしまいました」といった声が少なくありません。私たちがつくったコンテンツが働く女性の実人生に寄与している。そう実感できた時は、この仕事をしていて本当に良かったと思いますね。








