放送作家はテレビ界のホスト

──放送作家という職業の存在は多くの人が知っていると思いますが、どのような仕事であるかはあまり知られていないような気がします。最初に、放送作家の仕事の具体的な内容について教えていただけますか。

鈴木 最も基本的な仕事は、テレビ番組の企画を考えることです。旅番組だったら、どこへ行くか。コント番組だったら、どんなコントにするか。そこを考えるのは、あらゆる放送作家に共通する仕事ですね。

しかしそこから先は、プロデューサーやディレクターと個々の放送作家との距離によってかなり異なります。プロデューサーが考えている世界観づくりを根本からサポートすることもあるし、企画のアイデアを出すだけということもあります。面白いことをゼロから考えてくれないかと言われることもあるし、ナレーションの原稿を書くことも、編集まで立ち会うこともあります。

僕自身、今20本近くの番組にかかわっていますが、番組ごとにすべてかかわり方は異なります。『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)では、コントの案出し、台本書き、「ビストロSMAP」のゲスト選びと、かなり細かいところまでやっています。ほかの番組では、番組のコンセプトを考えたりもするし、番組によってかかわり方は変わってきます。

つまりは、プロデューサーとディレクターが番組の監督で、それをアシストするのが放送作家ということです。それぞれの監督のニーズによって仕事の内容は全く変わる。そう考えると、不思議な職業かもしれませんね。

──テレビ番組のクオリティを決定するのは、やはり放送作家の能力なのですか?

鈴木 いや、プロデューサーとディレクターの力でしょう。放送作家をチョイスするのは、あくまでもプロデューサーとディレクターですから。放送作家になったら好きなように番組がつくれると思っている人もいるみたいですけど、作家はあくまでもサブなんです。使ってもらう立場なんです。

ニーズはその都度いろいろな形でやってきて、僕らはそれにしっかり応えていかなければなりません。放送作家は個性が強いと思われていますが、大切なのは、個性よりもいろんなニーズに自分を合わせていくことです。合わせられない人は、どんなに際立った個性や才能があっても使われません。だから僕はいつも、放送作家はテレビ界のホストだって言ってるんです。