テクニックよりも、どう物語を表現するか
――バレエをやろうと思い始めたのは、いつですか?
吉田 幼稚園の頃です。お友達が出演した発表会を見て“私がやりたいのは、これだ”と強く思ったことを今でも鮮明に覚えています。きれいな照明の下、素敵な衣装を身にまとって踊っている姿は、とにかく夢のようにキラキラしていて憧れました。
私の両親はバレエにはもともと縁のない人でしたが、バレエをしたいと強くせがみ続ける私の思いに応えて、まずはリトミック教室、そして9歳から週1回、放課後にバレエ学校に通わせてくれました。
その後、海外に出るきっかけとなったのは、高校生の時に参加したローザンヌ国際バレエコンクールでした。あくまで“後学のために”と出場したコンクールだったので、「ローザンヌ賞」受賞は、全く望外の出来事でした。その結果、世界中のバレエスクールのうち好きなところへ1年間だけ留学できる奨学生資格を得て、選んだ先が英国ロイヤルバレエスクールだったのです。
英国で、まず驚いたのは、日本との指導スタイルの違いです。日本で学んできたのは、ステップなどの技術を、手本に沿って理想の形に近づけていくやり方。一方、英国では、細かなテクニックのことはあまり言われません。そのかわり、作品や物語の場面ごとの展開のなかで、自分なりに、どう表現するかが常に問われました。初めは戸惑いましたが、同じストーリーでも、ダンサーによって思い思いの表現の仕方があると知って新鮮でした。











