「内向きの仕事は止めよう」──完璧主義から70点主義へ
総務部行政システム改革推進課の佐久間信哉課長
神奈川県の残業ゼロ革命では、年度ごとに実施する活動内容を具体的に決め、昨年12月から全庁102課のうち6課で先行的に試行をスタートさせています。(1月からは2課増えて8課で実施)
試行にあたっては、職員からなるプロジェクトチームの「中間報告」に記載された取り組み例等を参考にして、各課でそれぞれの仕事に応じた見直しを行っています。
「中間報告」に記載された取り組み例の一つが、「県民サービス向上に直結しない内向きの仕事の廃止・簡略化」です。“内向きの仕事”とは、上司への説明用や議会答弁に備えた大量の資料作成などを指します。こうした資料の作成におけるこれまでの傾向について、総務部行政システム改革推進課長の佐久間信哉さんは次のように語ります。
「これまでの事業の整合性を意識するあまり、過去の例やデータをすべて資料に入れ込もうとする職員がたくさんいます。膨らんだ資料は確かに完璧かもしれませんが、そこまでの分量は実質不要な場合が多く、分厚すぎて結果的に読んでもらえなくなりかねません」(佐久間さん)。必要以上の“完璧主義”が職員の勤務時間を長引かせる要因の一つになっていたのです。
こうした問題を解消するため、「中間報告」の取り組み例では資料作成について次のように記載しています。
○「完璧」ではなく「70点」で良しとすること
○既存資料の活用を徹底するほか、できる限り新たな資料作成をしない/求めないこと
○資料の余白に作成指示者の名前と作成に要した時間を明記すること など
特に3つ目に挙げた資料作成における作成指示者と時間の表示は、管理職の指示が適切だったのかを判断する材料にもなります。佐久間さんはペーパーレス化という副次的なメリットも指摘します。「県庁内で年間に作成するA4版の資料を積み重ねると、どのぐらいの高さになると思いますか。富士山8個分程度(約30km)に相当すると言われているのですよ。無駄な資料作成を抑制することは、紙の使用を減らすことにもつながるでしょう」。
また、庁内への照会には最大限庁内イントラネットを活用するよう求めているほか、「情報共有のためだけに会議を開かない」「手戻りが生じるような指示の仕方をしない」などの記載もあります。現在、職員から募集した「やってはいけない仕事のやり方」を収録した取り組み事例集を作成中で、事例集の周知を図ることなどで、仕事の簡略化を促進しようとしています。







