残業で疲弊していては先進的な政策は生まれない


総務部行政システム改革推進課の
佐久間信哉課長

2009年10月、神奈川県知事が残業ゼロの県庁を目指す「残業ゼロ革命」を宣言しました。全国の都道府県で初のこの試みは、各種マスコミに取り上げられたほか、県内外の自治体関係者からも大きな注目を集めています。


今の神奈川県知事は2003年4月に知事選に初当選し、現在2期目の松沢成文氏。2003年の選挙では、「NPO活動」「ベンチャー企業育成」「水源環境」「子育て・教育」「暮らし・安全」の5分野で神奈川県を日本一にすることをマニフェストに掲げ、2007年の選挙では、「公共的施設における禁煙条例(仮称)」をはじめとする先進条例「ローカルルール11(イレブン)」の制定等をマニフェスト「神奈川力全開宣言」に掲げて、県民サービスの質を高めるために強力なリーダーシップで県政を進めてきました。


例えば、新しい政策を提案した職員にポストや予算を任せる「職員提案事業制度」(マニフェストでは「県庁ベンチャー支援制度」)といった類例を見ない活性策を導入。庁内の反響は大きく、実施1年目は40件を超える提案があり、そのうち約2割が採用されました。


ところが活気づいたのはつかの間、提案数はだんだんと減ってしまいます。「自発的な提案が持続しなかった原因の一つは、常態化した長時間労働にありました。庁内の職員に疲弊感が募り、創造的なチャレンジ意欲がわかない状況に陥っていたのです」。総務部行政システム改革推進課長の佐久間信哉さんは、これまでの庁内の様子をこう語ります。


先進的な施策を実現し、県民サービスを向上させるには、まず県庁内の仕事のやり方を見直し、職員のワークライフバランスの改善を図ることが重要だ――。こうした認識が、今回の残業ゼロ革命につながったのです。