残業つづきの、報われない日々
― 小室さんにも、上手に時間を使えなかった時代があったのでしょうか?

(株)ワークライフバランス 代表取締役 小室淑恵氏
小室 ええ、ありました。以前に勤務していた化粧品会社で、社内ベンチャーで立ち上げた育児休業者職場復帰支援プログラムを軌道に乗せようと奔走していたときです。1日に50件以上の企業に営業電話をしてもアポすら取れない日が続き、自分の仕事は夜になってから。夜中の2時や3時まで、毎日のように残業をしていました。
― 夜中の2時ですか。それはとてもオーバーワークですね。
小室
誰よりも遅くまで働いているのに、なぜか上司には認められないし、結果も出せません。その頃は、育児休業者職場復帰支援プログラムのユーザーから問い合わせのメールが来たら、それが夜中でも、すぐに返信することにやっきになっていました。“ユーザーは私が夜中の3時に返信したことを感謝しているに違いない”と得意になっていたら、ふらふらの状態で返信したせいで誤字が多く、かえって怒られてしまったり…
(苦笑)。どこか空回りしていました。
― 体調を崩されたりしませんでしたか?
小室 体調よりも、精神面がつらかったです。頑張っても報われない苛立ちをぶつけるように、恋人に「私は、こんなにすごい仕事をやっていて、とても大変なのよ!」という話ばかりしてしまい、そのせいで彼の態度が冷え切ってきました。面倒くさそうな人からメールが来たり、気乗りがしない仕事を頼まれると、ついつい後回しにして、社内の人間関係まで険悪になってしまったんです。
― 「このままじゃいけない」と思ったきっかけがあったのでしょうか?
小室 あるとき、普段は早く帰る上司が、深夜に忘れ物を取りに職場に戻ってきたんです。「やっと遅くまで頑張っている私を発見してくれた!」と、私は褒められることを期待したのですが、逆に「おまえは毎日こんなに遅くまでやってるのか? 人に仕事を振ることもできないのか!」と、すごい剣幕で怒鳴られてしまいました。しかも、「おまえは悲劇のヒロイン気取りなんだよ」というとどめの一言まで!












