ウンチを手で触る──子どもとのかかわりの原点


子どものころはガキ大将。年少の子どもたちを率いて、遊びの中心になっていたという小崎さん。中学、高校時代には、ボーイスカウトなどのレクリエーション活動のお兄さん役。学校の授業では目立たなくてもキャンプでは一躍ヒーローになるような、そんな子どもたちの目の輝きが好きでした。「大好きな子どもたちとずっと付き合えるような仕事を」と目指したのが保育士です。


保育士時代に、オオカミの帽子をかぶって本気で子どもたちと鬼ごっこをした様子を再現してくれた小崎さん。子どもも大喜びだったという

こんなに子ども好きな小崎さんでも、自分の子どもの育児ではいくつもの壁にぶち当たったといいます。


小崎さんが育児休業を申請したときは、まだ誰もワークライフバランスという言葉すら知らなかった時期。小崎さんは、西宮市で育休申請をした初の男性職員でした。そのため、「制度としては男性も育休を取れるようになっているけれど、あなた、本気で取るつもり?」と職場の人々から好奇の目で見られたと言います。


それでも何とか育休を取得し、妻の育休期間が終わった後の3カ月間、長男の育児に挑戦。食事の用意から片付け、おしめ替え、掃除、洗濯と、まるで戦場のように忙しい毎日が始まりました。ところが当初、小崎さんにはどうしてもできないことが一つありました。


「ウンチの付いたおしめを手で洗うことが、どうしても抵抗があってできなかったんです」。おしめの洗濯を克服できないまま日々が過ぎたある日、小崎さんは自分の干したおしめが黄ばんできていることに気づきます。「こんな汚いおしめを子どもの肌にあてがうなんて、あかん……」。その日から小崎さんは、おしめに付いたウンチも手で洗い落とすようになりました。


誰でも皆、初めから子育てができるわけではないと小崎さんは言います。「赤ちゃんが生まれて病院から帰ってきたとき、おしめを替えるのが初めてなのは、パパもママも同じでしょ?」。誰しも初めは子育て初心者。経験を通して、親になっていくのです。