「ガンバリズム」に頼ってきた日本企業

吉越日本のワークライフバランスは、まだまだこれからだと思いますね。昨年、1人当たりのGDP(国内総生産)で、日本がシンガポールに抜かれたというニュースがありました(※1)。日本の1人当たりGDPは国際的に見ると、もはや高くはないんですね。残業時間を含めて、時間当たりのGDPで比べたら、もっと低いでしょう。

もちろん製造業の生産現場の効率化は進んでいるけれども、ホワイトカラーは改善の余地がたくさんある。日本のビジネスパーソンはガンバリズムで最後までやってしまう、そして企業側もそこに依存してしまっている。もっとITやシステムを導入して、残業ゼロの働き方を実践しないと、1人当たりのGDPはますます低下し、ワークライフバランスも進まない、ということになってしまいます。


小室自分は変えたいと思っているけれど、外的要因が変わらない限り、変えられないという思い込みが日本人には強いのではないでしょうか。「端から徐々に変えていけばいい」と進言しても、「変わるわけない」と尻込みしてしまう。


吉越例えば救急病院の医者の数が足りなくて、患者を乗せた救急車がたらい回しになった挙句、患者が死亡するという事件がありましたが、すべての地域でそういう状況かというと、そうじゃない。千葉の柏市には25年間救急車の要請を一度も断ったことがないという病院があるんです(※2)。その病院は医者を募集すると、募集枠以上に人が集まるという。医者が足りない、政府がいけない、という前に、自助努力が必要でしょう。結局、「天は自ら助くるものを助く」ですから。その精神に立ち戻る必要があります。

※1 2008年7月31日 日本経済新聞より
※2 2008年11月6日 朝日新聞より