【企業編】
新たな「交流文化ビジネス」創造は
ダイバーシティ戦略から 前編
JTBグループ
例年、大学生人気就職先ランキングでは、女子学生から圧倒的な支持を集めるJTBグループ。契約社員を含めれば、女性が8割を占める職場もあるそうです。そんなJTBグループが今まさに取り組みを強化しているというダイバーシティと、その一環であるワークライフバランスにかかわる活動について伺いました。
きっかけは、経営陣の気づき

ダイバーシティ推進室
マネージャーの浪貝美砂さん
JTBグループで年に1度、国内外全グループ会社(2008年度で計176社)の執行役員以上約400名が集まって開かれる「ALL JTB MEETING」。それは、2006年度に開催された時のことでした。会場は男性の黒っぽい背広の軍団で埋められ、まるでカラス集団のような状態。女性の執行役員は全グループ合わせても、たったの4人しかいないことに、改めて役員たち自らが気づいたのです。「あれ? これって、ちょっとおかしいのでは?」と。
折しも、日経ウーマン誌が恒例で行っている「女性が働きやすい会社ベスト100」の記事でも、まさかの72位。
「これは非常にショッキングでした」と語るのは、現在、ダイバーシティ推進室の専任マネージャーを務める浪貝美砂さんです。
「実際、女性管理職がいるといっても、JTBの支店店頭カウンターやコールセンターなど限られた職場。法人営業や人事・経営企画セクションではまれで、そこには昇進を阻む「ガラスの天井」ならぬ、部署間の「ガラスの壁」があります。そうでなくても、サービス業は残業が多く、添乗業務ともなれば昼夜を分かたない仕事でワークライフバランスどころではない。出産をきっかけに退職する女性社員も少なくありませんでした」。
そこで、女性の活躍を推進すべく、JTBグループ本社総務部内に「ダイバーシティプロジェクト」を立ち上げました。その活動のなかで、育休取得前後の女性社員にヒアリングを重ねるうちに、これは単に女性社員の育休の問題や女性活用だけの話ではなく、全社員の働き方、ひいては会社全体のこれからにかかわる経営戦略上の課題だ、ということに気付いたのです。

