【第9セッション〜第10セッション】

         熊村剛輔氏

MS日本独自のソーシャルメディア用「バイブル」、しかし参加者の興味は…

9番目のセッションは日本のマイクロソフト(MS)が独自導入したソーシャルメディア利用のハンドブック「バイブル」の解説。MSのセントラルマーケティング本部ソーシャルメディアリードの熊村剛輔氏(@gosuke)が「大企業におけるソーシャルメディアマーケティング推進戦略マイクロソフト "バイブル" 誕生秘話」と題して講演した。いわゆるガイドラインより広い意味で社内規定の順守など守りの面以外に、ソーシャルメディアの実態把握や、行動計画の解説、戦略策定、効果測定、指標作りなど攻めの面を網羅していると言うこの「バイブル」、大企業にとっては非情に興味深い内容が展開された。Twitterでは本題から外れて「すごいイイ声ですね…」「声、座り方、プレゼン、ぜんぶかっこいい」と熊村氏のスタイルにも関心が集まった。セッションの終わりに声や話し方やものごしの評判が良いと知らされた熊村氏は「内容は全然だめでした?」と冗談も交えて反応し、硬いテーマながらも笑いに包まれたセッションとなった。

熱く、笑えた「政治」セッション

10番目のセッションはソーシャルメディアと政治を主題にした討論。「入党なう」のつぶやきとともに自民党からの民主党へ移った田村耕太郎参議院議員(@kotarotamura)、民主党所属でGoogleマップやTwitterをマッシュアップしたロールプレイング・ゲーム風の政治活動サイト「ナカノクエスト」を運営する東京都中野区の奥田けんじ区議会議員(@okudakenji)、司会を務めたのは東海大学の芦田宏直教授(@HironaoAshida)。

 左奥から/芦田宏直氏、奥田けんじ氏、田村耕太郎氏【撮影:菅野勝男】

「政治活動におけるツイッター活用」と題したが、会場でもネット上でも最も笑いが絶えないセッションだった。1人1回2分でベルを鳴らして交代しながら、持論を述べるというルールを定め、芦田教授が2人の議員に、Twitterを始めたきっかけや政治活動における位置付けなどを聞いた。

田村議員は知人から面白いと紹介を受けたことが始めたきっかけで、今ではマスメディアを介さず考えを発信し、Twitterの特性上、短時間に大量の批判が集まるとしたうえで、それらに目を通したうえで「スルーする(受け流す)」という政治家に必要な能力を養うのに優れたツールと位置付ける。実際、田村議員は持ち時間制限のベルが鳴っても、さっそくつちかったスルーする力を発揮して雄弁をふるいつづけた。会場で大きな笑いが起こり、Twitterでも「ひと発言2分制限 笑」「しかも気にしないと、いきなり返す軽妙さ」「田村耕太郎氏ですから(笑)早速チンがなりました!」といった投稿が続いた。

一方の奥田議員は自分のサイトを開発中に、Twitterの流行の波を迎え、波を逃がす訳にいかず取り入れたという。またTwitterをはじめ各種のサービスを使いこなす奥田議員だが、意外にも新しいツールを過信してはいけないとの考えの持ち主で、「Twitterのユーザー数はたかが知れている」「アーリーアドプター(先進的なユーザー)は生活も困っていないし、選挙にいかない」と、Twitterが直接に地方選挙の当落に結びつくことはないと考えを示した。一方で間接的に選挙に影響力を持つ人々とコミュニケーションがとれる点で、意味があると述べた。

芦田教授は、「Twitterはすべての発言にアドレスがついており、関係ないところへ自分のアドレスがどんどん飛んでいく」とし、奥田議員の発言が思いもよらないところで影響力を発揮している可能性を示唆した。これを受けて田村議員もそうした発言がマスメディア関係者の目に触れて、2次利用される影響などは無視できないものがあると同意した。